お知らせ

この父にして、この娘あり。
普遍にして特別な家族の物語。


 コラムニスト、ラジオパーソナリティとして活躍するジェーン・スーさんが、自身の父のことを描いたエッセイです。約二十年前、家族の潤滑油的存在だった母をガンで亡くしてから、会えばギクシャク、一時は絶縁寸前だった父と娘。気づくと父は八十歳、娘は四十代半ばに。母の母以外の顔を知らずに別れてしまったことをずっと後悔していたジェーン・スーさんが、同じ後悔をしたくないと、父に会い、話を聞き、その人生をまとめた、本人いわく「人生の中間決算における報告書のようなもの」が、本書です。
 このお父さんが実に魅力的。「元都知事と某新聞社主筆を、足して二で割らない性格」で、女性と数々の浮名を流し、商売人として仕事に打ち込み、昭和をたくましく生きた――。
 しかし、五十代後半で伴侶を亡くし、その後、株で失敗して全財産を喪失。それでも、飄々として老後を楽しみ、娘ともう一度家族をやり直す――その過程が綴られています。
「読んで、自分の家族のことを考えた」「久しぶりに父に会って話をしようと思った」など、すでに反響続々。向田邦子父の詫び状』、リリー・フランキー東京タワー―オカンとボクと、時々、オトン―』といった名作を彷彿とさせる、家族を描いた新たな傑作の誕生です。

波 2018年7月号「新潮社の新刊案内」より

著者紹介

ジェーン・スーSu,Jane

1973(昭和48)年、東京生れの日本人。作詞家、コラムニスト、ラジオパーソナリティ。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』で講談社エッセイ賞を受賞。他の著書に『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。』『揉まれて、ゆるんで、癒されて』『これでもいいのだ』『女のお悩み動物園』などがある。

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