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小林秀雄と人生を読む夕べ 〈その4〉文学を読む II「読書について」(第6回/全6回)

小林秀雄の主要な作品を順次取り上げ、小林秀雄とともに人生を味わっていく集いです。連続講座ですが、毎回1編ずつとりあげますので、1回だけのご参加も大歓迎です。

小林秀雄と人生を読む夕べ 〈その4〉文学を読む II「読書について」(第6回/全6回)

 日本の近代批評の創始者・確立者として大きな足跡を残した小林秀雄は、深い思索と歯切れのよい文章で“人生の教師”としても仰がれ慕われました。その小林秀雄の主要な作品を順次取り上げ、小林秀雄とともに人生を味わっていく集いです。連続講座ですが、毎回1編ずつ取り上げますので、1回だけのご参加も大歓迎です。

 ご案内は、編集担当者として小林秀雄にじかに接していた新潮社の元編集者、池田雅延です。前半50分は各回の対象作品について池田がお話しします。後半40分は出席者全員での茶話会とし、毎回la kaguカフェがご用意するお茶とお菓子をお楽しみいただきます。池田が質問にお答えしたりしながら、座談の名手でもあった小林秀雄をより身近に感じるひとときを過ごします。

 文学を読むII を締めくくる作品は、「読書について」です。今回は「本をいかに読むべきか」「人生に読書を生かすにはどうすればよいか」という、ごくごく実用的なことをお話しします。

 いうまでもなく稀代の読書家であった小林秀雄は、書物と、どのように取り組んでいたのでしょうか。「読書について」では、小林秀雄の読書術ともいうべき方法が記されています。「はっきりと目覚めて物事を考えるのが人間の最上の娯楽」と語る小林秀雄に、書物との付き合い方を習いましょう。ぜひご参加ください。

開催日時 2016年9月15日(木) 18:50〜20:30(受付開始18:20)
会場 la kagu(ラカグ)2F レクチャースペースsoko 東京都新宿区矢来町67
URL 詳細はこちらをご覧ください。
備考 小林秀雄と人生を読む夕べ〈その4〉――文学を読む2

*日程と取上げる作品 ( )内は新潮社刊「小林秀雄全作品」の所収巻
2016年04月21日 「罪と罰」について I(5)・同II(16)〈終了〉
2016年05月19日 テスト氏(6)〈終了〉
2016年06月16日 私小説論(6)〈終了〉
2016年07月21日 作家の顔(7)〈終了〉
2016年08月25日 菊池寛論(9)〈終了〉
2016年09月15日 読書について(11)

☆いずれも各月第3木曜日、時間は午後6時50分~8時30分を予定していますが、やむを得ぬ事情で変更する可能性があることをご了承ください。

*これまで取上げてきた作品

2014年10月から始まったこの集いは、〈その1〉で「ランボオ」「ドストエフスキイの生活」「モオツァルト」「ゴッホの手紙」「近代絵画」「本居宣長」と、小林秀雄が最も力を注いだ人間劇の大作を取上げ、小林秀雄山脈の最高峰を辿りました。

〈その2〉では、若き小林秀雄が文学活動を開始した時期の6篇、「一ツの脳髄」「様々なる意匠」「志賀直哉」「Xへの手紙」「アンドレ・ジイド」「故郷を失った文学」を読み、当初は小説家になろうとしていた小林秀雄が、批評家になるに至った岐れ路までを歩きました。

そして〈その3〉では「美を求めて」と銘打ち、30代半ばのある日、小林秀雄が突如として身を躍らせた美の世界を訪ね、美と生きることによって触れた人生の機微を「伝統」「無常という事」「骨董」など美の体験記6篇の行間から聞き取ろうとしました。

今回の〈その4〉終了後も〈その5〉〈その6〉……と6篇ずつ半年単位で取り上げていく予定です。

なお、この集いは、これまで「小林秀雄と人生を味わう夕べ」と呼んできましたが、2016年4月から、「味わう」を「読む」としました。「味わう」も小林秀雄にとっては大事な言葉ですが、最後の労作「本居宣長」の第41章に、「人生を物語と観じて、よみならうという一種の眼力を……」という一節があります。歩き始めて1年半、たくさんの方々の熱意に支えられてここまでくることのできた私たちの集いは、小林秀雄が最晩年に熱く説いた「人生を読むという眼力」を念頭において回を重ねていくことで、いっそう深く小林秀雄を、人生を、味わいたいと思います。

著者紹介

小林秀雄コバヤシ・ヒデオ

(1902-1983)東京生れ。東京帝大仏文科卒。1929(昭和4)年、「様々なる意匠」が「改造」誌の懸賞評論二席入選。以後、「アシルと亀の子」はじめ、独創的な批評活動に入り、『私小説論』『ドストエフスキイの生活』等を刊行。戦中は「無常という事」以下、古典に関する随想を手がけ、終戦の翌年「モオツァルト」を発表。1967年、文化勲章受章。連載11年に及ぶ晩年の大作『本居宣長』(1977年刊)で日本文学大賞受賞。2002(平成14)年から2005年にかけて、新字体新かなづかい、脚注付きの全集『小林秀雄全作品』(全28集、別巻4 )が刊行された。

池田雅延イケダ・マサノブ

昭和45年、新潮社に入り、「本居宣長」をはじめとする書籍の編集を通じて小林秀雄の肉声を聞き続けた。小林亡き後も第5次、第6次「小林秀雄全集」を編集、第6次全集では本文を新字体・新かなづかいで組み、全作品に脚注を施すなどの新機軸を打ち出した。

書籍紹介