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20年かけて遂に完結 佐伯時代小説の精華、全30巻

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 質の高いエンタテインメント小説に目のなかった俳優の児玉清さんは、かつてこの大長編について、「伝奇時代小説」でもあり、「剣豪小説」でもあり、「忍者小説」でもあり、「諜報謀略小説」でもあり、「海洋小説」でもあり、「経済小説」でもあると語ったことがあります。
「古着屋総兵衛影始末」シリーズが十一巻、「新・古着屋総兵衛」シリーズが十八巻。他に両シリーズに前置される『光圀―古着屋総兵衛 初傳―』が一巻、合計三十巻のシリーズが完結しました。
 舞台は日本橋富沢町の古着問屋大黒屋。表の顔は古着問屋の商人、裏の貌は祖伝夢想流の剣客でありながら、諜報武闘集団を率いる影の旗本、それが鳶沢総兵衛です。
 影始末シリーズは元禄期、側用人柳沢吉保の仕掛ける数々の非道と闘い、帆船での海外交易に乗り出し大きな視野を手に入れ……、これが六代目総兵衛です。
 新シリーズは百年ほど後、文化年間、十代目総兵衛の物語。ロシアなど、外国船が和国を窺う時代。政権は制度疲労を起し、幕府の為に働けばいいという状況でもなくなっています。総兵衛は新たな敵と対決しながら、正義の意味に苦悩し、世界情勢にも目を向けていきます。最終巻では希望に満ちた圧巻の感動に包まれます。是非、ご一読のほどを。

波 2019年7月号「新潮社の新刊案内」より

著者紹介

佐伯泰英サエキ・ヤスヒデ

1942(昭和17)年、北九州市出身。日大芸術学部卒。映画・テレビCMの撮影助手を経て、1975年より、カメラマン、ノンフィクションライターとして活躍。1976年『闘牛』を発表。1981年『闘牛士エル・コルドベス 一九六九年の叛乱』でドキュメント・ファイル大賞を受賞。1987年、初の小説『殺戮の夏コンドルは翔ぶ』を発表。以降、多数の国際謀略小説、ミステリ小説を執筆。1999(平成11)年、初の時代小説『密命』を発表。以降、「夏目影二郎始末旅」「鎌倉河岸捕物控」「吉原裏同心」「古着屋総兵衛影始末」「居眠り磐音 江戸双紙」「酔いどれ小籐次」「交代寄合伊那衆異聞」等の人気シリーズを立ち上げる。人間味溢れる人物造形、豊かな物語性、迫力ある剣戟描写等いずれも高く評価され、広範な読者の熱狂的な支持を得ている。また、エッセイ集として『惜櫟荘だより』がある。

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