お知らせ

古市憲寿著『百の夜は跳ねて』
に挙げた参考文献について

 古市憲寿著『百の夜は跳ねて』(第161回芥川賞候補作)に挙げた参考文献に関連して、複数のお問合せをいただいておりますので、以下、成立経緯について説明させて頂きます。
 2018年11月9日、「新潮」編集部より新作小説の依頼をした際、「高層ビルの窓拭き作業員を主人公にしたい」というテーマが古市氏から提示されました。「新潮」編集部の担当者が取材先を模索する過程で、高層ビルの窓拭きの仕事のご経験があり、労働現場を舞台にした「天空の絵描きたち」(「文學界」2012年10月号掲載)という作品がある小説家・木村友祐氏に取材をお願いしたところ、ご友人の職人の方を紹介して下さることになりました。2019年1月28日、20年以上ビルの窓清掃の仕事をされている職人の方と木村氏にお話を伺い、古市氏はその取材記録を生かして、本作中の労働現場を描写しました。
 高層ビルの窓の清掃は時に死亡事故も発生する危険な仕事で、表向きの取材ではなかなか実態が掴めません。木村氏やご友人のお話から、貴重な現場の実態を知る事ができ、感謝と敬意を込めて、「天空の絵描きたち」を参考文献として挙げさせて頂きました。

新潮社