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いま注目の1冊!
殺人や強盗、性犯罪などの凶悪な罪を犯していながら、「ホールケーキを3等分する」といった簡単な課題すらできない――。そんな非行少年たちの驚くべき実態を明かした新潮新書『ケーキの切れない非行少年たち』がベストセラーとなっています(15刷30万部)。
キーワードは「認知のゆがみ」。本書では、極めて歪んだ形でものごとを認識している人たちの様子を、著者が勤務した医療少年院のケースなどから詳述しています。反響は大きく、「“不良少年”の真実の姿が見えた」「あおり運転やいじめなど、世間を賑わす社会問題の背後にある“原因”も分かった」などの声が続々と寄せられています。
本書によれば、「知的障害」とまでは言えないものの現代社会では様々な困難に直面する「境界知能」の人が人口の14%もいます。35人学級なら5人程度。この層の子ども達の多くが、問題に気づかれないまま放置されることで、社会のセイフティネットから落ちこぼれてしまっている、というのが著者の見立てです。
本書では、児童精神科医の目から見た「非行少年」の真実、彼らを取り巻く問題の構造、効果的な支援方法が一気通貫で語られています。矯正関係者だけでなく、広く教育関係者にも資する本です。
著者紹介
宮口幸治ミヤグチ・コウジ
立命館大学教授・児童精神科医。一般社団法人・日本COG-TR学会代表理事。京都大学工学部卒業、建設コンサルタント会社勤務の後、神戸大学医学部医学科卒業。神戸大学医学部附属病院精神神経科、大阪府立精神医療センターなどを勤務の後、法務省宮川医療少年院、交野女子学院医務課長を経て、2016年より現職。医学博士、子どものこころ専門医、臨床心理士。児童精神科医として、困っている子どもたちの支援を教育・医療・心理・福祉の観点で行う「日本COG-TR学会」を主宰し、全国で教員等向けに研修を行っている。主な著書に『ケーキの切れない非行少年たち』『どうしても頑張れない人たち』『ドキュメント小説 ケーキの切れない非行少年たちのカルテ』『歪んだ幸せを求める人たち ケーキの切れない非行少年たち3』(いずれも新潮社)、『境界知能とグレーゾーンの子どもたち』(扶桑社)、『医者が考案したコグトレパズル』(SBクリエイティブ)など計80冊。