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いま注目の1冊!

日本人の7人に1人は「境界知能」。非行少年の驚くべき真実。

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 殺人や強盗、性犯罪などの凶悪な罪を犯していながら、「ホールケーキを3等分する」といった簡単な課題すらできない――。そんな非行少年たちの驚くべき実態を明かした新潮新書『ケーキの切れない非行少年たち』がベストセラーとなっています(15刷30万部)。
 キーワードは「認知のゆがみ」。本書では、極めて歪んだ形でものごとを認識している人たちの様子を、著者が勤務した医療少年院のケースなどから詳述しています。反響は大きく、「“不良少年”の真実の姿が見えた」「あおり運転やいじめなど、世間を賑わす社会問題の背後にある“原因”も分かった」などの声が続々と寄せられています。
 本書によれば、「知的障害」とまでは言えないものの現代社会では様々な困難に直面する「境界知能」の人が人口の14%もいます。35人学級なら5人程度。この層の子ども達の多くが、問題に気づかれないまま放置されることで、社会のセイフティネットから落ちこぼれてしまっている、というのが著者の見立てです。
 本書では、児童精神科医の目から見た「非行少年」の真実、彼らを取り巻く問題の構造、効果的な支援方法が一気通貫で語られています。矯正関係者だけでなく、広く教育関係者にも資する本です。

波 2019年12月号「新潮社の新刊案内」より

著者紹介

宮口幸治ミヤグチ・コウジ

立命館大学産業社会学部教授。京都大学工学部を卒業し建設コンサルタント会社に勤務後、神戸大学医学部を卒業。児童精神科医として精神科病院や医療少年院に勤務、2016年より現職。困っている子どもたちの支援を行う「コグトレ研究会」を主宰。医学博士、臨床心理士。

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