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いま注目の1冊! 坂本龍一『音楽は自由にする』

激動の半生と音楽への想いを克明に語った初の自伝

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 本書は去る3月28日に逝去された坂本龍一さんが、57歳までの音楽家人生を回顧した決定的な自伝です。編集がすべて終わり、まさにこれから印刷に着手するというところで、坂本さんは旅立ってしまいました。心よりご冥福をお祈りいたします。
 刷り上がった見本を直接お届けすることは叶いませんでしたが、坂本さんの愛した「芸術は長く、人生は短し」という格言の通り、開けばいつでも著者の想いに触れることのできる本は、音楽と同様、後世に長く残る芸術です。
 成語のもとは古代ギリシャの医聖ヒポクラテスの言葉で、技術を習得するには人生はあまりに短いという意味でした。時を経るなかで、芸術は長く残るという意味に転じ、坂本さんをはじめ、多くの芸術家を励ましてきました。坂本さんの人生もまた永遠ではありませんでしたが、作品は永遠に残ります。
 57歳からご逝去の直前までが語られている、本書の続編にあたる『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』も6月21日に刊行されます。あわせてご注目ください。

波 2023年6月号「いま話題の本」より

著者紹介

坂本龍一サカモト・リュウイチ

1952年1月17日、東京生まれ。東京藝術大学大学院修士課程修了。1978年『千のナイフ』でソロデビュー。同年、YMOの結成に参加。1983年に散開後は『音楽図鑑』『BEAUTY』『async』『12』などを発表、革新的なサウンドを追求し続ける姿勢は世界的評価を得た。映画音楽では『戦場のメリークリスマス』で英国アカデミー賞音楽賞、『ラストエンペラー』でアカデミー賞作曲賞、ゴールデングローブ賞最優秀作曲賞、グラミー賞映画・テレビ音楽賞ほか、受賞多数。『LIFE』『TIME』をはじめとする舞台作品や、韓国や中国での大規模インスタレーション展示など、アート界への越境も積極的に行なった。環境・平和問題への提言も多く、森林保全団体「more trees」を創設。また「東北ユースオーケストラ」を設立して被災地の子供たちの音楽活動を支援した。2023年3月28日死去。

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