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いま注目の1冊! 小池真理子/著、桐野夏生/著、江國香織/著、綿矢りさ/著、柚木麻子/著、川上弘美/著『Yuming Tribute Stories』
不世出のシンガーソングライター、ユーミン(松任谷由実)のデビュー50周年を記念して2022年に文庫オリジナルとして刊行された本書は、ユーミンのそれまでの人気曲のタイトルから発想を得て、当代随一の女性作家6人が思い思いに物語を綴った豪華な書下ろし小説集でした。
このたび、その中から3篇がドラマ化。綿矢りささんの「青春のリグレット」(主演/夏帆)、柚木麻子さんの「冬の終り」(主演/麻生久美子)、川上弘美さんの「春よ、来い」(主演/宮崎あおい)が、3月4日から、夜ドラ「ユーミンストーリーズ」として各4回、NHK総合で放映されます。
音楽と文学とTVドラマの最高のリミックスは放送でお楽しみいただくとして、他の3篇――学生時代からの悔恨を描く小池真理子さん「あの日にかえりたい」、大学職員の恋心を桐野夏生さんが活写した「DESTINY」、異国の忘れじの光景を写す江國香織さん「夕涼み」――もまた、ユーミンの音楽世界とみごとなハーモニーを醸す傑作。ぜひ御一読を。
著者紹介
小池真理子コイケ・マリコ
1952(昭和27)年、東京生れ。成蹊大学文学部卒業。1995(平成7)年『恋』で直木賞、1998年『欲望』で島清恋愛文学賞、2006年『虹の彼方』で柴田錬三郎賞、『無花果の森』で2011年度芸術選奨文部科学大臣賞、2013年『沈黙のひと』で吉川英治文学賞を受賞した。代表的な長編作品に『狂王の庭』『虚無のオペラ』『瑠璃の海』『望みは何と訊かれたら』『神よ憐れみたまえ』がある一方、短編の名手としても知られ、『水無月の墓』『夜の寝覚め』『雪ひらく』『玉虫と十一の掌篇小説』『Kiss』といった短編集も多数発表している。また、エッセイ集に『月夜の森の梟』などがある。
桐野夏生キリノ・ナツオ
1951年金沢市生まれ。1993年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞を受賞。1997年に発表した『OUT』は社会現象を巻き起こし、日本推理作家協会賞を受賞。1999年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞を受賞。以後、柴田錬三郎賞、婦人公論文芸賞、谷崎潤一郎賞、紫式部文学賞、島清恋愛文学賞、読売文学賞を受賞と、主要文学賞を総なめにする。現・日本ペンクラブ会長。
江國香織エクニ・カオリ
1964(昭和39)年東京生れ。1987年「草之丞の話」で「小さな童話」大賞、1989(平成元)年「409 ラドクリフ」でフェミナ賞、1992年『こうばしい日々』で坪田譲治文学賞、『きらきらひかる』で紫式部文学賞、1999年『ぼくの小鳥ちゃん』で路傍の石文学賞、2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2007年『がらくた』で島清恋愛文学賞、2010年『真昼なのに昏い部屋』で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年『ヤモリ、カエル、シジミチョウ』で谷崎潤一郎賞を受賞した。近刊に『去年の雪』『川のある街』など。小説以外に、詩作や海外絵本の翻訳も手掛ける。
綿矢りさワタヤ・リサ
1984(昭和59)年京都府生れ。2001(平成13)年『インストール』で文藝賞受賞。早稲田大学在学中の2004年『蹴りたい背中』で芥川賞受賞。2012年『かわいそうだね?』で大江健三郎賞、2020(令和2)年『生のみ生のままで』で島清恋愛文学賞受賞。『勝手にふるえてろ』『ひらいて』『私をくいとめて』『夢を与える』など映像化作品も多い。ほかの著書に『憤死』『大地のゲーム』『手のひらの京』『意識のリボン』『オーラの発表会』『あのころなにしてた?』『パッキパキ北京』などがある。
柚木麻子ユズキ・アサコ
1981年東京生まれ。2008年「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞し、2010年に同作を含む『終点のあの子』でデビュー。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞を受賞。ほかの作品に『私にふさわしいホテル』『ランチのアッコちゃん』『伊藤くん A to E』『本屋さんのダイアナ』『マジカルグランマ』『BUTTER』『らんたん』『ついでにジェントルメン』『オール・ノット』などがある。
川上弘美カワカミ・ヒロミ
1958(昭和33)年、東京都生れ。1994(平成6)年「神様」で第一回パスカル短篇文学新人賞を受賞。1996年「蛇を踏む」で芥川賞、1999年『神様』でドゥマゴ文学賞、紫式部文学賞、2000年『溺レる』で伊藤整文学賞、女流文学賞、2001年『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞、2007年『真鶴』で芸術選奨文部科学大臣賞、2015年『水声』で読売文学賞、2016年『大きな鳥にさらわれないよう』で泉鏡花文学賞を受賞。その他の作品に『椰子・椰子』『おめでとう』『ニシノユキヒコの恋と冒険』『古道具 中野商店』『夜の公園』『ざらざら』『パスタマシーンの幽霊』『機嫌のいい犬』『なめらかで熱くて甘苦しくて』『猫を拾いに』『ぼくの死体をよろしくたのむ』『某』『三度目の恋』などがある。