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いま注目の本! 丸谷才一『笹まくら』

もし、召集令状が届いたら……
戦後日本文学の代表作がNHK BSにて初の映像化!

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 逃げるしかない──昭和15年、浜田庄吉は、入隊前日に宮崎行の汽車に乗った。徴兵忌避だった。国家への反逆。捕まれば厳罰だ。残された家族も非国民の汚名を着せられる。それでも逃げるしかなかった。北海道、東北、北陸、山陽、四国、九州、ついには朝鮮へ。終戦を迎え自由になった浜田だったが、20年後、彼を待ち受けていたのは……。
 この個人と国家や社会との相克を描いた傑作がドラマ化されます。主演の浜田役は森山未來。放送を前に「国家というものの目的は、戦争以外にない」とコメント。いったいどんな浜田が演じられるのでしょうか。他には川栄李奈、青木柚、堀田真由らが出演。
 ちなみに、「戦後文学史における記念すべき事件」と評される本作は、ジェイムズ・ジョイスの影響を強く受けており、戦中の逃亡部分と戦後の部分が交互に切れ目なく書かれる独特の構成になっています。この文章がどのように映像化されるのかにも注目。ドラマの放送は8月8日の21時から。戦後81年のこの夏に、見てほしい、読んでほしい一作です。

波 2026年8月号「いま話題の本」より

著者紹介

丸谷才一マルヤ・サイイチ

(1925-2012)山形県鶴岡市生れ。東京大学文学部英文科卒。1967年『笹まくら』で河出文化賞、1968年『年の残り』で芥川賞を受賞。小説、評論、エッセイ、翻訳と幅広い文筆活動を展開。『たった一人の反乱』(谷崎潤一郎賞)『裏声で歌へ君が代』『後鳥羽院』(読売文学賞)『忠臣藏とは何か』(野間文芸賞)『輝く日の宮』(泉鏡花文学賞)『持ち重りする薔薇の花』など著書多数。訳書にジョイス『若い藝術家の肖像』(読売文学賞)など。2011年文化勲章受章。

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