本・雑誌・ウェブ
誰だ、表現の自由を
奪うのは!
「新潮」8月号
定価900円
7月7日発売


 柳美里氏の小説デビュー作「石に泳ぐ魚」は、小誌94 年9月号に発表されましたが、モデル側がプライバシーを侵害されたとして提訴、一、二審とも著者および小社に、同作の出版差し止めが命じられました。そんな折も折、今度は個人情報保護法案が国会に上程され、文学の生命線である表現の自由にますます制限が加えられようとしています。緊急特集「文学と表現の自由2001」は、こうした事態に鑑み、野坂昭如、筒井康隆、加賀乙彦、車谷長吉、佐川光晴、吉岡忍の6氏による基調エッセイと、編集部レポート、安岡章太郎、梅原猛、村上龍ら20氏へのアンケートで構成、さまざまなタブーや、司法との関係等について、現場の意見を集約しました。
 今号の巻頭一挙掲載は、日本人少女と中国人少年の、戦後半世紀を隔てた大陸での奇跡的な再会に、互いの人生の転変を投影する加藤幸子氏「長江」四三五枚。小説は他に大庭みな子、中薗英助氏ら。
(編集長・前田速夫)
■年間講読料一〇八〇〇円(12冊 税・発送費込)