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QED
「新潮」7月号
特別定価950円
6月7日発売


「ああ、静かだ」小川洋子氏「博士の愛した数式」の登場人物で、記憶障害を抱えた数学者が難問を解いた後に漏らす呟きです。文学と数学という、一見正反対の世界に想像力で見事に大橋をかけた、静かで深い感動の三八〇枚です。鈴木清剛氏「スピログラフ」の幾何学的意味は作品から知っていただくとして、現代の若者のクールな情感を鋭く捉えた二二五枚です。
 新世紀ポストモダン文学の可能性を極限まで追求して日本でも話題を呼んだ巨編『紙葉の家』の著者ダニエレブスキーの最新短編「真夜中のすべての光」を公開。第一六回三島賞が舞城王太郎氏の「阿修羅ガール」に決定、前号に続き、異才が登場します。
 福田和也氏の新たな代表作との呼び声が高かった力作連載「イデオロギーズ」が遂に完結。秋山駿氏の新連載「文学の葉脈」が今号スタートです。
(編集長・矢野優)
■年間講読料一〇八〇〇円(12冊 税・発送費込)