真夏の暴風
「新潮」9月特大号
特別定価950円
8月7日発売


◎舞城王太郎氏の『阿修羅ガール』(第16回三島賞受賞)は衝撃的だった。「ページから、どんどん風が吹いてくる。レッド・ツェッペリンとかブラック・フラッグとかのLPをはじめて聞いた時の感じ。その感触が、まだ見ぬものへの畏れを喚起する楽しみ」(福田和也氏の三島賞選評)。その舞城氏の最新長篇『みんな元気。』は、『阿修羅ガール』を彷彿させる文体と疾走する想像力に充ちている。ページから、真夏の暴風が吹いてくる◎前回の新潮新人賞受賞作家、浅尾大輔氏の受賞第一作長篇『胸いっぱいの、』は、生の悲哀と可笑みの調合において格段の前進を遂げた◎小誌を舞台にした浅田彰氏と島田雅彦氏の対話は東西冷戦終結前の1987年に始まり、対談集『天使が通る』刊行後も継続している。本号掲載の最新対談では、この十数年に生じた文化・政治・経済の地殻変動を語っていただいた。終りのない対話に敢えて転回点を設けるなら、現在こそが相応しい。
(編集長・矢野優)