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新発見 川端康成・東山魁夷往復書簡

編集長・矢野優
「新潮」6月号
定価900円
5月7日発売



◎新たに存在が確認された川端康成・東山魁夷の往復書簡の主要部を公開する。昭和30年(川端55歳、東山46歳)に始まり、川端の死の前年まで17年に及ぶ文通は、美への飽くなき希求と互いの創造への敬意に充ち、時に強烈なまでに生々しい。画廊から東山作品を薦められた川端は「名作なら買ひますがと申しました。(略)しかしもっと傑れた繪を沢山拝見してをりますので私はためらひました」と率直に伝えないではおれない。あるいは東山画集に触れた川端は「私はどこに行けばこのやうに純度高まるものか、最早自分には得られぬのではないかと深く省み悲しみもいたしました」と表層的な祝辞を越えた言葉を吐露するのだ◎各年度の最も完成度の高い短篇に贈られる川端康成文学賞を発表。今年度は辻原登氏「枯葉の中の青い炎」に決定した(全文掲載)◎車谷長吉、生田紗代両氏の力作中篇を掲載。村上春樹氏の連作「東京奇譚集」が最終回を迎える。