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暁の寺―豊饒の海・第三巻―

三島由紀夫/著

825円(税込)

発売日:1977/11/01

  • 文庫

世界は、一瞬一瞬ごとの「滝」――おそるべき認識が物語を貫く。

自分は日本人の生れ変りです――。タイの姫君は本多繁邦にそう訴え、松枝清顕と飯沼勲に関する質問にも正確に答えた。続くベナレスの旅で本多は輪廻の実相を目撃し、白い聖牛の厳かな顔に慄然とする。脳裏に甦るのは清顕の「あの言葉」。戦後、姫と再会した本多はその肌に転生の印を見究めんとするのだが……。認識と神秘の相克が招く圧巻の結末。『豊饒の海』第三巻。

  • 舞台化
    2018 PARCO PRODUCE “三島 × MISHIMA” 豊饒の海(2018年11月公演)

書誌情報

読み仮名 アカツキノテラホウジョウノウミ03
シリーズ名 新潮文庫
装幀 新潮社装幀室/デザイン
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
頁数 448ページ
ISBN 978-4-10-105023-2
C-CODE 0193
整理番号 み-3-23
ジャンル 文芸作品
定価 825円

どういう本?

タイトロジー(タイトルを読む)

 この塔は永きに亘って、色彩を以てする暁鐘の役割を果して来たのだった。鳴りひびいて暁に応える色彩。それは、暁と同等の力、同等の重み、同等の破裂感を持つように造られたのだった。
 メナム河の赤土色に映った凄い代赭色の朝焼の中に、その塔はかがやく投影を落して、又今日も来るものうい炎暑の一日の予兆を揺らした。……(本書19〜20ページ)

著者プロフィール

三島由紀夫

ミシマ・ユキオ

(1925-1970)東京生れ。本名、平岡公威(きみたけ)。1947(昭和22)年東大法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも9ヶ月で退職、執筆生活に入る。1949年、最初の書き下ろし長編『仮面の告白』を刊行、作家としての地位を確立。主な著書に、1954年『潮騒』(新潮社文学賞)、1956年『金閣寺』(読売文学賞)、1965年『サド侯爵夫人』(芸術祭賞)等。1970年11月25日、『豊饒の海』第四巻「天人五衰」の最終回原稿を書き上げた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。ミシマ文学は諸外国語に翻訳され、全世界で愛読される。

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