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いま注目の1冊!

今年の夏は例年以上に過酷な暑さです。暑くて仕方がない……そんな時には「体感温度が五℃下がる」、「背筋のゾクゾクが止まらない」とSNSで大評判となり、発売即重版の怪談ミステリはいかがでしょうか。
「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」——突然の依頼に、作家の「私」は過去の凄惨な体験を思い出します。彼女は、事件を小説にすることで解決の糸口を探ろうとしますが……。
著者の芦沢央さんは、『悪いものが、来ませんように』が十万部超えのベストセラーとなり、発表した短編が次々と推理作家協会賞の候補になったことから「新ミステリの女王」との呼び声も高い注目作家。今回、怪談というジャンルに挑戦するにあたって、ミステリの手法が役に立ったと語ります。
「たとえば、『殺人鬼がいるから俺は一人で部屋にいる』という人物を書くと、読者は『自分ならこんなことはしない』となって、その後にどんな怖いことが起ろうともそれらはすべて他人事になってしまいます。そうしないため、登場人物の心情や行動に説得力を持たせられるように論理の穴を埋めていきました」
驚愕の展開とどんでん返しの波状攻撃、そしてすべての謎が繋がった時に立ちのぼる恐怖。読み始めたら引き返せない、戦慄の暗黒ミステリです。
著者紹介
芦沢央アシザワ・ヨウ
1984(昭和59)年、東京生れ。千葉大学文学部卒業。2012(平成24)年『罪の余白』で野性時代フロンティア文学賞を受賞しデビュー。2018年『火のないところに煙は』で静岡書店大賞、2021(令和3)年『神の悪手』でほん夕メ文学賞(たくみ部門)、2022年、同書で将棋ペンクラブ大賞優秀賞(文芸部門)、2023年『夜の道標』で日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞。ほかの著書に『許されようとは思いません』『汚れた手をそこで拭かない』などがある。