お知らせ
誰もが知りたい村上春樹の謎をとことん訊き尽くす!

今回の新作刊行に合わせて、長いインタビューを受けていただきたいと考えていた編集部は、川上未映子さんに聞き手をお願いしました。というのも、二〇一五年に雑誌「MONKEY」に掲載された川上さんによるインタビューが素晴らしい内容だったからです。「受けるからには、徹底的にやりましょう」という村上さんの意向のもと、収録は場所と時間帯を変え、都合四回、計十一時間におよびました。
本書では、「一人称が僕から私に変わったのはなぜ?」「イデアって何?」といった最新作に関する疑問にとどまらず、「結末を決めずになぜ書けるのか」「女性の役割が一方的ではないか」といった核心をつく問いに対しても、実に率直に答えられています。もしかすると本人ですら気づいていない、村上さんの創作の源泉を訊き出したという意味において、インタビュー文学の傑作というべき記録です。
著者紹介
川上未映子カワカミ・ミエコ
大阪府生れ。2008(平成20)年、『乳と卵』で芥川賞、2009年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』で中原中也賞、2010年、『ヘヴン』で芸術選奨文部科学大臣新人賞および紫式部文学賞、2013年、詩集『水瓶』で高見順賞、『愛の夢とか』で谷崎潤一郎賞、2016年、『あこがれ』で渡辺淳一文学賞をそれぞれ受賞。2019(令和元)年、『夏物語』で毎日出版文化賞を受賞。『春のこわいもの』は海外でもベストセラーになる。『ヘヴン』の英訳は2022年、ブッカー国際賞最終候補に選出された。2023年、『すべて真夜中の恋人たち』が全米批評家協会賞最終ノミネート作品となる。2024年、『黄色い家』で読売文学賞を受賞。このほかにも村上春樹との共著『みみずくは黄昏に飛びたつ』など著書多数。
村上春樹ムラカミ・ハルキ
1949(昭和24)年、京都市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。1979年『風の歌を聴け』(群像新人文学賞)でデビュー。主な長編小説に、『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞)、『ノルウェイの森』、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『スプートニクの恋人』、『海辺のカフカ』、『アフターダーク』、『1Q84』(毎日出版文化賞)、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』、『騎士団長殺し』、『街とその不確かな壁』などがある。『螢・納屋を焼く・その他の短編』、『神の子どもたちはみな踊る』、『東京奇譚集』などの短編小説集、エッセイ集、翻訳書など著書多数。2006(平成18)フランツ・カフカ賞、オコナー国際短編賞、2009年エルサレム賞、2011年カタルーニャ国際賞、2016年アンデルセン文学賞、2022(令和4)年チノ・デルドゥカ世界賞を受賞。