豪華絢爛、奇想天外。人気作家九人が織り成すまったく新しい「源氏物語」。

源氏物語 九つの変奏
読み仮名 | ゲンジモノガタリココノツノヘンソウ |
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シリーズ名 | 新潮文庫 |
発行形態 | 文庫 |
判型 | 新潮文庫 |
ISBN | 978-4-10-133962-7 |
C-CODE | 0193 |
整理番号 | え-10-52 |
ジャンル | 歴史・時代小説、文学賞受賞作家 |
定価 | 514円 |
時を超えて読み継がれ、日本人の美意識に深く浸透した『源氏物語』。紫式部が綴って以来千年を経た「源氏物語千年紀」に際し、当代の人気作家九人が鍾愛の章を現代語に訳す。谷崎潤一郎、円地文子らの現代語訳により、幾たびも命を吹き込まれてきた永遠の古典。その新たな魅力を、九人九様の斬新な解釈と流麗な文体で捉えたアンソロジー。『ナイン・ストーリーズ・オブ・ゲンジ』改題。
著者プロフィール
江國香織 エクニ・カオリ
1964年東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で「小さな童話」大賞、1989年「409ラドクリフ」でフェミナ賞、1992年『こうばしい日々』で坪田譲治文学賞、『きらきらひかる』で紫式部文学賞、1999年『ぼくの小鳥ちゃん』で路傍の石文学賞、2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2007年『がらくた』で島清恋愛文学賞、2010年『真昼なのに昏い部屋』で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年『ヤモリ、カエル、シジミチョウ』で谷崎潤一郎賞を受賞。他の著書に『ちょうちんそで』『はだかんぼうたち』『なかなか暮れない夏の夕暮れ』など多数。小説以外に、詩作や海外絵本の翻訳も手掛ける。
角田光代 カクタ・ミツヨ
1967(昭和42)年神奈川県生れ。魚座。早稲田大学第一文学部卒業。1990(平成2)年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。1996年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞、2003年『空中庭園』で婦人公論文芸賞、2005年『対岸の彼女』で直木賞、2006年「ロック母」で川端康成文学賞、2007年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、2011年『ツリーハウス』で伊藤整文学賞、2012年『紙の月』で柴田錬三郎賞、『かなたの子』で泉鏡花文学賞、2014年『私のなかの彼女』で河合隼雄物語賞を受賞。著書に『真昼の花』『キッドナップ・ツアー』『人生ベストテン』『おやすみ、こわい夢を見ないように』『ドラママチ』『三月の招待状』『森に眠る魚』『くまちゃん』『空の拳』『平凡』『坂の途中の家』『拳の先』など多数。
金原ひとみ カネハラ・ヒトミ
1983(昭和58)年、東京生れ。2003(平成15)年『蛇にピアス』ですばる文学賞。翌年、同作で芥川賞を受賞。2010年『TRIP TRAP』で織田作之助賞、2012年『マザーズ』でドゥマゴ文学賞を受賞。著書に『アッシュベイビー』『AMEBIC』『オートフィクション』『ハイドラ』『星へ落ちる』『憂鬱たち』『持たざる者』『マリアージュ・マリアージュ』『クラウドガール』などがある。
桐野夏生 キリノ・ナツオ
1951(昭和26)年、金沢市生れ。成蹊大学卒。1993(平成5)年、『顔に降りかかる雨』で、江戸川乱歩賞を受賞する。1997年に発表した『OUT』は社会現象を巻き起こし、同年、日本推理作家協会賞を受賞。1999年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、2004年『残虐記』で柴田錬三郎賞、2005年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞を受賞した。2008年『東京島』で谷崎潤一郎賞、2009年『女神記』で紫式部文学賞、2010〜2011年『ナニカアル』で島清恋愛文学賞・読売文学賞を受賞。また、英訳版『OUT』は、2004年にアメリカで権威のあるエドガー賞に、日本人で初めてノミネートされた。他の著書に『夜の谷を行く』『路上のX』『ロンリネス』などがある。
小池昌代 コイケ・マサヨ
1959年、東京都江東区出身。津田塾大学国際関係学科卒業。第一詩集『水の町から歩きだして』刊行以後、詩と小説を書き続ける。主な詩集に『永遠に来ないバス』(現代詩花椿賞)、『もっとも官能的な部屋』(高見順賞)、『地上を渡る声』、『コルカタ』(萩原朔太郎賞)など。その他、短篇集『タタド』(表題作で川端康成文学賞)、『自虐蒲団』、『弦と響』など。
島田雅彦 シマダ・マサヒコ
1961年、東京生れ。東京外国語大学ロシア語学科卒。在学中の1983年「優しいサヨクのための嬉遊曲」を発表し注目される。1984年『夢遊王国のための音楽』で野間文芸新人賞、1992年『彼岸先生』で泉鏡花文学賞、2006年『退廃姉妹』で伊藤整文学賞、2008年『カオスの娘』で芸術選奨文部科学大臣賞、2016年『虚人の星』で毎日出版文化賞をそれぞれ受賞。著書は『天国が降ってくる』『僕は模造人間』『彗星の住人』『美しい魂』『エトロフの恋』『おことば』『徒然王子』『悪貨』『ニッチを探して』等多数。
日和聡子 ヒワ・サトコ
1974年、島根県生まれ。立教大学日本文学科卒。2002年、『びるま』で中原中也賞受賞。以後、詩作に加えて、小説を発表するようになる。2012年、『螺法四千年記』で野間文芸新人賞受賞。
町田康 マチダ・コウ
1962年大阪府生まれ。1996年に初小説「くっすん大黒」を発表、翌年ドゥマゴ文学賞、野間文芸新人賞を受賞。2000年「きれぎれ」で芥川賞、2001年『土間の四十八滝』で萩原朔太郎賞、2002年「権現の踊り子」で川端康成文学賞、2005年『告白』で谷崎潤一郎賞、2008年『宿屋めぐり』で野間文芸賞を受賞。他の著書に『夫婦茶碗』『パンク侍、斬られて候』『人間小唄』『ゴランノスポン』『ギケイキ 千年の流転』『ホサナ』『生の肯定』『猫にかまけて』シリーズ、『スピンク日記』シリーズなど多数。
松浦理英子 マツウラ・リエコ
1958(昭和33)年、愛媛県生れ。1978年「葬儀の日」で文學界新人賞、1994(平成6)年『親指Pの修業時代』で女流文学賞、2008年『犬身』で読売文学賞を受賞。他の作品に、『セバスチャン』『ナチュラル・ウーマン』『裏ヴァージョン』、エッセイに、『ポケット・フェティッシュ』『優しい去勢のために』などがある。
目次
夕顔 江國香織
若紫 角田光代
末摘花 町田康
葵 金原ひとみ
須磨 島田雅彦
蛍 日和聡子
柏木 桐野夏生
浮舟 小池昌代