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蘇我氏の正体

関裕二/著

605円(税込)

発売日:2009/04/25

  • 文庫

大化改新に隠された巨大な陰謀があった。新解釈から明らかになる、全く新しい古代史出現。

大化改新での「入鹿誅殺」により、悪の象徴として記憶されてきた蘇我氏。以降、歴史の表舞台から姿を消した彼らは一体何者だったのか? 最新の研究成果と、著者独自の調査で明らかになる衝撃の出自。その隠蔽工作に奔走する藤原氏の裏の顔。祟り、朝鮮半島、天皇、そして浦島太郎など古代史に散らばるキーワードから、悲劇の一族の全貌を大胆な解釈で捉え直す、渾身の本格論考。

目次
はじめに
第一章 蘇我氏の「悪行」と乙巳の変
蘇我入鹿暗殺(乙巳の変)の現場/蘇我氏がくり広げた専横の数々/上宮王家滅亡の結末/蘇我氏の横暴と高まる反発/入鹿を称える入鹿神社の謎/見直されつつある蘇我氏の業績/律令制度の基礎を築いたのは蘇我氏?/なぜ蘇我氏が王家をもり立てたのか/『日本書紀』が蘇我氏の正体を抹殺するこれだけの動機/境遇が似ている蘇我入鹿と菅原道真/蘇我入鹿を大悪人に仕立て上げるための巧妙なカラクリ/頭脳明晰な入鹿がなぜ無謀な行動に出たのか/山背大兄王は存在しなかった!?
第二章 蘇我氏と鬼
蘇我の正義を実証できるのか/蘇我は祟って出ていた/祟りが明かす蘇我氏の正義/奇跡の寺・山田寺の不思議/首だけが生き残った山田寺の本尊/蘇我倉山田石川麻呂の生首と山田寺仏頭の因縁/蘇我倉山田石川麻呂の悲劇的な最期/なぜ遠智娘は「塩」に発狂したのか/生首を「スシ」にした百済王豊璋/山田寺の廃墟にたむろする怨霊?
第三章 謎めく蘇我氏の出自
『日本書紀』は蘇我氏の何を隠匿してしまったのか/武内宿禰と蘇我氏を切り離した戦後の史学界/蘇我は「石川」から生まれた?/蘇我氏渡来人説/蘇我氏の出自を無視した『日本書紀』/『日本書紀』が隠した蘇我氏の正統性/鬼の代名詞になった元興寺/平城京遷都に抵抗した法興寺/鬼を退治した元興寺のガゴゼ/元興寺が鎮守社に選んだのは祟る御霊社/神と鬼を峻別してしまった藤原氏/鬼と深く縁を結ぶ蘇我氏/蘇我系皇族・聖徳太子が演じた童子(鬼)の鬼退治/法隆寺救世観音に打ち込まれた楔/法隆寺を席巻する鬼/法隆寺の謎と蘇莫者の謎/蘇莫者は聖徳太子なのか/蘇我だからこそ恐ろしいという共通の認識/出雲神スサノオと蘇我のつながり/なぜスサノオを祀る社がソガなのか/蘇我も出雲も鬼とつながる/祟る出雲神/蘇我氏は出雲に進出していたのか/言代主神とそっくりな武内宿禰/葛城の一言主神は出雲神の言代主神?
第四章 天日槍と武内宿禰の謎
『日本書紀』が必死になって隠してしまった蘇我氏の素性/ヤマト建国の秘密を握る纏向遺跡/考古学が示した出雲の実在性/出雲の国譲りと天孫降臨の真実/トヨと邪馬台国の男王の謎/仲哀天皇という歴史改竄のカラクリ/武内宿禰は天日槍? 唐突な梅澤氏のつぶやき/天日槍と神功皇后をつなげる系譜/天日槍が来日した理由/神と鬼という両面性を持った天日槍/天日槍は歴史時代の人なのか神話の神なのか/韓国岳と宇佐神宮/なぜ応神天皇が八幡神となったのか/日本の韓国(辛国)と天孫降臨伝承/伽耶王子ツヌガアラシトと応神天皇のつながり/天日槍とそっくりで正反対という不思議な神サルタヒコ/サルタヒコと天日槍と武内宿禰を結ぶ糸/伊勢と出雲二つの国譲りの秘密/天日槍とつながるサルタヒコと武内宿禰/天日槍を救ったトヨ(神功皇后)/死んだはずなのに生きていた武内宿禰/残された最後の謎
第五章 蘇我氏の正体
なぜ『日本書紀』は蘇我が渡来人と喧伝しなかったのか/スサノオと蘇我氏の奇妙な共通点/新羅王になった倭人・脱解王の謎/脱解王ともうひとりの倭人瓠公の活躍/スサノオと脱解王のつながり/脱解王とそっくりな浦島太郎/浦島太郎が間抜けだったのは日本にもどってきたから?/脱解王と天日槍(武内宿禰)をつなぐ「鉄・鍛冶」/我れ蘇れり! と宣言した蘇我氏の正体
おわりに
文庫版あとがき
蘇我氏系図
主要参考文献一覧

書誌情報

読み仮名 ソガシノショウタイ
シリーズ名 新潮文庫
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
頁数 288ページ
ISBN 978-4-10-136472-8
C-CODE 0121
整理番号 せ-13-2
ジャンル 伝承・神話、日本史
定価 605円

著者プロフィール

関裕二

セキ・ユウジ

1959(昭和34)年、千葉県柏市生まれ。歴史作家、武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェロー。仏教美術に魅了されて奈良に通いつめ、独学で古代史を学ぶ。『藤原氏の正体』『蘇我氏の正体』『神武天皇vs.卑弥呼』『スサノヲの正体』など著書多数。

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