
志に死す―人情時代小説傑作選―
572円(税込)
発売日:2020/01/01
読み仮名 | ココロザシニシスニンジョウジダイショウセツケッサクセン |
---|---|
装幀 | 水口理恵子/カバー装画、新潮社装幀室/デザイン |
発行形態 | 文庫 |
判型 | 新潮文庫 |
ISBN | 978-4-10-139735-1 |
C-CODE | 0193 |
整理番号 | い-17-89 |
ジャンル | 文学賞受賞作家 |
定価 | 572円 |
男は、誰のために死ぬのか――。“男の死”をテーマに編んだ涙の時代小説アンソロジー。
著者プロフィール
池波正太郎
イケナミ・ショウタロウ
(1923-1990)東京・浅草生れ。下谷・西町小学校を卒業後、茅場町の株式仲買店に勤める。戦後、東京都の職員となり、下谷区役所等に勤務。長谷川伸の門下に入り、新国劇の脚本・演出を担当。1960(昭和35)年、「錯乱」で直木賞受賞。「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人・藤枝梅安」の3大シリーズをはじめとする膨大な作品群が絶大な人気を博しているなか、急性白血病で永眠。
藤沢周平
フジサワ・シュウヘイ
(1927-1997)山形県生れ。山形師範学校(現在の山形大学)卒。中学の教員、業界紙の記者を経て、1971年「溟い海」でオール讀物新人賞を受賞し作家デビュー。1973年「暗殺の年輪」で直木賞を、1986年『白き瓶』で吉川英治文学賞を、1989年、作家生活全体の功績に対して菊池寛賞を、1990年『市塵』で芸術選奨文部大臣賞を、1994年、朝日賞、東京都文化賞を受賞。1995年、紫綬褒章を受章。1997年、山形県県民栄誉賞を受賞、鶴岡市から「顕彰の記」が贈られた。2010年、「鶴岡市立藤沢周平記念館」が開館。
笹沢左保
ササザワ・サホ
1930(昭和5)年、横浜生れ。詩人笹沢美明の三男。郵政省簡易保険局勤務の傍ら、推理小説専門誌「宝石」に作品を発表し、『招かれざる客』や日本探偵作家クラブ賞受賞の『人喰い』(共に1960年)で注目される。その後、「六本木心中」(1962年)等の風俗小説で話題をよぶ一方、1971年から始まった「木枯し紋次郎」シリーズで“股旅もの”の新境地を開拓。推理・時代の両分野で活躍している。
菊池寛
キクチ・カン
(1888-1948)高松市生れ。1916(大正5)年、京大を卒業後、「時事新報」記者を勤めるかたわら、「恩讐の彼方に」等の短編小説を発表して、新進作家としての地位を確立した。さらに面白さと平易さを重視した新聞小説『真珠夫人』で、一躍、流行作家になった。その一方、鋭いジャーナリスト感覚から1923年、「文藝春秋」を創刊、文芸家協会会長等を務め、“文壇の大御所”と呼ばれた。
山本周五郎
ヤマモト・シュウゴロウ
(1903-1967)山梨県生れ。横浜市の西前小学校卒業後、東京木挽町の山本周五郎商店に徒弟として住み込む。1926年「須磨寺附近」が「文藝春秋」に掲載され、文壇出世作となった。『日本婦道記』が1943年上期の直木賞に推されたが、受賞を固辞。以後、「柳橋物語」「寝ぼけ署長」「栄花物語」「樅ノ木は残った」「赤ひげ診療譚」「五瓣の椿」「青べか物語」「虚空遍歴」「季節のない街」「さぶ」「ながい坂」と死の直前まで途切れなく傑作を発表し続けた。
縄田一男
ナワタ・カズオ
1958(昭和33)年、東京生れ。専修大学大学院文学研究科博士課程修了。歴史・時代小説を中心に文芸評論を執筆。1991(平成3)年に『時代小説の読みどころ』で中村星湖文学賞、1995年に『捕物帳の系譜』で大衆文学研究賞を受賞。著書に『「宮本武蔵」とは何か』『日経時代小説時評―1992〜2010』など。『親不孝長屋』『がんこ長屋』『七つの忠臣蔵』ほか、編者を務めたアンソロジーも多数。