
独占告白 渡辺恒雄 平成編─日本への遺言─
2,090円(税込)
発売日:2025/11/12
- 書籍
- 電子書籍あり
権力の光と影を知り尽くした「最後の大物」は、何を目指していたのか──。
1991年、読売新聞社のトップに上り詰めた渡辺は、前代未聞のスケールで日本社会に影響を与えていく。読売紙上での憲法改正試案の発表、「自自連立」「大連立」をめぐる政局への関与、球界再編での「たかが選手」発言……。権力の中枢における自身の行動とその真意を克明に語る。NHK番組に大幅加筆した書籍化第2弾!
まえがき
序章 隠然たる影響力は最後まで
頻繁に来訪する現職総理大臣/平成期の歴代宰相への影響力
第一章 平成の幕開け 崩壊する“戦後の所与”
地殻変動と共に幕を開けた平成/湾岸戦争勃発 問われた日本の国際貢献/政治改革と五五年体制崩壊/改革論議への悔恨
第二章 掲げた「提言報道」 打ち出した憲法改正試案
主宰する社論会議/重視した提言報道/打ち出した憲法改正試案/なぜ渡辺は試案作成に踏み切ったのか/試案が社会に与えた影響は/憲法改正をめぐる世論の変遷/行政改革会議 目指した「この国のかたち」とは/渡辺にとって「主筆」とは/日本新聞協会会長に 主導した新聞倫理綱領
第三章 巨人軍オーナー 球界再編問題と「たかが選手」発言の真相
球界の盟主 巨人軍オーナーに就任/“江川事件”渡辺と球界の意外な原点/球界を震撼させた辣腕 自家薬籠中のものとした野球協約/球界再編 一リーグ制を志向した渡辺/「たかが選手」発言 真相は/経営論理とファン心理の乖離
第四章 連立の仕掛け人 自自・自公連立の舞台裏
「連立の時代」となった平成期/連立の伏線 自民党と小沢新進党の「保保連合」/自自連立 キーパーソンを仲介した渡辺/自公連立 その後の政権枠組みの起点/“肩書きなしの渡辺恒雄”へ
第五章 小泉純一郎 “破壊者”に揺れた永田町
“変人宰相”小泉純一郎/「加藤の乱」発端は渡辺主宰の会合/「加藤の乱」がもたらした余波/「ワンフレーズ政治」への警鐘/郵政解散という「小泉劇場」/小泉が日本政治にもたらしたものは
第六章 靖国神社参拝問題 原点にあった戦争体験
小泉が繰り返した靖国神社参拝/最初の参拝は「前倒し」 水面下の渡辺の動き/朝日新聞との異例の“共闘”/模索した国立追悼施設/戦後七〇年談話そして戦後八〇年
第七章 大連立構想 二大政党“幻”の連携
漂流する政治状況 模索した大連立/福田康夫が初証言 「大連立」の舞台裏/“一〇年に一人の大物次官”齋藤次郎との連携/念頭にあった半世紀前の「保守合同」/成功裏に進んだ交渉 合意は目前に/幕切れは呆気なく/“フィクサー”と呼ばれて
終章 令和の時代へ 渡辺が語り遺したいこと
歴代宰相から何を学ぶか/ネット時代のメディアの役割は/戦争抑止 メディアの使命は/未来を担う世代へ 渡辺が語ったメッセージ/渡辺恒雄の足跡が投げかけるものは
あとがき
註記
書誌情報
| 読み仮名 | ドクセンコクハクワタナベツネオヘイセイヘンニホンヘノユイゴン |
|---|---|
| 装幀 | NHK/写真提供、新潮社装幀室/装幀 |
| 発行形態 | 書籍、電子書籍 |
| 判型 | 四六判変型 |
| 頁数 | 320ページ |
| ISBN | 978-4-10-354882-9 |
| C-CODE | 0031 |
| ジャンル | 政治・社会 |
| 定価 | 2,090円 |
| 電子書籍 価格 | 2,090円 |
| 電子書籍 配信開始日 | 2025/11/12 |
著者プロフィール
安井浩一郎
ヤスイ・コウイチロウ
NHK大阪放送局 報道番組チーフ・プロデューサー。1980年埼玉県生まれ。2004年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、NHK入局。仙台局報道番組、報道局政治番組、報道局社会番組部、放送総局大型企画開発センターのディレクター、報道局政治番組チーフ・プロデューサーを経て、2025年より現所属。戦後史や政治分野を中心に、主にNHKスペシャルなどの報道番組を制作。ディレクターとして制作した主な番組に、NHKスペシャル「戦後70年 ニッポンの肖像 ─政治の模索─ 保守・二大潮流の系譜」(2015年)、同「証言ドキュメント 永田町・権力の興亡 “安倍一強” 実像に迫る」(2015年)、同「憲法と日本人~1949-64 知られざる攻防~」(2018年)、同「平成史スクープドキュメント “劇薬”が日本を変えた~秘録 小選挙区制導入~」(2018年)、同「渡辺恒雄 戦争と政治〜戦後日本の自画像〜」(2020年)など。プロデューサーとして制作した主な番組に、NHKスペシャル「開戦 太平洋戦争~日中米英 知られざる攻防~」(2021年)、同「証言ドキュメント 永田町・権力の興亡 コロナ禍の首相交代劇」(2022年)、同「未完のバトン 秩序なき世界 日本外交への“遺言”」(2025年)、同「総理の妻たち“権力”の目撃者」(2025年)などがある。著書に『吉田茂と岸信介 自民党・保守二大潮流の系譜』(2016年、岩波書店)、『独占告白 渡辺恒雄 戦後政治はこうして作られた』(2023年、新潮社)、共著に『ウイルス大感染時代』(2017年、KADOKAWA)、『憲法と日本人1949-64年 改憲をめぐる「15年」の攻防』(2020年、朝日新聞出版)。2022年度の拓殖大学客員教授も務めた。


































