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海と山のオムレツ

カルミネ・アバーテ/著 、関口英子/訳

2,090円(税込)

発売日:2020/10/29

書誌情報

読み仮名 ウミトヤマノオムレツ
シリーズ名 新潮クレスト・ブックス
装幀 Ulala Imai/イラストレーション、新潮社装幀室/デザイン
発行形態 書籍
判型 四六判変型
頁数 175ページ
ISBN 978-4-10-590168-4
C-CODE 0397
定価 2,090円

生唾なしには読めない! 美味しい食を分かち合うことの歓び。

食べることはその土地と生きてゆくこと。舌を燃やし、思い出を焼きつくすほど辛い唐辛子、庶民のキャビアと呼ばれるサルデッラに腸詰サラミのンドゥイヤ……。南イタリア、カラブリア州出身の作家が、アルバレシュという特殊な言語と食文化を守ってきた郷土の絶品料理と、人生の節目における家族の記憶とを綴る自伝的短篇集。

短評

▼Yamazaki Mari ヤマザキマリ
それぞれの歴史的背景や風土によって育まれてきたその土地独特の味覚には、人間がどこへ移動をしようと、そこでどんな生活をしていようと、その食べ物を口にした場所の記憶を色鮮やかに蘇らせる力がある。本作品の著者アバーテの故郷の特異な個性を持った料理もまた、地元の人々の人生に深く根付いている。豚肉と肋骨を煮込んだトマトソース。乾燥した地中海の風に漂う炭火で焼かれた腸詰めの濃厚な肉汁の匂い。知られざるアルバニア系イタリア人たちの生き様が食べ物を軸に綴られるこの作品は、本というかたちにおさめられた賑やかな宴のようだ。

▼La Repubblica ラ・レプッブリカ紙
これは食べ物とともに歩を進めていく成長物語だ。生まれ故郷であるカラブリアの小村カルフィッツィから、青年期を過ごしたドイツ、そして北イタリアのトレンティーノ地方と、それぞれに異なる食の伝統を持つ土地が、料理との出会いをちりばめた語りによって追憶されるだけでなく、随所にレシピも織り込まれている。

▼Il Gazzettino イル・ガッゼッティーノ紙
本書において食べ物は、語りの原動力であり、記憶と感情の触媒なのだ。

▼Avvenire アッヴェニーレ紙
この自伝的な短篇集から、あたかも極上の料理のような芳しい香りとともに放たれるのは、どこか物寂しい色合いを帯びながらも「喜びの味」に満ちた、生きることに対する称讃だ。

著者プロフィール

1954年、イタリア南部カラブリア州の小村カルフィッツィ生まれ。少数言語アルバレシュ語の話される環境で育ち、イタリア語は小学校で学ぶ。バーリ大学で教員免許を取得、ドイツ・ハンブルクでイタリア語教師となり、1984年にドイツ語で初めての短篇集を発表。その後、イタリア語で執筆した『円舞』(1991)で本格的に小説家としてデビュー。『ふたつの海のあいだで』(2002)が高い評価を得て、『帰郷の祭り』(2004)でカンピエッロ賞最終候補に。2012年、『風の丘』で第50回カンピエッロ賞受賞。

関口英子

セキグチ・エイコ

埼玉県生まれ。翻訳家。訳書にディーノ・ブッツァーティ『神を見た犬』、プリーモ・レーヴィ『天使の蝶』、イタロ・カルヴィーノ『マルコヴァルドさんの四季』、カルミネ・アバーテ『風の丘』『ふたつの海のあいだで』、パオロ・コニェッティ『帰れない山』、ドメニコ・スタルノーネ『靴ひも』など。『月を見つけたチャウラ ピランデッロ短篇集』で第一回須賀敦子翻訳賞受賞。

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