ホーム > 書籍詳細:だから日本はズレている

リーダーなんていらないし、絆じゃ一つになれないし、ネットで世界は変わらないし、若者に革命は起こせない。29歳の社会学者が「日本の弱点」を突く。

だから日本はズレている

古市憲寿/著

842円(税込)

本の仕様

発売日:2014/04/17

読み仮名 ダカラニホンハズレテイル
シリーズ名 新潮新書
雑誌から生まれた本 新潮45から生まれた本
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 238ページ
ISBN 978-4-10-610566-1
C-CODE 0236
整理番号 566
ジャンル 社会学、ノンフィクション
定価 842円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2014/10/17

この国の「大人たち」は、いつもどこかズレている。ジョブズのようなリーダーに憧れ、夢と絆で一つになれると信じ、「日本の良さ」は必ず伝わると疑わず、若者には変革を期待し、学歴や就活は古いと嗤い、デモやSNSで世界は変わると訴える。この「勘違い」はどこからくるのか? 迷走を続けるこの国を二十九歳の社会学者が冷静に分析。日本人が追い続ける「見果てぬ夢」の正体に迫る。

著者プロフィール

古市憲寿 フルイチ・ノリトシ

1985年東京都生まれ。社会学者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員。日本学術振興会「育志賞」受賞。若者の生態を的確に描出し、クールに擁護した著書『絶望の国の幸福な若者たち』(講談社)で注目される。著書に『だから日本はズレている』『誰の味方でもありません』(ともに新潮新書)、『保育園義務教育化』(小学館)など。2018年、初の小説単行本『平成くん、さようなら』(文藝春秋、第160回芥川賞候補作)を刊行。『百の夜は跳ねて』は2冊目の小説作品。

目次

はじめに 不思議の国の「大人たち」
「リーダー」なんていらない
日本には真のリーダーがいない?/ジョブズの本当にすごいところ/「救世主」を求めてしまう人々/「強いリーダー」の不在を誇りに/現代社会は「ゲリラ戦」だから/誰だってリーダーの時代/そもそもリーダーって何?/強いリーダーより小さな集団
「クール・ジャパン」を誰も知らない
「気持ち悪い」プレゼンと新しい一歩/迷走したオリンピック招致活動/この暑苦しさは誰のためか/「失くしもの探し」から「新しい希望」の物語へ/「クール・ジャパン」の誕生/戦前日本のクール・ジャパン/会議は踊るが意味不明/出雲大社はクールじゃない?/「クリエイティブ」とどうしても言いたい/ジャパンブランドで外貨獲得を目指せ/マーケティング視点の欠落
「ポエム」じゃ国は変えられない
蘇った「心のノート」/J-POP歌詞の劣化コピー/「この学級に正義はあるか!」/「心」への過剰な期待と警戒/憲法改正草案はJ-POPである/「あなた」不在の日本国/独立も革命もなかった国で/憲法で国の姿は変わらない
「テクノロジー」だけで未来は来ない
「スマート家電」が全然スマートじゃない/誰も欲しがっていない新製品/「本質的な価値」がおろそかに/「ものづくりの国」は終わったのか/21世紀と20世紀のあいだ/こんなに素敵で便利な「監視社会」/人類はずっと監視されてきた/あまりに不便な「マイナンバー制度」/巨額のシステムを導入する前に
「ソーシャル」に期待しすぎるな
「共感」のコントロールは難しい/大企業だって簡単にバッシングできる/「冷めやすい消費者」に怯えるな/僕の「プチ炎上」体験/「正しさ」ではなく「もっともらしさ」が勝つ/「真実はいつも一つ」なんて嘘/炎上を避ける六つの方法/マスメディアの代わりにはならない
「就活カースト」からは逃れられない
内定先で再構築されるヒエラルキー/「就職人気企業ランキング」という流行/1971年の人気企業はいま/「ムード」で就職先を決めているだけ/「人気企業」はやっぱりかっこいい
「新社会人」の悪口を言うな
「入社式」というイニシエーション・セレモニー/革新性のない社長挨拶/「社会人」は日本にしかいない/「仕事ができる」「できない」の基準/いつの世も新入社員は「使えない」/「若者に活躍して欲しい」と言うけれど/仕事を任せる勇気がなければ
「ノマド」とはただの脱サラである
安藤美冬というニューモデル/「会社に雇われたくない」は見果てぬ夢である/「フリーター」がかっこよかった時代/「自立」を迫った勝間和代/やり直しがきかない社会を生きてゆく
やっぱり「学歴」は大切だ
「学校って何のために行くの?」/「東大生は使えない」という幻想/「学問」が人の上に人を造る/「学歴論争」は一大エンターテインメントだ/「能力」は「遺伝」する/「学歴固定社会」は幸せかもしれない
「若者」に社会は変えられない
若者の政治離れって本当?/オキュパイ・トウキョウへ行ってきた/日本の若者は格差を感じていない/有楽町阪急メンズ館には10万人が集まる/社会を一番変えられるのは「老人」だ/デモで社会は変えられる?/ピースボートと日本未来の党/脱原発というお祭り/結局は自民党が圧勝/「静かな変革者」が社会を変える
闘わなくても「革命」は起こせる
「シェアハウスブーム」というブーム/「ここに来るとみんな正社員を辞める」/「ダウンシフターズ」という新しい生き方/「今、ここ」の幸せを求める若者たち/実は「社会の役に立ちたい」/闘うのではなく、むしろ降りる
このままでは「2040年の日本」はこうなる
30年後の幸福な階級社会/若者は海外にしかいない/「都市の時代」への移行/一極集中は「自然に優しい」/「老人の国」のスラム街/国が終わっても人々は生きる
おわりに 「おじさん」の罪

インタビュー/対談/エッセイ

「若者」のうちに言っておきたいこと

古市憲寿

「若者としての意見を聞かせて下さい」「最近の若い世代はこの問題についてどう考えているのでしょうか」。そんな質問をこの二年半ほどでざっと数百回はされたと思う。
 きっかけは二○一一年秋に出版した『絶望の国の幸福な若者たち』だ。就職難や世代間格差の被害者と言われる若者たちが、実は幸せに暮らしていることを指摘した本である。著者である僕はその時26歳。若者が若者について語るのが珍しかったのだろう。メディアや政府の会議などで、僕は何度も「若者」としての意見を求められた。
 そういう場では、普段だったら出会うことができない人と話すことができる。楽屋裏でインフォーマルな会話を交わすこともできる。社会学者にとっては格好のフィールドワークの場だ。
 昨年夏に消費増税を決めるための会議に、「若者」として官邸に呼ばれた時のことである。僕がおそらく最年少で、80歳近い参加者もいた。
 僕にしては珍しく、「日本は若年層向けの社会保障が貧弱な国。それが少子化の一因ともなっている。現役世代のための増税というなら数字でもそれを示して欲しい」という比較的まともなことを言った。その意見を真面目に聞いてくれた人もいたが、会議が終わった後、とある偉いおじさんにこんなことを言われた。
「最近の若い子は性欲も少ないからね。もっと君たちに頑張ってもらわないと。がはは」。どうやら、この方の中では「少子化」イコール「性欲」の問題としか思えないらしい。
 確かに「性欲」は「少子化」と関係があるかも知れない。しかしいくら「性欲」が旺盛でも、十分な数の保育施設、子育てしながらでも働きやすい職場環境などが整備されないと、なかなか若者たちは子どもをつくろうとしないだろう。もはや昔のような地域社会は崩壊しているのだ。そもそも、初体験年齢などを見ると、若者の性欲が減退しているとは言えない。
 抜本的な制度改革をせずに、何となくの気分と精神論で物事を解決しようとする。これは少子化問題に限らず、広く日本の大人たちに見られる特徴だ。「強いリーダー」待望論、「ネット」や「ソーシャル」への過剰な期待、掛け声と税金の無駄遣いだけの「クール・ジャパン」……。偉い人の考えは、往々にしてピントがズレていたり、大切な何かが欠けていたりする。
 新潮新書から出版された『だから日本はズレている』は、この国の大人たちの迷走について観察、分析した本だ。優秀な人材と、巨額の資本が投下されたはずのプロジェクトはなぜ失敗してしまうのか。既得権益の部外者である「若者」視点で考えてみた。もちろん題名に反して僕のほうがズレている可能性もある。一体、ズレているのは誰なのか。若者か、大人か、読者か、僕か。反発しながらでも手にとって頂けたら嬉しい。

(ふるいち・のりとし 社会学者)
波 2014年5月号より

担当編集者のひとこと

「リーダー」なんていらない

 スティーブ・ジョブズが亡くなって間もない頃でした。テレビや雑誌は功績を称える特集を組み、死の直後に出版された分厚い伝記は飛ぶように売れ、まるで世界中がジョブズの喪に服しているようでした。そんなとき、古市憲寿さんが雑誌「新潮45」に寄せてくれたのが、「リーダーなんていらない」というコラムです。
「ジョブズってそんなに素晴らしいの?」「ジョブズは日本の組織に本当に必要なの?」「リーダーがいなくても機能する組織のほうがいいのでは?」
 世間が「ジョブズ礼賛」であふれる中、その矛盾を突き、本質を見ぬいた分析はとても新鮮でした。これをきっかけに、流行りの言説やもてはやされるブームに一石を投じる記事を書いてもらうこととなったのです。
「ノマドはただの脱サラである」「クール・ジャパンが全然クールじゃない」「絆だけじゃ国は動かせない」「就活カーストは永遠につきまとう」「炎上なんて怖くない」「若い力じゃ社会は変えられない」……。
 本書『だから日本はズレている』は、古市氏のこうした記事を一冊にまとめたものです。29歳の社会学者が指摘するこの国の「ズレ」をたどると、「日本の弱点」が浮き彫りになってきます。

2014/04/25

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