ホーム > 書籍詳細:100歳の秘訣

100歳の秘訣

歌代幸子/著

836円(税込)

発売日:2018/09/14

  • 新書
  • 電子書籍あり

夕食には一杯のワイン、後ろは振り返らない、身だしなみにこだわる、ちょっと無理をする。10人の先達に学ぶ、極上の現役人生をおくるヒント。

全員100歳、全員現役。104歳のフォトジャーナリスト・笹本恒子は、生まれ変わってもフォトジャーナリストになりたいと語る。101歳のプロゴルファー・内田棟は、筋トレと150球のパター練習を欠かさない。精神科医、画家、俳人――100歳を越えてなお、生きがいをもって日々を過ごす10人を徹底取材。健康の秘訣、食事、思考法、仕事への取り組み、波瀾万丈の人生を語り尽くす。人生100年時代の必読書。

目次
1 フォトジャーナリスト 笹本恒子 一〇四歳
ライカを手にしたのは、日中戦争のまっ只中。終戦後、日本初の写真展を開き、力道山、越路吹雪、宇野千代らをフィルムにおさめた女性報道写真家第一号は、生まれ変わっても「フォトジャーナリスト」になりたいと語る。
2 プロゴルファー 内田棟 一〇一歳
一〇歳の時、家計を助けるために始めたキャディのバイトで、ゴルフと出合い、五五歳でデビューした日本最高齢プロゴルファー。軽井沢ゴルフ倶楽部で会った白洲次郎、田中角栄ら一流の人には信念があった――。
3 精神科医 高橋幸枝 一〇一歳
ベストセラー『こころの匙加減』の著者が、医師を志したのは二〇代半ば。内科医から精神科医となり、患者が社会復帰してこそ本当の治癒と、生活支援も行う。根底には「少しでも誰かのお役に立てれば」という思いがあった。
4 画家 入江一子 一〇二歳
大邱で生まれた絵が大好きな少女は、一九三四年に女子美術専門学校に入学。個展のため訪れた満州の光景が忘れられなかった。それが、五〇代からのシルクロードへの旅と、NYでの個展、そして今なお続く創作意欲の原点となる。
5 浅草神社奉賛会会長 鈴木秋雄 一〇二歳
丁稚奉公に出た七人兄弟の末っ子は、浅草の材木問屋で見込まれ婿養子に入る。だがラバウルから戻った時、浅草は一面焼け野原だった。店を、祭りを復興させ、氏子四四ヶ町を束ねる筆頭総代は、今なお三社祭で神輿を担ぐ。
6 児童文学者 森比左志 一〇一歳
『はらぺこあおむし』の訳者であり「こぐまちゃんえほん」シリーズの著者は、教育者、歌人としての顔も持つ。敗残兵として貨物列車へ潜り込んで故郷へ戻り、教壇に立つ日々を変えたのは、一通の電報だった――。
7 菓心あづき庵 田谷きみ 一〇三歳
メディアからの取材が殺到、企業のCMにも登場した、老舗和菓子屋の現役・看板娘は、戦後、亡き夫の残した店を守り、子供らを女手一つで育てた。息子、孫へと、受け継がれたのれんの下で、今日も店に出る。
8 剣道家 太田博方 一〇三歳
剣道界最高位の「範士」七段は、今も鉄アレイ六〇〇回、素振り二〇〇回をこなす。早くに父を亡くして家業が傾き、一日一食の修行時代となっても、また出征してマラリアを病んでも、稽古は欠かさなかった。
9 言語学者 川崎桃太 一〇三歳
家族と共にブラジルへ渡った少年は、敗戦後、神父として帰国する。還俗し、教職についた彼が、ポルトガルで発見したのは、一六世紀の日本で、信長や秀吉と対面した宣教師ルイス・フロイスが残した『日本史』の完全写本だった――。
10 俳人 後藤比奈夫 一〇一歳
大阪帝大で物理を学び、戦中は陸軍飛行学校の技術士官としてレーダーを研究。敗戦で、電子部品製造会社を興しながら、俳人だった父に入門したのが三五歳の時だった。句作りは「ご飯を食べているようなもの」という境地に至るまで。
あとがき

書誌情報

読み仮名 ヒャクサイノヒケツ
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン、二宮由希子/イラスト
雑誌から生まれた本 新潮45から生まれた本
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 224ページ
ISBN 978-4-10-610780-1
C-CODE 0210
整理番号 780
ジャンル ノンフィクション
定価 836円
電子書籍 価格 836円
電子書籍 配信開始日 2018/09/21

蘊蓄倉庫

一番大事なもの

 フォトグラファー、精神科医、俳人、プロゴルファーなど、100歳をこえてなお、現役で活躍する10人の賢人たち。「夕食には赤ワインを1杯」「身だしなみにはこだわる」「ちょっと無理をする」といった健康に長生きするための秘訣や生活習慣、「後ろは振り返らない」「謙虚に生きる」「人に上下なし」といった心構えに関する名言も満載です。そして一番大事なものは「やっぱり人間関係」という一言の重み。是非、実感してみて下さい。

掲載:2018年9月25日

担当編集者のひとこと

1000年分の人生

 100歳で現役の方10人に、これまでの来し方と現在をインタビューする……それは必然的に、1冊で1000年分の人生をおさめることになりました。1000年! はるかな時間のようですが、戦前に生まれ、戦争をくぐり抜け、親しい人を失い……50代過ぎての転機も珍しくはない、お一人お一人のこれまでを読み進めるうちに、自然と背筋がのびていきます。人生100年時代の必読書です。

2018/09/25

著者プロフィール

歌代幸子

ウタシロ・ユキコ

1964(昭和39)年、新潟県生まれ。学習院大学卒業。ノンフィクションライター。著書に『私は走る 女子マラソンに賭けた夢』『音羽「お受験」殺人』『パパ力、はじめよう!』『精子提供 父親を知らない子どもたち』『慶應幼稚舎の流儀』等。

この本へのご意見・ご感想をお待ちしております。

感想を送る

新刊お知らせメール

歌代幸子
登録

書籍の分類