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アマテラスの正体

関裕二/著

946円(税込)

発売日:2024/09/19

  • 新書
  • 電子書籍あり

伊勢に祀られているのは本当に天照大神なのか? 古代史研究の鬼才が迫る!!

天皇家の祖神、天照大神(あまてらすおおみかみ・アマテラス)は伊勢神宮に祀られている。だが近世以前、歴代天皇がほとんど誰も参拝していないのは、一体なぜなのか。実は、アマテラスは宮中に祀られていたのだが、崇神天皇の時代、もう一柱の神とともに、そこから出された。その神の名は日本大国魂神(やまとのおおくにたまのかみ)。これまで注目されなかったこの神に光を当てることで、アマテラスの本当の姿が浮かび上がる――。古代史研究の鬼才が、最大の謎に迫る。

目次
はじめに
第一章 アマテラスと持統天皇をめぐる謎を解く
日本人だけは太陽を赤く描く/アマテラスが先か持統が先か/誰のために『日本書紀』は書かれたか/蘇我氏見直し論の背景/壬申の乱と皇親政治/皇太子は草壁皇子ではなく大津皇子だった?/蘇我氏を表す「石川郎女」という隠語/奈良・薬師寺の秘密/草壁皇子が岡宮に住んだわけ/異常な回数の吉野行幸/高市皇子に冷淡な日本書紀/実は即位していた?/アマテラスと持統天皇
第二章 太陽神と伊勢の地をめぐる謎を解く
なぜ王家はアマテラスを恐れたか/崇神天皇が恐れた大物主神/祟る神は祟りを鎮める力を持つ/ヤマト建国時の日神とアマテラス/スサノヲの生んだ神は男か女か/スサノヲはもとは太陽神だった/天皇はいつから現人神になったか/大物主神とスサノヲの共通点/「伊勢と三輪は一体分身」の意味/アマテラスの性別をめぐる議論/内宮の別宮が古墳時代の祭祀場/『続日本紀』が語る伊勢創祀/太陽神でつながる荒祭宮と葛城山/日本書紀が語る伊勢と東国/海に沈んだサルタヒコ/封印されたヤマトの太陽神
第三章 ヤマト建国と尾張氏をめぐる謎を解く
大国魂神という古代史の盲点/神武東征の功労者・椎根津彦/大国魂神と東海の海人の関係/ヤマト建国の考古学/日本海と東海はなぜ没落したか/日本書紀が無視する「東海」と「尾張」/東海からヤマトに乗り込んだ尾張氏/ヤマトタケルに怯えた持統天皇/二つに分かれていた黎明期の王家/タラシヒコの諡号の由来と成立/ヤマト建国と「タラシの王家」/北部九州に流れ込んだ集団/日本書紀が分解したヤマト建国史/ナガスネビコは尾張氏の祖か/崇神天皇と前方後円墳体制/四尺一寸ものスネを持つ王
第四章 大国魂神とアマテラスをめぐる謎を解く
大国魂神と伊勢/謎解きの鍵は「出雲の国譲り」/仲哀天皇を追い詰めた神の正体/「魏志倭人伝」に書かれた悲劇/仲哀天皇、天稚彦、新邪馬台国の男王/悲劇の男王をめぐる仮説/ヤマトを二分する勢力の存在/朝鮮半島へと続く航路/天稚彦とアジスキタカヒコネ/葛城と尾張のつながり/なぜアマテラスと同等の尊称なのか/二度の悲劇に見舞われた東海勢力/アマテラスの正体
おわりに 参考文献

書誌情報

読み仮名 アマテラスノショウタイ
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 192ページ
ISBN 978-4-10-611056-6
C-CODE 0221
整理番号 1056
ジャンル 歴史読み物、歴史・地理・旅行記、日本史、世界史
定価 946円
電子書籍 価格 946円
電子書籍 配信開始日 2024/09/19

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景行天皇はナガスネビコである

 初代神武天皇がヤマトの地(奈良盆地)に乗り込む前、物部氏の祖とされるニギハヤヒはすでにこの地に降臨しており、先住のナガスネビコ(長髄彦)の妹を娶っていました。その後、ニギハヤヒは神武天皇に服属し、それに反対したナガスネビコは殺されます(『古事記』『日本書紀』)。さて、注目したいのは、ここに登場するナガスネビコです。「スネの長い男」とはおかしな名前ですが、古代史にはもう一人、「スネが長い」という特徴を持つ人物が登場します。それは、息子のヤマトタケルを使って、東西の敵を成敗した12代景行天皇。『古事記』の中の「垂仁記」には、景行天皇のスネの長さが「4尺1寸」(約124センチ)あった、と記されています。この二人にどういう関係があるのかとっさにはわかりませんが、関裕二さんの「『古事記』は『日本書紀』のウソを暴こうとした書」という説に則れば、答は簡単。景行天皇の正体は、実はナガスネビコだったのです。神武天皇に立ちはだかって殺された男と、ヤマトタケルの父親の景行天皇がどう結びつくのか――。推理の詳細は本文でお楽しみください。

掲載:2024年9月25日

著者プロフィール

関裕二

セキ・ユウジ

1959(昭和34)年、千葉県柏市生まれ。歴史作家、武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェロー。仏教美術に魅了されて奈良に通いつめ、独学で古代史を学ぶ。『藤原氏の正体』『蘇我氏の正体』『神武天皇vs.卑弥呼』『スサノヲの正体』など著書多数。

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