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人生の壁

養老孟司/著

968円(税込)

発売日:2024/11/18

  • 新書
  • 電子書籍あり

ぶつかっても、大丈夫ですよ。シリーズ累計690万部突破! 今度のテーマはずばり「人生」。

生きていくうえで壁にぶつからない人はいない。それをどう乗り越えるか。どう上手にかわすか。「子どもは大人の予備軍ではない」「嫌なことをやってわかることがある」「人の気持ちは論理だけでは変わらない」「居心地の良い場所を見つけることが大切」「生きる意味を過剰に考えすぎてはいけない」――自身の幼年期から今日までを振り返りつつ、誰にとっても厄介な「人生の壁」を越える知恵を正面から語る。

目次

まえがき

第1章 子どもの壁
1 子どもを上手に放っておきたい
子どもの自殺が心配/子どもに手をかけたほうがいいという錯覚/幼い頃は「褒めて育てる」が正解/「お受験」教育は勧められない/「ケーキの切れない非行少年」をどう考えるか
2 子ども時代は大人になるための準備期間ではない
昔のほうが子どもを大切にしていた/子どもは大人の予備軍ではない/子どもへの圧力が増していないか/ジャガイモも人も勝手に育つ/努力と成果を安易に結びつけないほうがいい/偉業は意識して達成するものではない/大きな夢を持たなくてもいい/意識はそんなにえらくない
3 子どもを大人扱いするのは大人の身勝手
我が家にいたお尋ね者たち/ませていた子ども時代/小学生の頃に死にかけた/田舎の子が外に出なくなった/学生を上手に甘やかしていた時代/世間は自分よりも先に存在している

第2章 青年の壁
4 解剖学を選んだのは「確実」だったから
世の中で確かなものとは何だろう/お金とは一定の距離を置きたかった/食えるか食えないかが大問題だった
5 煩わしいことにかかわるのは大切
自分とは中身のないトンネルのようなもの/空っぽの人間が増えてきた/煩わしい日常を喜ぶ/資格を取ってもスキルは上がらない/「嫌なこと」をやってわかることがある
6 貧乏は貴重な経験
青春時代って何だろうか/運動が苦手だった思春期/貧乏は人を育てる/引き揚げ経験者は大人だった

第3章 世界の壁、日本の壁
7 世界は一つにはなれない
西洋の思想が世界を覆った/グローバル化の流れは止められない/自然保護のおこがましさ/環境問題に感じる先進国の勝手/『バカの壁』で指摘していたこと/夏目漱石の苦悩は現代を先取りしていた/立派な標語は信用できない/国境は頼りないもの
8 歴史は急によみがえる
日本は暴力支配の国だった/暴力のコントロールが重要/後ろめたさのない力は良いものなのか/大災害が日本を変える
9 日常生活は生きる基本である
人の気持ちは論理だけでは変わらない/安倍さんの国葬は靖国で行われた/日常を変えることに無神経な人たち/「個の尊重」の行き着く先は/人がただ集まることに意味がある/出光はなぜ社員を一人も首にしなかったか/死亡情報は誰のものか

第4章 政治の壁
10 あいまいなのは悪いことではない
今も昔も都会人は災害に弱い/南海トラフ巨大地震に備えることの大切さ/空気は簡単に変えられない/あいまいさを許さない社会は厄介
11 自給自足を基本に考える
日本はどこまで自立できるか/本気で自給を考えなくてはならない/首相候補は誰も環境に興味を持たない/台湾有事が日本社会を変えるかもしれない
12 数字に惑わされてはいけない
GDPを気にしても仕方がない/本当に「三〇年間」は失われたのか/国の心配と個人の心配が逆転している/地元の癒着は悪いことばかりではない

第5章 人生の壁
13 怒りっぽい人が見ていないこと
自分にとって居心地のいい状態を知っておく/社会問題について感情的にならない/社会のシステムが素直でなくなっている/先が見えてしまう社会の問題/早期リタイアに憧れたことがない
14 人生とは学習の場
人生相談を考えたことがない/とらわれない、偏らない、こだわらない/他人の人生を背負う意味/人生はそもそも厄介なもの/コスパを追求して何になるのか/軽く生きることを心がけてみたら/わかってもらうことを期待しない/「生きづらい」は嫌な言葉/生きる意味を過剰に考えすぎない

あとがき

書誌情報

読み仮名 ジンセイノカベ
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 208ページ
ISBN 978-4-10-611066-5
C-CODE 0230
整理番号 1066
ジャンル 哲学・思想、思想・社会
定価 968円
電子書籍 価格 968円
電子書籍 配信開始日 2024/11/18

著者プロフィール

養老孟司

ヨウロウ・タケシ

1937(昭和12)年、神奈川県鎌倉市生まれ。解剖学者。東京大学医学部卒。東京大学名誉教授。1989年『からだの見方』でサントリー学芸賞受賞。2003年の『バカの壁』は450万部を超えるベストセラーとなった。ほか著書に『唯脳論』『ヒトの壁』など多数。

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