
ラクに長生きしたい人のための よくばり健康法
968円(税込)
発売日:2025/06/18
- 新書
- 電子書籍あり
14人の名医・専門家に聞く。突然死を防ぐ座りすぎ回避。全身の不調を治す鼻うがい。老人脳にならない「新生」法。死ぬまで呑むための減酒術。食道楽のための賢い不摂生。健康寿命は万能物質タウリンで。
人生100年、3人に1人が65歳以上という超高齢化時代にあって、病気で日常生活が制限されずに暮らせる期間=健康寿命はとりわけ重要だ。だが、健康のための様々なルールに縛られて、逆に疲れてしまう人も少なくない。いつか最期を迎えるその日まで、できれば美味しい食事やお酒を楽しみながら、長寿を全うすることはできないものか──名医・専門家が教える、ラクに長生きしたい人のための健康法・厳選14話。
高齢でも脳は若返る 「老人脳」にならないための“新生”法
分子生物学者・脳科学者(工学博士) 西剛志
認知症予防のカギは「移動」にあった/「チャレンジ」が脳の老化を防ぐ/年2回の旅行が理想/「電車で勉強」が効果的な理由/「ビュッフェ」でわかる主観的幸福度/「脳トレ」よりも「アロマ」が良い
“絶望の病”に一筋の光明 「すい臓がん超早期発見法」
東京女子医科大学消化器病センター外科教授 本田五郎
5年生存率1割以下/「見つかった時は手遅れ」はなぜ起こる/激務なほどミスは増える/「スクラムを組む不良」より「脱走するチンピラ」が怖い/ステージ0なら生存率9割超も/「がんの手前」で見つけるために
驚愕の万能物質 「タウリン」で健康長寿をめざす
福井県立大学看護福祉学部特命教授 村上茂
“元気の源”どころではない驚きの効果/潤滑油のような役割/海軍パイロットが戦時中に利用/国内では「指定医薬部外品」/頭は鎮まり、筋肉は増強され、肌は潤う/「神秘的」と言われるほど多くの効能/タコ・イカで効率よく摂取
死亡リスク大幅増! 「余命」を縮める「座りすぎ」を回避せよ
早稲田大学スポーツ科学学術院教授 岡浩一朗
1時間座ると22分寿命が縮む/年間43万人が死亡/日本人は世界一「座りすぎ」/「エクササイズ」をする必要はない/24時間トータルで健康を捉える/30分に1回立てばOK/メールくらいは立って読み書きを/あえて家事を残しておく
食道楽こそ人生の醍醐味 我ら俗物のための「賢い不摂生」
北里大学北里研究所病院糖尿病センター長 山田悟
不摂生こそ人生の醍醐味/血糖値を上げるのは「糖質だけ」/カロリー制限は間違い/「脂質」についての大いなる誤解/〆の主食をデザートに/ハイボールにから揚げも問題なし/通常の健診より10年早く異常を検知
国民の3人に1人が悩まされる 「頭痛」の治し方
頭痛専門医 丹羽潔
れっきとした病気/経済損失は年間2兆円/「片頭痛」か「緊張型頭痛」か/原因の99%は首こり/ワインor コーヒー/花粉症との意外な関係/良い色、悪い色/「アロマ」での頭痛誘発に注意/予防に有効な身近な「お菓子」/薬は「量」より「常飲」に注意
寝れば寝るほど寿命が縮む? 目から鱗の「睡眠」新常識
日本睡眠学会総合専門医 遠藤拓郎
「健康のために長く寝る」は間違い/回復すべき「疲労」がないのなら/「7時間睡眠=17時間覚醒」がベスト/「小腹を満たすおやつ」としての昼寝/「ちゃんと疲れる」生活を
「万病の元」を断ち切る 「鼻うがい」で全身の不調を改善
堀田修クリニック院長・腎臓内科医 堀田修
鼻や喉と無関係でも/知られざる万病の元「慢性上咽頭炎」/体中に二次疾患を引き起こす/市販のキット使用が手軽/マスクよりも鼻うがい/痛くて安い「画期的な治療法」
81歳現役女医が実践する 「私の三大健康法」
内科医 天野惠子
サルコペニア直前で始めた筋トレ/筋肉は裏切らない/激烈な更年期と「温活」/がんにも効果的な「ファイトケミカル」/「舌」が変わる/「男性の更年期障害」にも注意
「されど市販薬」 “最効”の花粉症薬の選び方
薬剤師 児島悠史
ラインナップや効き目はほぼ同じ/世界の潮流は「ステロイド点鼻薬」/「効く薬」の見極め方/薬も薬剤師も自分で選ぶ時代/「使い過ぎると効かない」は誤解
健康寿命の大敵 「二大骨折」の予防法
愛知医科大学特任教授 中村幸男
転倒から始まる「負のスパイラル」/3人に1人が「いつの間にか骨折」/何歳からでも骨は鍛えられる/骨芽細胞も働かせる「トリプル効果」/「幸せな高齢期」を過ごすために
アルコールと肝臓の新常識 一生飲み続けるための「減酒」術
肝臓外科医 尾形哲
「物わかりの良いお酒飲み」がNGな理由/「酒は百薬の長」はウソだった/一生飲み続けるための減酒術/一発ストレートに強く、ボディブローに弱い/飲酒は「4回目の食事」/馬鹿にできない「ノンアル飲料」の効用
「腰痛」は治療ではなく自分で治す
早稲田大学スポーツ科学学術院教授 金岡恒治
8割以上が「見えない腰痛」/インナーマッスルの「サボり癖」をなおす/まずは1回10秒の動きから/スマホ中も「ニュートラルゾーン」を意識/本当の「病気」になる前に
認知症予防にも有効 最強のアンチエイジング食品「チーズ」
東北大学名誉教授 齋藤忠夫
ヨーグルトよりも魅力的/認知症予防に「カビ」が効く/「糸引き性」は良質の証/牛乳の10倍の濃さ/虫歯予防やダイエットにも/糖尿病予防には「食前チーズ」
初出一覧
書誌情報
読み仮名 | ラクニナガイキシタイヒトノタメノヨクバリケンコウボウ |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
装幀 | 新潮社装幀室/デザイン |
雑誌から生まれた本 | 週刊新潮から生まれた本 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 208ページ |
ISBN | 978-4-10-611090-0 |
C-CODE | 0247 |
整理番号 | 1090 |
ジャンル | 暮らし・健康・料理 |
定価 | 968円 |
電子書籍 価格 | 968円 |
電子書籍 配信開始日 | 2025/06/18 |
蘊蓄倉庫
「ファイトー!」「一発!」の意外な歴史
筋骨隆々の男性二人が絶体絶命の危機を印象的なフレーズと共に乗り切るCMでお馴染みの「リポビタンD」。このCMのおかげで「タウリン」という物質名を聞いたことがない人は日本にはあまりいないのではないでしょうか。でも、この物質にいったいどんな効能があるか知っていますか? 生命誕生の頃から生物の体内に存在している天然物質でありながら、戦前から戦闘機のパイロットに投与されるなど、「ファイト一発」的な用途での使用歴も意外と長いのです。疲労回復だけでなく、視力や運動機能、肝機能障害や心不全、脳卒中などの不調改善にも効果があるとされるタウリン。単なる「元気の源」と捉えるのはもったいないのかもしれません。
掲載:2025年6月25日
担当編集者のひとこと
「健康」に人生を支配されたくない人へ
数年前の夏、妊娠中に妊娠糖尿病の検査に引っかかりました。
再検査は2週間後。再び血糖値が基準値を超えれば強制的に5日間の管理入院になると言われ焦った私は、その日から徹底的な食事制限を始めました。
毎食前にどんぶり一杯分の生野菜サラダをノンオイルドレッシングで無理やり食べ、炭水化物は最低限。もちろん甘いものは一切摂らず、飲み物も水のみ。
当時カフェインを摂ると貧血気味になっていたため、喫茶店に入っても頼むものがなく、真夏の道すがらの休憩場所にさえ困ったことを思い出します。
そんな生活を2週間続け、ギリギリで基準値を下回っている再検査結果を見た時は、誇張なしに大学に合格した時以来の安堵と嬉しさを感じました。
病院帰りに我慢できずにフルーツパーラーに並んで食べた生クリームたっぷりのメロンのパフェは、涙が出そうなほどおいしかったです。
あれから早数年。中年に差し掛かった今、健康診断では毎年のようにコレステロール値で引っかかります。あの時のような食生活を送れば必ず数値が良くなることを知っていますが、実行する気にはなれません。人生において、あんなに辛い生活はなかったと今でも思っているからです。
健康にはなりたいけど、「健康」に人生を支配されたくない。
お酒や甘いものをやめることもできなければ、毎日1時間の運動も到底無理。
そんな私のような人にこそ読んでほしいのがこの本です。
生活をガラっと変えることには勇気が必要ですが、日常生活のちょっとした場面で出来る工夫や考え方を取り入れるのであればどうでしょうか。
14人の名医と専門家の方が、それぞれの知見を余すことなく披露してくれています。ご自分に合った健康法を見つけていただければ幸いです。
2025/06/25
著者プロフィール
週刊新潮
シュウカンシンチョウ
『週刊新潮』は、がんや認知症、睡眠障害、頭痛、花粉症など、年齢問わず多くの人が悩まされる様々な病気や心身の不調について、専門の医師や各分野のプロフェッショナルの最新の見解と対処法を紹介。『ラクに長生きしたい人のための よくばり健康法』では2023年以降の記事の中から厳選する。