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【特集】最高級「春画」の超絶技巧
『花鳥余情 吾妻源氏』と歌川国貞

芸術新潮 2026年3月号

(毎月25日発売)

1,700円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2026/02/25

発売日 2026/02/25
JANコード 4912033050364
定価 1,700円(税込)
●目 次

【特集】最高級「春画」の超絶技巧
『花鳥余情 吾妻源氏』と歌川国貞

第一部
至高の彫りと摺り『花鳥余情 吾妻源氏』徹底解剖
文 早川聞多

天の巻 扉絵 大首絵
見開絵(一~六)
裏扉絵 大開絵
跋文
錦絵技法の用語解説

小憩グラフ[一] 国貞“三源氏”とは?
小憩グラフ[二] 国貞エロチカいろいろ

小憩コラム 浮世繪版畫の彫師・摺師について
文 早川聞多

第二部
江戸っ子最愛絵師 歌川国貞のリアル
文 日野原健司

人生と画業 早熟にして衰え知らずの79年

  • 5つのポイントで迫る 国貞の見どころ
  • 1)ファッションも内面も──魅惑の女性たち
  • 2)二枚目! アウトロー! マッチョ! 色気のある男たち
  • 3)江戸の暮らし──細部までぬかりなく
  • 4)実は大胆! 光と影のコントラスト
  • 5)斬新なデザイン感覚

その後の国貞


◆ Art News exhibition ◆

位相幾何学的アンフォルメルなのだ!?
大西茂の越境する写真と絵画

その名は「タイランド・ビエンナーレ」東南アジアの芸術祭訪問記
文 金井美樹

知られざる“蠟のアート”とは?
メディチ家コレクション再集結
文 高橋恵理

◆ Review ◆

  • ユアサヱボシ
  • クリスチャン・レックス・ヴァン・ミネン
  • 梅田哲也×呉夏枝「Tokyo Contemporary Art Award 2024-2026 受賞記念展『湿地』」より
  • アルフレド・ジャー

◆ Regular Features ◆

◇ 巻頭 ◇

Goods & Shop

時と光の美術館〈107〉
ホープ ダイヤモンド

とんぼの手帖〈27〉
江戸の女性の娯楽

◇ 連載 ◇

定形外郵便〈139〉
文 堀江敏幸

シティ・ポップ・アート〈5〉
奥村靫正とジャケット・デザイン
文 吉村栄一

ウホッ! いいアート〈8〉
ダビデとゴリアテ──ホモエロティックという自我
文 入江敦彦

千住 博の
知となり肉となり〈32〉
「鑑賞」とは自分との出会い

山下裕二の
新・今月の隠し球〈48〉
外山諒(下)

福井江太郎の
駝鳥がゆく!!〈36〉
平岡祐太さん

◇ PICK UP ◇

  • movie 佐々木敦
  • book 諏訪 敦
  • recommend 編集部のおすすめ!
  • ぐるぐるキョロキョロ展覧会記〈67〉
    小田原のどか
  • exhibition 全国展覧会情報
  • ART CAFÉ SPECIAL
  • ART CAFÉ
  • GALLERY'S PLAZA
  • 次号予告

▼芸術新潮特別企画

現代アートの冒険者たちとTERRADA ART AWARDの冒険

東山魁夷と千住博 日本画の深い精神性にひたる

東京美術倶楽部はアートのひみつ基地〈2〉
東京美術倶楽部は鑑定する

健やかな日々を支えたい トータルスイスの社会への還元

アートとお金のはなし 番外編〈01〉
全国アートフェアガイド2026
supported by GMOクリック証券

アートフェア東京 20
角匠/至峰堂画廊/日動画廊/靖雅堂夏目美術店/靖山画廊ほか

連載 美に魅せられて アジア文化芸術協会〈71〉
興福寺《板彫十二神将立像》

最新号PICK UP

38年ぶりに国貞『吾妻源氏』を特集!

 きっかけは、京都の早川聞多さん(国際日本文化研究センター名誉教授)のお宅にうかがい、USBメモリーに入れられた、145頁におよぶPDFデータをお預かりしたことでした。そこに入っていたのは、丸々1冊分の本文+図版のデータ。もうレイアウトも出来上がっていて、ほぼ本の体裁に仕上がっていました。
 今回の特集は、その早川さんの力作をもとに構成させていただきました。江戸末期のいちばん人気の絵師・歌川国貞の春画『花鳥余情 吾妻源氏』の彫りと摺りの超絶技巧をたっぷりとお見せする特集です。
 実は「芸術新潮」では38年前にも、国貞の『吾妻源氏』を取り上げています。1988年3月号の特集「浮世絵の極み 春画」です。春画研究の分野を切り拓いた林美一よしかずさんの監修による特集でした。これが大きな反響を呼び、同年7月にとんぼの本『浮世絵の極み 春画』が刊行され、28刷18万部超という美術本としては驚異的なベストセラーとなりました。以後、「芸術新潮」では、林さんと、さらにはリチャード・レインさんという在野の研究者ふたりを案内人に、何度も春画を特集しました。春画出版ブームがやって来たのです(当時の「芸術新潮」担当編集者の手記をこちらからお読みいただけます。[→]『蔦屋重三郎のエロチカ 歌麿の春画と吉原』)。
 しかし残念ながら、名著『浮世絵の極み 春画』は、2000年代に絶版となります。1988年の刊行当時、春画に描かれている局部は、出版物に無修正で掲載することができませんでした。刑法175条の「わいせつ物頒布等罪」に抵触する可能性があったのです。実際に林さんは1961年に逮捕されたこともあります(結果、足かけ13年もの裁判の末、罰金5万円)。春画の局部掲載が本格的に解禁されるのは1991年頃のことです。ヌード写真のヘア解禁もちょうど同じ時期でした。解禁後に、他の本では堂々と掲載されている大事な箇所が出ていないのは、あまりに不利でした。
 というわけで、「芸術新潮」にとっては、今回の特集はある種のリベンジマッチとなります。泣く泣く絶版とせざるを得なかった名著を生んだ特集から38年後、さらにパワーアップさせた特集が出来上がりました。『吾妻源氏』の彫りと摺りの繊細なテクニックの数々は、「えっ、ここまでやるの?」と思わず笑ってしまうほどのレベルです。江戸の職人の「魂」が込められた神技エロチカを、ぜひご堪能ください。

この号の誌面

編集長から

国貞が魅せる
彫りと摺りの神技エロチカ

 浮世絵「春画」といえば喜多川歌麿が不動の第一人者。これに次いでは葛飾北斎や鳥居清長の名が挙がるが、彫りと摺りという版画の技術的側面に注目した時に、俄然浮上してくるのが“三源氏”と総称される歌川国貞の3タイトルの艶本えほん。特集〈最高級「春画」の超絶技巧 『花鳥余情 吾妻源氏』と歌川国貞〉では、そのうちの『花鳥余情 吾妻源氏』を、最新のデジタル撮影によって徹底吟味する。毛髪や睫毛を1ミリに3~4本の密度で彫り込む──ところまではしかし想定内。ほんとにぶっ飛ぶのは、ちぢれ、錯綜するアンダーヘアの彫りの方で、その突き抜けた仕事ぶりには唖然。空摺からずり極出きめだし艶摺つやずりなど、多色摺木版画というフォーマットの中で考えられるあらゆる工夫を凝らした摺りの凄さも、あの手この手のライティングによって捉えた。なお、特集では非エロチカ系の作品も合わせて紹介。役者絵・美人画の2大ジャンルを制し、幕末最大の人気浮世絵師だった国貞の魅力を余すところなくお伝えします。

芸術新潮編集長 高山れおな

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「暮らし」はアートであるをキャッチフレーズにあらゆる事象を「芸術」という観点から検証し、表現する「芸術新潮」。1950年に創刊され、歴史と文化を見続けてきたハイクオリティなアートマガジン。歴史的な芸術作品から、建築、古美術、現代アートまで、あらゆる「美しきもの」を独自の切り口で紹介しています。

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