【追悼特集】舟越 桂
彫像(ひと)のさきに在るもの
芸術新潮 2024年8月号
(毎月25日発売)
発売日 | 2024/07/25 |
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JANコード | 4910033050841 |
定価 | 1,500円(税込) |
【追悼特集】舟越 桂 彫像のさきに在るもの Katsura Funakoshi 1951-2024
変貌しゆく人のかたち
三沢厚彦がえらぶ、舟越桂作品
ごっつい分厚い手で 「桂さん」のこと
|略年譜|
彫刻家の家に生まれて
|想い出|舟越桂とわたし
弟 桂が… 文 末盛千枝子
40年を越えて… 談 西村建治
ある日のアトリエ
KATSURA's Art Memorandum
制作を語る デッサンから完成まで
作家を語る 敬愛と共感と奮起と
|再録エッセイ|
(1)30年以上も父を待たせてしまった
(2)おもちゃの時
彫刻の詩人・舟越桂さんとの幸福な時間
談 酒井忠康
展覧会情報/Books & Collection
◆ Art News exhibition ◆
映えの天才!
カナレットが描く夢と現のヴェネツィア
◆ Art News cinema ◆
美大受験マンガ『ブルーピリオド』映画化
スクリーンに刻む 描く悦び、挑む苦しみ
眞栄田郷敦×板垣李光人
◆ Art News exhibition ◆
- ミケランジェロ&レオナルド・ダ・ヴィンチ
ルネサンス2大巨匠の最新研究 - ミケランジェロ最後の30年の実像
文 内田さり - レオナルドの母親は奴隷だった!?
文 羽生のり子
フィリップ・パレーノ
脳化された時空
ミニチュア写真家・見立て作家
田中達也の頭の中をのぞいてみれば
◆ 特別対談 ◆
蝉谷めぐ実×尾上右近
著者と演者の歌舞伎譚
◆ Review ◆
- マリア・ネポムセノ/髙畠依子
- 石川直也/板谷梅樹
◆ Regular Features ◆
◇ 巻頭 ◇
Goods & Shop
時と光の美術館〈88〉
シャネル
絵育のススメ〈12〉最終回
小林彩子
とんぼの手帖〈8〉
にっぽんの夏に浸る
◇ 連載 ◇
新連載
三浦篤×森村泰昌
キテレツ絵画の逆襲〈1〉
日本近代洋画を見つめなおす
異文化との出会いのはじまり
定形外郵便〈121〉
文 堀江敏幸
千住博の知となり肉となり〈13〉
世界は色彩に満ちている
山下裕二の
新・今月の隠し球〈31〉
足立篤史(上)
福井江太郎の
駝鳥がゆく!!〈17〉
田島眞さん・将志さん
幻々夢譚〈20〉
絵・文 と金
千 宗屋の飲みたい茶碗、点てたい茶碗〈114〉
◇ PICK UP ◇
movie 佐々木敦
book 諏訪 敦
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ぐるぐるキョロキョロ展覧会記〈49〉小田原のどか
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次号予告
▼芸術新潮特別企画
始めよう! NFTアートカレッジ〈5〉
Adam by GMO
日本近代洋画のミカタ〈1〉
夭折の風景
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GALLERY'S PLAZA
最新号PICK UP
「静謐な人物像」を超えて
今年3月に72歳で逝去された舟越桂さん。
弊誌でもヴェネツィア・ビエンナーレ参加の足がかりともなった1985年の西村画廊での個展以来、幾度となく舟越さんの作品を追いかけてきました。
今回、追悼特集として遺された作品群をたどるにあたり、ナビゲーターをお願いしたのは、彫刻家の三沢厚彦さん。「同じ画廊に所属している」「彫刻家」というほかにも、じつは多くの共通点を持つふたりは、三沢さんの藝大生時代に知り合い、以後40年近く、親交を結んでこられました。
同業作家として、そしてよき先輩として舟越さんを知る三沢さんが、開口一番言われたのが、「よく“静謐な人物像”とか言われますけど、桂さんの作品って、全然そんなんで収まるような作品じゃないんです」ということ。本誌では、三沢さんに初期作から遺作となった最新作まで約30点をセレクトしていただき、作品にあらわれる舟越さんの自由な発想やすぐれた感覚について語ってもらいました。それはまさに、「静謐な人物像」と分かったつもりになっていた、舟越作品の深遠さ、新しさを知るものとなりました。
この夏には、生前から準備されていた彫刻の森美術館での個展も始まり、秋以降も舟越さんの作品が出品される展覧会がつづきます。
ぜひ本特集を片手に、舟越さんの作品に再びゆっくりと出会ってください。
この号の誌面
編集長から
彫刻の詩人、舟越桂
その魅力の先にあるもの
今春亡くなられた彫刻家・舟越桂氏の追悼特集をお届けする。舟越氏にはじつは数年前から特集の相談をしていた。テーマは“舟越家の人びと”。桂氏のみならず、父の保武氏、弟の直木氏もまたすぐれた彫刻家だったがゆえの企画だ。コロナ禍もありそのプランは実現しなかったものの、一家の独特の絆は、兄弟の長姉・末盛千枝子さん(=絵本編集者)のご寄稿をはじめ、特集の端々からうかがえよう。それはどこか、三島由紀夫の『美しい星』の主人公家族を連想させもする。やや唐突なそんな譬えを持ち出したのも、その気品や詩情が国境を越えて愛された舟越作品の核にあるものを、私たちがまだ確かには捉え得ていないと感じるから。この特集が、新たな舟越桂理解の第一歩になればと思う。
映画「ブルーピリオド」が公開される眞栄田郷敦と板垣李光人。歌舞伎界を背景にした快作を連発する蝉谷めぐ実と同い年の歌舞伎役者・尾上右近。若い俳優・作家達の対談2本もお楽しみに。
芸術新潮編集長 高山れおな
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