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維新史と人間像を、一気読み!
大河ドラマ時代考証者が迫る。


 今年は明治維新から数えて150年。かつてこの国のかたちを一変させた倒幕維新最大のヒーロー・西郷隆盛の謎多き生涯に、磯田道史さんが迫ります。
 江戸期、諸藩の中でも抜きんでた「武の国」薩摩での生い立ちから、悩み多き青春と心中未遂、流謫の南島から幕末の渦中に舞い戻って倒幕を成し遂げ、故郷への隠遁の末、ついには賊軍の頭目として西南戦争で自決するまで――その生涯はまさしくドラマチック、波瀾万丈でした。
 言うまでもなく、西郷をめぐる評伝や研究書、小説はこれまで数えきれないほど書かれてきました。しかし、後代の神格化と英雄視の一方で、その言動はあまりに振れ幅が大きく、西郷という人間の事績をどうとらえるべきか、しばしば学者や小説家泣かせと言われます。
 本書では、話題の大河ドラマ「西郷どん」の時代考証をつとめる磯田さんが、あらためて史料をひもとき、「愛すべき異端児・西郷」の素顔を、維新史と重ねて浮き彫りにします。新潮新書が創刊された15年前、『武士の家計簿―「加賀藩御算用者」の幕末維新―』で脚光を浴び、昨年は『「司馬遼太郎」で学ぶ日本史』『日本史の内幕』が相次いでベストセラーに。今や「平成の司馬遼太郎」とも呼ばれる歴史家の読み解きに注目です。

波 2018年5月号「新潮社の新刊案内」より

著者紹介

磯田道史イソダ・ミチフミ

1970(昭和45)年岡山市生まれ。歴史家。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。2018年3月現在、国際日本文化研究センター准教授。『武士の家計簿』(新潮ドキュメント賞受賞)、『天災から日本史を読みなおす』(日本エッセイスト・クラブ賞受賞)、『日本史の内幕』など著書多数。

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