お知らせ

いま注目の1冊!

不慮の飛行機事故から40年
今なお響く「達人」の言葉に新たな読者が急増中

Image

「人生到るところ浮気あり」「女は死ぬ覚悟で恋をしたのよ」「私の勝負服は地味である」……こんな言葉を目にしただけでも、続きを読みたくなりませんか。
「阿修羅のごとく」「あ・うん」「寺内貫太郎一家」など数々の傑作ドラマの脚本家であり名エッセイスト、直木賞受賞作家でもあった向田邦子さん。取材先の台湾で飛行機の墜落事故に巻き込まれて今年で40年が経ちます。
 40年といえば高校生が定年間近に、子が親になってもおかしくない歳月。それでも新聞、雑誌、テレビが取り上げ、特別展には若い人が多く訪れました。向田さんの全活字作品から名言、名ゼリフを精選して収録した本書も発売5ヶ月で6刷に達し、目立つのは読者に20代、30代の女性が多いこと。
 思えば向田さんはキャリアウーマンの先駆けであり、同時にファッションセンス抜群、旅行と猫と食を愛してやまぬ方でした。
 時を経た今だからこそ、「言葉の達人」であると同時に「生き方の達人」でもあった向田さんの作品に触れたくなるのかもしれません。

波 2021年10月号「いま話題の本」より

著者紹介

向田邦子ムコウダ・クニコ

(1929-1981)1929(昭和4)年、東京生れ。実践女子専門学校(現実践女子大学)卒。人気TV番組「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」など数多くの脚本を執筆する。1980年『思い出トランプ』に収録の「花の名前」他2作で直木賞受賞。著書に『父の詫び状』『男どき女どき』など。1981年8月22日、台湾旅行中、飛行機事故で死去。

碓井広義ウスイ・ヒロヨシ

1955(昭和30)年、長野県生まれ。メディア文化評論家。2020(令和2)年3月まで上智大学文学部新聞学科教授(メディア文化論)。慶應義塾大学法学部政治学科卒。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。1981年、テレビマンユニオンに参加、以後20年間ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に『人間ドキュメント 夏目雅子物語』など。著書に『テレビの教科書』、『ドラマへの遺言』(倉本聰との共著)など、編著に『倉本聰の言葉――ドラマの中の名言』がある。

書籍紹介

雑誌紹介