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いま注目の1冊! 帚木蓬生『白い夏の墓標』

ウィルスと医学の闇を描くロングセラー

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白い夏の墓標』の文庫は1983年に刊行され、以後ロングセラーとして読まれてきましたが、今年、再び売れゆきが上昇。実はその背景には、丸善お茶の水店の書店員さんによる仕掛けがありました。
「以前から帚木さんのファン」という書店員さんは、コロナ禍で「ウィルス」と医学の闇を扱った本書に着目。「これ面白いから読んで!」という熱意があれば伝わるはずと、POPと販促を展開します。その結果すぐに売り上げに結びつき、弊社でも丸善お茶の水店推薦の特別帯に変更、すぐに増刷を重ねています。この帯のフレーズを一部ご紹介します。
「この本、本当に凄いぞ!!!」「名作といわれるものは絶対に色褪せることはありません!!!」
 書店員さんの想いと長く売れ続けてきた作品の底力が結びついての「話題の本」。帚木さんの新潮文庫最新刊『沙林 偽りの王国』(上・下)もまた、元警察庁長官國松孝次さんの心を掴み、「本書は第一級の質をもっている」と言わしめる傑作です。こちらもご一読ください。

波 2023年10月号「いま話題の本」より

著者紹介

帚木蓬生ハハキギ・ホウセイ

1947(昭和22)年、福岡県生れ。東京大学仏文科卒業後、TBSに勤務。2年で退職し、九州大学医学部に学ぶ。2023年8月現在は精神科医。1993(平成5)年『三たびの海峡』で吉川英治文学新人賞、1995年『閉鎖病棟』で山本周五郎賞、1997年『逃亡』で柴田錬三郎賞、2010年『水神』で新田次郎文学賞、2011年『ソルハ』で小学館児童出版文化賞、2012年『蠅の帝国』『蛍の航跡』の二部作で日本医療小説大賞、2013年『日御子』で歴史時代作家クラブ賞作品賞、2018年『守教』で吉川英治文学賞と中山義秀文学賞をそれぞれ受賞。『国銅』『風花病棟』『天に星 地に花』『受難』『悲素』『襲来』『花散る里の病棟』といった小説のほか、新書、選書、児童書などにも多くの著作がある。

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