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いま注目の本! 安部公房/著、近藤一弥/編・デザイン『安部公房写真集―PHOTOWORKS BY KOBO ABE―』、安部公房『死に急ぐ鯨たち・もぐら日記』『箱男』

安部公房生誕100年。
この作家と出会えば、一生分の衝撃があなたを襲う。

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 今年3月7日に生誕100年を迎えた世界的な作家、安部公房。誕生月前後には文庫新刊2点に加え、新潮文庫全19点の電子書籍が解禁されました。その勢いは夏になっても止まらず、8月には写真家としての全貌を明らかにする本格的写真集『安部公房写真集―PHOTOWORKS BY KOBO ABE―』が刊行され、さらに監督石井岳龍、俳優永瀬正敏がタッグを組んで公房の代表作を映画化した「箱男」が公開(本誌26〜27頁の箱は実際に永瀬さんが撮影で使用したものですが、入っているのはこの文章の書き手である私です)。9月にはエッセイやインタビュー等、思索の数々が詰まった文庫新刊『死に急ぐ鯨たち・もぐら日記』が注目を集めました。そして締めくくりは神奈川近代文学館で開催中の「安部公房展―21世紀文学の基軸」。初公開を含む約500点の資料により、時代の先端をとらえ続けた表現者の全貌に迫ります。極限にヤバい作家に出会いたい方、まだ間に合います。この機会に二度と抜け出せない迷宮へ足を踏み入れてみませんか。

波 2024年11月号「いま話題の本」より

著者紹介

安部公房アベ・コウボウ

(1924-1993)東京生れ。東京大学医学部卒。1951(昭和26)年「壁」で芥川賞を受賞。1962年に発表した『砂の女』は読売文学賞を受賞したほか、フランスでは最優秀外国文学賞を受賞。その他、戯曲「友達」で谷崎潤一郎賞、『緑色のストッキング』で読売文学賞を受賞するなど、受賞多数。1973年より演劇集団「安部公房スタジオ」を結成、独自の演劇活動でも知られる。海外での評価も極めて高く、1992(平成4)年にはアメリカ芸術科学アカデミー名誉会員に。1993年急性心不全で急逝。2012年、読売新聞の取材により、ノーベル文学賞受賞寸前だったことが明らかにされた。

近藤一弥コンドウ・カズヤ

東京都生れ。成城大学芸術学科卒。桑沢デザイン研究所グラフィック研究科卒。グラフィックデザイナー。1998年、『安部公房全集』のブックデザインで東京ADC原弘賞、2000年ブルーノグラフィックビエンナーレ・プラハタイポデザインクラブ賞、2002年桑沢賞受賞。安部公房作品の新潮文庫でのカバーデザインも手掛けている。

書籍紹介

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