【特集】白洲正子のまなざし
芸術新潮 2025年8月号
(毎月25日発売)
発売日 | 2025/07/25 |
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JANコード | 4910033050858 |
定価 | 1,500円(税込) |
【特集】白洲正子のまなざし
解説 青柳恵介
白洲正子とは何者か?
絵入り年譜で読み解く「韋駄天お正」の生涯
- 白洲正子が選んだ「日本の百宝」
- プロローグ 面――能楽以前へのまなざし
- ハイライトI三つの十一面観音――天平の頽廃と母の面影
- ハイライトII法隆寺の五重塔と救世観音――個人的な体験
- ハイライトIII《日月山水図屏風》――ウブの美
- ハイライトIV石塔寺の三重塔と関寺の牛塔――石塔に見る風土の力
- ハイライトV平等院鳳凰堂――朝日の中で
ジャンル別 白洲好み
1 仏像と神像――あどけないもの
2 埴輪――いのちあるもの
3 絵画――正統と奔放と
4 石造美術――風景の中で見る
5 茶碗――好き嫌いを育てる
エピローグ 白洲さんと僕
鶴川の武相荘へ行こう!
白洲正子をもっと知りたい人のための
ブックガイド
――今すぐ読める新潮社の本
◆ 第2特集 ◆
ワイヤーとコミュニティを編んだアーティスト
ルース・アサワを知っていますか?
◆ Art News exhibition ◆
伊藤慶二
個となるかたちの静かな問い
伊藤慶二の制作――土岐の工房から
文 福島 直
圧巻! 「目」でも「耳」でも楽しめる、
高畑勲の世界
文 森重良太
- ◆ Review ◆
- ノンギルンガ・マラウィリ「彼女たちのアボリジナル・アート オーストラリア現代美術」展より
- エリン・ライト
- カーラ・マクウィリアム「未知なる世界と出会う――英国アール・ブリュット作家の現在」展より
- 安藤照
◆ Regular Features ◆
◇ 巻頭 ◇
Goods & Shop
時と光の美術館〈100〉
クレドール
とんぼの手帖〈20〉
執着心
◇ 連載 ◇
定形外郵便〈133〉
文 堀江敏幸
ウホッ! いいアート〈2〉
デイヴィッド・ホックニー
――ホモエロティックという視座
文 入江敦彦
千住 博の
知となり肉となり〈25〉
忘れ得ぬ人々 3
山下裕二の
新・今月の隠し球〈42〉
稲田侑峰(下)
福井江太郎の
駝鳥がゆく!!〈29〉
四代 田辺竹雲斎さん
◇ PICK UP ◇
- movie 佐々木敦
- book 諏訪 敦
- recommend 編集部のおすすめ!
- ぐるぐるキョロキョロ展覧会記〈61〉
小田原のどか - exhibition 全国展覧会情報
ART CAFÉ
GALLERY'S PLAZA
次号予告
▼芸術新潮特別企画
新連載
時計の美を辿る〈1〉
パテック フィリップの壮麗な手仕事を読み解く 文・並木浩一
アートとお金のはなし〈2〉
文・徳光健治
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池袋発、美術商の眼が選び抜いたアーティストが天王洲に集結!
人と容器と地球と――ツバキスタイルは美の循環(サーキュレーション)をめざす
最新号PICK UP
正子かわいい

大先生にいきなり「かわいい」だなんて、スミマセン。当方、生前の白洲正子さんにお会いしたことはなく、先輩編集者から様々なエピソードは聞いていたものの、ご著書を通して抱いていたイメージは「忖度なしの斜め目線、自分にも他人にも厳しい方」でした。
が、今回、白洲さんが1983年に「日本の百宝」として選んだものを通して、その目――ものの選び方や根底にある哲学――を探る特集を組むにあたり、あらためてたくさんの著作に触れ、写真部のキャビネットに眠っていた数々の写真を発掘。結果、そのイメージは180度回転し、
なんてかわいい人!
となりました。
旺盛な好奇心、山奥だろうとどこだろうと出かけてゆくフットワークの軽さ、男性識者たちからコテンパンにやられながらも食らいつくド根性――それでいて実はかなりシャイで、自分語りは好きじゃない。そして好きな人、興味のあることにはなりふりかまわずアプローチ。女友達よりも男友達が多かったこともうなずけます。
今よりずっと女性の自由が規制されていた時代、おちゃめでかわいい白洲正子さんが奮闘して築き上げたユニークな世界を、本特集でぜひ味わってみてください。
この号の誌面
編集長から
白洲正子が選んだ
「日本の百宝」をふりかえる
小誌が白洲正子の特集を組むのは、1999年12月号以来のこと。氏の逝去からほぼ1年、200頁を超える渾身の全一冊追悼号だった。翻ってこのたびの「白洲正子のまなざし」は規模こそ平常運転だが、主人公が主人公だけに内容は変わらず濃密だ。白洲は、1983年4月号の特集「日本の百宝」で、各界51人のうちの一人としてアンケートに回答し、これぞ日本の宝と自らが考える美術・工芸品101点を列挙した。本特集では、氏が何を挙げたのか、なぜそれを挙げたのかを改めて検証する。案内役は、年下の友人として晩年の白洲の謦咳に接し、しばしば旅の供もした青柳恵介氏。うん、やっぱり濃いですね。
第2特集は、日系人収容所でアートに目覚め、20世紀後半のアメリカ美術に大きな足跡を残したルース・アサワの大回顧展をレポート。アートニューズでは、「火垂るの墓」の配信が話題の高畑勲の展覧会も紹介。白洲正子特集と併せての三本立てによる、戦後80年記念号である。
芸術新潮編集長 高山れおな
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