魂を揺さぶる村上春樹の〈秘密の場所〉へ――
待望の新作長編1200枚!
十七歳と十六歳の夏の夕暮れ……川面を風が静かに吹き抜けていく。彼女の細い指は、私の指に何かをこっそり語りかける。何か大事な、言葉にはできないことを――高い壁と望楼、図書館の暗闇、古い夢、そしてきみの面影。自分の居場所はいったいどこにあるのだろう。村上春樹が長く封印してきた「物語」の扉が、いま開かれる。
十七歳と十六歳の夏の夕暮れ……川面を風が静かに吹き抜けていく。彼女の細い指は、私の指に何かをこっそり語りかける。何か大事な、言葉にはできないことを――高い壁と望楼、図書館の暗闇、古い夢、そしてきみの面影。自分の居場所はいったいどこにあるのだろう。村上春樹が長く封印してきた「物語」の扉が、いま開かれる。
十七歳と十六歳の夏の夕暮れ、きみは川べりに腰を下ろし、“街”について語り出す──それが物語の始まりだった。高い壁と望楼に囲まれた遥か遠くの謎めいた街。そこに“本当のきみ”がいるという。〈古い夢〉が並ぶ図書館、石造りの三つの橋、針のない時計台、金雀児(えにしだ)の葉、角笛と金色の獣たち。だが、その街では人々は影を持たない……村上春樹が封印してきた「物語」の扉が、いま開かれる。
図書館のほの暗い館長室で、「私」は「子易(こやす)さん」に問いかける。孤独や悲しみ、“街”や“影”について……。そんなある日、「私」の前に不思議な少年があらわれる。イエロー・サブマリンの絵のついたヨットパーカを着て、図書館のあらゆる本を読み尽くす少年。彼は自ら描いた“街”の地図を携え、影を棄てて壁の内側に入りたいと言う──二つの世界を往還する物語がふたたび動き出す。
十七歳と十六歳の夏の夕暮れ……川面を風が静かに吹き抜けていく。彼女の細い指は、私の指に何かをこっそり語りかける。何か大事な、言葉にはできないことを――高い壁と望楼、図書館の暗闇、古い夢、そしてきみの面影。自分の居場所はいったいどこにあるのだろう。村上春樹が長く封印してきた「物語」の扉が、いま開かれる。
『愛蔵版 街とその不確かな壁』は好評につき完売しました。
2024年3月1日
たいへんお待たせいたしました。村上春樹著『街とその不確かな壁』の著者直筆サイン入り愛蔵版は、2024年3月15日(金)11時より新潮ショップにて予約を開始いたします。
おひとり1冊まで、申込先着順、限定数に達し次第、販売終了とさせていただきます。
発売日は2024年5月15日(水)となります。発売日以降、順次発送いたしますが、着日の指定はできません。
◆サインは直筆の為、画像と異なる場合がございます。
◆シリアルナンバーは選択できませんので、予めご了承ください。
◆画像は製作段階のサンプル写真です。実際の商品と異なる場合がございます。
◆商品の外箱(段ボール)は、輸送用保護箱です。仮に一部角潰れなどがあっても箱の交換には応じられませんので、ご容赦ください。
◆海外からの発送には対応しておりません。予めご了承ください。
仕様 |
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特典 | 著者直筆サイン・直筆シリアルナンバー入り、特製ポストカード入り |
定価 | 10万円(税・送料別) |
部数 | 限定300部 |
販売 | 新潮社のオンライン直販サイト「新潮ショップ」にて、先着順で予約を開始いたします。 |
『街とその不確かな壁』の著者直筆サイン入り愛蔵版を新潮社より刊行いたします。物語には〈古い夢〉がならぶ図書館が登場しますが、意匠を凝らした精緻な装幀で、その静謐な世界へといざないます。村上春樹さんの長編作品は、すでにイギリス、アメリカ、スペイン、ドイツなど海外で愛蔵版が発売されていますが、日本で長編作品の愛蔵版が発売されるのは初めてのことになります。
ムラカミ・ハルキ
1949(昭和24)年、京都市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。1979年『風の歌を聴け』(群像新人文学賞)でデビュー。主な長編小説に、『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞)、『ノルウェイの森』、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『スプートニクの恋人』、『海辺のカフカ』、『アフターダーク』、『1Q84』(毎日出版文化賞)、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』、『騎士団長殺し』、『街とその不確かな壁』などがある。『螢・納屋を焼く・その他の短編』、『神の子どもたちはみな踊る』、『東京奇譚集』などの短編小説集、エッセイ集、翻訳書など著書多数。2006(平成18)フランツ・カフカ賞、オコナー国際短編賞、2009年エルサレム賞、2011年カタルーニャ国際賞、2016年アンデルセン文学賞、2022(令和4)年チノ・デルドゥカ世界賞を受賞。