管見妄語 とんでもない奴
539円(税込)
発売日:2017/06/28
- 文庫
- 電子書籍あり
合理性? 平等? そんなものは不要! 良識や慣習や伝統を重んじる国柄を取り戻せ。
「平等」は本当に小うるさい。耳触りの良いこの言葉が、日本の国柄をズタズタにし、知識偏重との批判が、若者の学力を下げている。このままでは、我が国は危うい。今一度、伝統と良識を見つめ直すべきである。鋭い視点で日本の迷走を叱責しつつ、フェアウェイ上で見かけた、密やかな空気を放つ妖しい男女に気を取られる。ユニークな発想と慧眼で物事の本質を衝く週刊新潮大人気コラム第5弾。
目次
はじめに
第一章 伝統は合理性を超越する
偶然の紡いだ人の鎖/霞が関の「いつもの手」/“崇米”を育てるアメリカ留学/フェアウェイ上の妖しい男女/名著の土壌/優雅で根暗なキノコ狩り/開会式に伏兵あり/「平等」は小うるさい/我が義務教育の勝利/人物本位で天才は消える
第二章 ヨーロッパの轍を踏まぬよう
とんでもない奴!/アジア西端の街へ/夢はペラパレスを駆け廻る/トルコの国父・アタチュルク/最後の柿泥棒/米国のロイヤルファミリー/大いなる待った/西洋の轍/数学者の傍に音楽/救国の数学者と毒リンゴ
第三章 世界の無法化が進んでいる
国葬論争顛末/北風の試練/我が大気汚染測定器/楽観者のアドバンテージ/“HELP!”の罠/掌中の珠/引き裂かれたアンネ/跳躍よさらば/アメリカの持病/台湾学生にエールを
第四章 ジェントルマンの作法
二つの島の哀しみ/生はいとしき「はいチーズ」/何用あってグーグルマップ/西欧の壮大な失敗/食べ物と学歴のあやしい関係/人生で一番まずいすし/人の名は忘れても/童謡に動揺す/我が国最強のロビー団体/所変われば
第五章 猛威をふるう新自由主義
捨てる勇気/エルデシュ数/紫禁城の宝/励ませば唇寒し/退却する勇気/日本サッカーが勝てない理由/もしも文語が書けたなら/本屋を守れ/優遇という名の差別/紳士の品質
そこへ行けば、落ち着ける場所 重里徹也
書誌情報
読み仮名 | カンケンモウゴトンデモナイヤツ |
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シリーズ名 | 新潮文庫 |
装幀 | 新潮社装幀室/デザイン |
雑誌から生まれた本 | 週刊新潮から生まれた本 |
発行形態 | 文庫、電子書籍 |
判型 | 新潮文庫 |
頁数 | 240ページ |
ISBN | 978-4-10-124816-5 |
C-CODE | 0195 |
整理番号 | ふ-12-16 |
ジャンル | エッセー・随筆 |
定価 | 539円 |
電子書籍 価格 | 539円 |
電子書籍 配信開始日 | 2017/12/15 |
著者プロフィール
藤原正彦
フジワラ・マサヒコ
1943(昭和18)年、旧満州新京生れ。東京大学理学部数学科大学院修士課程修了。お茶の水女子大学名誉教授。1978年、数学者の視点から眺めた清新な留学記『若き数学者のアメリカ』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞、ユーモアと知性に根ざした独自の随筆スタイルを確立する。著書に『遥かなるケンブリッジ』『父の威厳 数学者の意地』『心は孤独な数学者』『国家の品格』『この国のけじめ』『名著講義』(文藝春秋読者賞受賞)『ヒコベエ』『日本人の誇り』『孤愁 サウダーデ』(新田次郎との共著、ロドリゲス通事賞受賞)『日本人の矜持』『藤原正彦、美子のぶらり歴史散歩』『国家と教養』等。新田次郎と藤原ていの次男。
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