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「子供を殺してください」という親たち

押川剛/著

693円(税込)

発売日:2015/06/26

  • 文庫
  • 電子書籍あり

ゴミ屋敷に住む娘、親に刃物を振るう息子……。衝撃の事例から見えてきたこととは。

自らは病気の自覚のない、精神を病んだ人を説得して医療につなげてきた著者の許には、万策尽きて疲れ果てた親がやってくる。過度の教育圧力に潰れたエリートの息子、酒に溺れて親に刃物を向ける男、母親を奴隷扱いし、ゴミに埋もれて生活する娘……。究極の育児・教育の失敗ともいえる事例から見えてくることを分析し、その対策を検討する。現代人必読、衝撃のノンフィクション。

目次
はじめに
第一章 ドキュメント
ケース1 精神障害者か犯罪者か
「統合失調症」患者の移送依頼
エリート一族に生まれて
面会で見せた殺意
東京から九州へ
繰り返される無軌道な行為
慎介の今

ケース2 親と子の殺し合い
アルコール依存症の息子
親と子の殺し合い
専門病院での治療
死を望む親

ケース3 依頼にならなかった家族たち
一、手のひらがえしの親
二、どこまでも無責任な親
三、お金を払うから殺してほしいという親

ケース4 すべて弟にのしかかる
暴力による家庭崩壊
母親との共依存
ブラックリスト
保護者となった弟の苦悩

ケース5 母と娘の壊れた生活
生死すら分からない
ザンバラ髪の晴美さん
奴隷となった母親
妹の葛藤

ケース6 親を許さない子供たち
息子が暴君に
家庭内ストーカー
ストーカーと親子の関係
一生、親に養ってもらう

ケース7 家族の恐怖は永遠に消えない
清さんとの面会
贅沢と豪遊の果てに……
家族から離れて
清さんの自立
第二章 「子供を殺してください」という親たち
変化する家族からの相談
パーソナリティ障害とは何か
問題行動の根底にあるもの
家族も心の病気にしたがる
心の病気になりやすい世の中
第三章 最悪なケースほどシャットアウト
専門機関や専門家が対応しない「グレーゾーン」
対応困難な患者は、ブラックリスト化されている
「何かあったら110番通報を」というアドバイス
医療では限界があるのか
第四章 精神保健福祉法が改正されて
法改正ですべてが変わった
入院できても三ヶ月……無視される家族の思い
儲からないから受け入れない
行き場のない患者たち
家族から見放されたらどうなるか? 大衆化する事件
第五章 日本の精神保健分野のこれから
もう海外にいくしかない?
おろそかにされてきた犯罪精神医学への取り組み
日本にスペシャリスト集団を
第六章 家族にできること、すべきこと
家族の縁は切れない
こんな家族は嫌われる
「子供を殺してください」という前に
家族にできること、すべきこと
あとがき
参考文献

書誌情報

読み仮名 コドモヲコロシテクダサイトイウオヤタチ
シリーズ名 新潮文庫
発行形態 文庫、電子書籍
判型 新潮文庫
頁数 304ページ
ISBN 978-4-10-126761-6
C-CODE 0195
整理番号 お-89-1
ジャンル 心理学
定価 693円
電子書籍 価格 605円
電子書籍 配信開始日 2015/12/25

著者プロフィール

押川剛

オシカワ・タケシ

1968年生まれ。福岡県北九州市出身。ジャーナリスト・ノンフィクション作家・株式会社トキワ精神保健事務所所長。専修大学中退、北九州市立大学卒。1996年、“説得”による「精神障害者移送サービス」を日本で初めて創始。移送後の自立・就労支援にも携わる。その活動は国内外から注目を浴び、ドキュメンタリーが多数放映される。著書に『子供部屋に入れない親たち』『「子供を殺してください」という親たち』『子供の死を祈る親たち』など。

押川剛公式ブログ (外部リンク)

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