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血脈の火―流転の海 第三部―

宮本輝/著

2,310円(税込)

発売日:1996/09/17

  • 書籍

繊細で感性豊かな少年に育った一人息子が二十歳になるまでは……再び大阪に居を構え事業に奔走する熊吾。著者自らの“父と子”を描いて人間の生を照射する大河小説。

書誌情報

読み仮名 ケツミャクノヒルテンノウミダイサンブ
発行形態 書籍
判型
頁数 448ページ
ISBN 978-4-10-332511-6
C-CODE 0093
ジャンル 文芸作品、文学賞受賞作家
定価 2,310円

あらすじ

 昭和二十七年、松坂熊吾は中之島の三階建てのビルに、一階は雀荘、二階は中華料理店、三階は消火用ホースの修繕を請け負うテントパッチ工業株式会社を設立し、多角経営に乗り出した。
 曾根崎小学校に入学したばかりの伸仁は堂島川、土佐堀川を遊び場として、ポンポン船の船頭夫婦、沖仲仕、近所の商売人、そしてやくざ者までも知り合いにして、逞しく伸びやかに育っている。
 南宇和から、熊吾の妹タネ、母ヒサ、姪千佐子が上阪し、尼崎に移り住む。タネはやくざまがいの男と同棲し、老母ヒサをないがしろにしはじめた。ヒサの面倒は房江がみるようになったが、一瞬、目を離した隙に、ヒサは突如、姿を消してしまった。離婚した麻衣子、丸尾千代麿の隠し子とその曾祖母、伊佐男の子を産んだヨネ、城崎で女と子供ばかり五人の奇妙な同居生活がはじまる。新しく、きんつばの製造販売業も起こし、一見、熊吾の事業は順調に展開していくかに見えたのだが……。

著者プロフィール

宮本輝

ミヤモト・テル

1947(昭和22)年、兵庫県神戸市生れ。追手門学院大学文学部卒業。広告代理店勤務等を経て、1977年「泥の河」で太宰治賞を、翌年「螢川」で芥川賞を受賞。その後、結核のため2年ほどの療養生活を送るが、回復後、旺盛な執筆活動をすすめる。『道頓堀川』『錦繍』『青が散る』『流転の海』『優駿』(吉川英治文学賞)『約束の冬』(芸術選奨文部科学大臣賞)『にぎやかな天地』『骸骨ビルの庭』(司馬遼太郎賞)『水のかたち』『田園発 港行き自転車』等著書多数。2010 (平成22)年、紫綬褒章受章。2018年、37年の時を経て「流転の海」シリーズ全九部(毎日芸術賞)を完結させた。

The Teru's Club / 宮本輝公式サイト (外部リンク)

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