
とびだせ! 科学だモン 1─キラキラ! 「光の正体」編─
1,595円(税込)
発売日:2026/09/16
- 書籍
- 電子書籍あり
めざせ科学マスター! 理系脳×読解力が同時に育つ、すごい学習マンガ。
物が見えるってどういうこと? 見えない光があるってホント? 韓国ベストセラーが日本初上陸! 小学生の仲良し3人組が、ズッコケながらも“お騒がせモンスター”に立ち向かう。捕まえるには科学の知識が必要で……事件のナゾを追ううちに「理科の面白さ」に目覚めちゃう。どんな子でもスイスイ読めて理科の基本が身につきます!
はじめに
登場人物紹介
【1】トッポギ屋さんの新しい店主
[ヒミツ研究日誌1]物理って何だろう?
【2】キラキラ! 魔法の鳥が現れた!
[ヒミツ研究日誌2]「見る」ってどういうことだろう?
【3】ゴヌの歯とブキミな地下室
[ヒミツ研究日誌3]目の錯覚とは何だろう?
【4】世界のヒーロー? マ・ドゥシク会長
[ヒミツ研究日誌4]光の種類(1)
【5】サンシャイン病院は大騒ぎ
[ヒミツ研究日誌5]光の種類(2)
【6】光バトを捕まえろ!
[ヒミツ研究日誌6]光の反射と凹面鏡
【7】正体が明らかに
[ヒミツ研究日誌7]光の反射と凸面鏡
物理イデモン図鑑/光
おまけ
2巻予告
書誌情報
| 読み仮名 | トビダセカガクダモン1キラキラヒカリノショウタイヘン |
|---|---|
| 装幀 | bookwall/装幀 |
| 発行形態 | 書籍、電子書籍 |
| 判型 | B5判変型 |
| 頁数 | 160ページ |
| ISBN | 978-4-10-357181-0 |
| C-CODE | 8340 |
| 定価 | 1,595円 |
| 電子書籍 価格 | 1,595円 |
| 電子書籍 配信開始日 | 2026/09/16 |
書評
活字への、はしごをかける本
「うちの子、マンガばかり読んでいて……」
これは、私がオンラインの読書教育サービス「ヨンデミー」を運営するなかで、保護者の方から数多く届くご相談です。活字メインの本に進んでほしい。けれど本人はマンガに夢中。何か働きかけるべきか、そっと見守るべきか。無理に働きかけてしまったら、読書そのものが嫌いになりそうで怖い……そんな心の声が聞こえてくるようです。
世間では「読書離れ」が進んでいると言われて久しいですが、一方で、読まれている冊数自体はここ30年で落ちるどころか増えているという調査結果もあります。だからこそ、私がいつも気になるのは、子どもが本を読んでいるかどうかよりも、いま何を読んでいるのか、のほうです。
話は逸れますが、いくつかの学校で、朝読書の時間を見せていただく機会がありました。先生のお許しを得て、教室の後ろから、一年生から六年生まで、子どもたちの手元を順にのぞかせてもらいました。一、二年生は、意外なほどまちまちです。絵本が多く、一人ひとり違うものを開いている。活字の量も本のジャンルも、いろいろ。ところが、三年生になったあたりから読まれるシリーズがだんだん固定されていきます。そこから六年生まであまり変わりません。もちろん、「読める子」はいます。大人も顔負けの活字本を読んでいる子はどのクラスにも数人いて、ぐんぐん成長していきます。けれども、多くの子の手元にあるのは、文字の少ない学習マンガや、幼年童話の手前くらいの本ばかりです。個々に見れば素晴らしい作品ですが、みんながみんな同じような本を読み、それが4年間も変化がないとなると、少し不安になります。
これは、いわゆる「アフターゾロリ問題」と呼ばれる現象です。「かいけつゾロリ」シリーズ(ポプラ社刊)くらいの本までは、順調に活字の多いものを読めるようになっていくのですが、その後がパタッと途切れてしまう。活字メインの本へ進まないまま、マンガのほうへ流れていくか、そもそも本を手に取らなくなるというケースもしばしば。これは、子どもたちだけの問題ではないでしょう。
こんな時、せめて知識にもつながればと、親御さんが手渡すのが学習マンガ。事実、素晴らしい本がたくさんあります。ただ、正直に申し上げましょう。多くの子は、活字の多い解説ページは読み飛ばしています。一部の子はそこから興味を広げていきますが。それでも「このページは読むところじゃない」という手つきでめくっていく姿を、私は何度も見てきました。マンガと活字には、大きなギャップがあるようです。やはり、いわゆる活字だけの本を読めるようになるまでには、思いのほか高い壁があるのです。
その壁に、マンガのかたちをした「はしご」をかけてくれる一冊が、韓国からやってきました。題名は『とびだせ! 科学だモン 1─キラキラ! 「光の正体」編─』。物理の概念が「イデモン」というモンスターになって騒動を起こす、新しい学習マンガ。本国ではすでに十巻を超え、累計十四万部だそうです。
最大の仕掛けは、マンガと小説の「同居」です。本編のページを開くと、吹き出しつきのイラストと小説の地の文が、ひとつの見開きのなかに並んでいます。しかも巧妙なことに、小説の文章をあまり読まず、絵と吹き出しを追うだけでも、ある程度筋がわかるように作られています。文章を読み飛ばしてもいいの? と思われるでしょうか。いいんです。むしろ最初のハードルは低いほうがいいでしょう。それでもこの本は、マンガと小説が同じページにあるので、自然と活字が目に入りやすい形になっています。
一度目はマンガだけ、二度目は小説も、という読み方もおすすめです。物語の結末を知ってから読み返すと、内容がわかっているぶん、字面を追う負担が軽いからです。大人はつい「それ、もう読んだでしょ」と言いたくなりますが、筋を知ったうえでの再読は、読む力が伸びるまたとない機会。この本には、読み返すたびに登っていける「読解のはしご」がそっと仕込まれているのです(総ルビなのも強調しておきたいところ!)。
そして章末の解説「ヒミツ研究日誌」も素晴らしいです。これは、構成としては学習マンガによくある(あの読み飛ばされがちな)解説ページです。しかし、ここにも工夫が盛り沢山。何しろ、このパートは、物語に登場する博士の研究記録という体裁をとっているのです。しかも、直前の章で起きた事件を取り上げて解説しています。キャラクターとも本文とも地続きなので、「ここは読むところじゃない」という手つきになりにくいのです。
一度目はマンガとして。二度目は小説として。そして、どこかで物理への入り口として。一冊で二度も三度も読める、長くつきあえる本です。「読める」と「読みたい」の壁は、大人が引き上げて登らせるものではなく、子どもが自分のはしごで登っていくもの。「マンガばかり」とため息をつく前に、どうかそっと、この本を置いてみてください。子どもは自分のペースで、はしごを登り始めます。
(ささぬま・そうた 株式会社Yondemy代表取締役)
波 2026年10月号より
単行本刊行時掲載
著者プロフィール
キム・サンウク
キム・サンウク
慶熙大学物理学科教授。芸術を愛し、美術館に足繁く通う「心優しい物理学者」。KAIST (韓国科学技術院)で物理学の博士号を取得し、ドイツのマックス・プランク研究所の研究員、東京大学およびインスブルック大学の客員教授などを歴任した。おもに量子情報科学を研究し、70編以上のSCI論文を発表。
キム・ハヨン
キム・ハヨン
フランスのリヨン第三大学で現代文学を学ぶ。児童向け雑誌『ケットンの遊び場』に長編童話を連載しデビュー。2026年10月現在は、児童・青少年向けの作品を執筆している。著書に童話『小能力者たち』シリーズ、『うんち学校なんてイヤだ!』、青少年向け小説『時を越える家』や 『きみだけが知らない真実』がある。
チョン・スンギュ
チョン・スンギュ
自由な発想を愛するイラストレーター。高麗大学生命科学部卒業後、好きなことを仕事にしようと夢を追って絵を描き始める。釜山のアウトドア・ミッションゲーム「海の上の空中庭園」をはじめ、3つのプロジェクトでテーマに合わせたイラスト制作を担当。
カン・シンチョル
カン・シンチョル
サイエンス・コミュニケーター。自然をぼーっと眺めながら、その深部にある真理を探求することを好み、興味深い話を誰かと分かち合うことに喜びを感じている。2026年10月現在は、劇団「エイリアン工房」で科学と人文学を融合したサイエンス・パフォーマンスの企画を手がける。ソウル大学物理教育学科の博士課程を修了し、博士号取得に向けて研究に励んでいる。
全彩香
ジョン・アヤカ
早稲田大学卒業。延世大学大学院・梨花女子大学通訳翻訳大学院修了。書籍やビジネス文書、ウェブトゥーンなどを手がける翻訳家。


































