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モネ、マネ、ドガ、ルノワール、カイユボット、セザンヌ、そしてゴッホ。愛すべき愚かものたちのセブン・ストーリーズ。

原田マハの印象派物語

原田マハ/著

1,728円(税込)

本の仕様

発売日:2019/06/06

読み仮名 ハラダマハノインショウハモノガタリ
シリーズ名 とんぼの本
装幀 ルーアン美術館で、クロード・モネ《ルーアン大聖堂、扉口とアルバーヌ塔、悪天候》(1894年)を鑑賞中の著者/カバー表、小野祐次/カバー表(撮影)、中村香織/ブックデザイン、新潮社装幀室/カバーデザイン、nakaban/シンボルマーク
雑誌から生まれた本 芸術新潮から生まれた本
発行形態 書籍
判型 B5判変型
頁数 127ページ
ISBN 978-4-10-602288-3
C-CODE 0371
定価 1,728円

光満ちあふれ、幸福な色をたたえる名画誕生の陰には、画家たちの壮絶な闘いのドラマがあった。貧しくても、どん底に落ちても、志高く新しい道を切り拓いていったそのあしあとをたどって、アート小説の名手が紡ぐ、7つの物語。モネの愛したノルマンディーへの旅も。

著者プロフィール

原田マハ ハラダ・マハ

1962年、東京都生まれ。作家。馬里邑美術館、伊藤忠商事を経て、森美術館設立準備室勤務中の2000年、半年間ニューヨーク近代美術館に在籍。その後フリーキュレーターとして独立。2005年に「カフーを待ちわびて」で第1回日本ラブストーリー大賞受賞。2012年に『楽園のカンヴァス』(新潮社)で第25回山本周五郎賞受賞。『ジヴェルニーの食卓』(集英社文庫)、『暗幕のゲルニカ』(新潮文庫)、『モネのあしあと 私の印象派鑑賞術』(幻冬舎新書)、『常設展示室』(新潮社)、『美しき愚かものたちのタブロー』(文藝春秋)ほか著書多数。

目次

グラフ
印象派に出会える場所
美しき愚かものたち――物語の序にかえて 文/原田マハ
愚かものたちのセブン・ストーリーズ 文/原田マハ
Episode-1 Claude Monet モネの物語
何もなかったように モネがまだモネではなかった時代
Biographie de Claude Monet
Episode-2 Berthe Morisot et Edouard Manet ベルト・モリゾとマネの物語
このバルコニーから 女流画家の愛と闘い
Biographie d’Edouard Manet et Berthe Morisot
Episode-3 Mary Cassatt et Edgar Degas メアリー・カサットとドガの物語
永遠の一瞬 波乱の時代を超えて
Biographie d’Edgar Degas et Mary Cassatt
Episode-4 Pierre-Auguste Renoir ルノワールの物語
まぶしい季節 手と絵筆の絆
Biographie de Pierre-Auguste Renoir
Episode-5 Gustave Caillebotte カイユボットの物語
通り雨、天気雨 友へのまなざし
Biographie de Gustave Caillebotte
Episode-6 Paul Cezanne セザンヌの物語
無言のふたり 絵描きとその妻 愛すべき不美人画
Biographie de Paul Cezanne
Episode-7 Vincent van Gogh ゴッホの物語
アイリスの花束を フィンセントとテオ 絵で結ばれた兄弟
Biographie de Vincent van Gogh
ノルマンディー紀行――セーヌを下り、モネ・アトラスを旅する 文/編集部
公開対談 高橋明也×原田マハ
人生でただ一度しかない展覧会

インタビュー/対談/エッセイ

愛すべき愚かものたちのメッセージ

とんぼの本編集室

 今月の新刊は、いつものとんぼの本とはちょっと毛色が異なります。この本は、アート通の作家原田マハさんが印象派絵画を紹介・案内する美術書ではなく、印象派の画家たちについて原田マハさんが紡ぐ7つの物語を収載する「短編集」。『楽園のカンヴァス』に描かれたアンリ・ルソー、『暗幕のゲルニカ』のピカソのように、モネマネルノワールセザンヌゴッホ……印象派の画家たちの秘められたドラマが、マハさんのあの圧倒的な筆力によって、いきいきと綴られているのです。
 印象派といえば、モネの《睡蓮》やドガの踊り子、ルノワールの花の絵に代表されるように、光満ちあふれ、幸福な明るい色をたたえた作品がすぐに思い浮かびます。各地で催される印象派展もひじょうに人気が高い。美しい名画を見て私たちはうっとりするばかりですが、それら名画の誕生の裏には、画家たちのとてつもない闘いが繰り広げられていたのでした。いま見ることのできる印象派の作品の数々は、彼ら画家が生きた証しであり、〈世界でいちばん美しい愚かものたちが、私たちに遺してくれたメッセージ〉(本書より)とマハさんは言います。
 19世紀後半のパリの画壇は、まだまだ保守的なフランス芸術アカデミーに牛耳られていました。アカデミーの気に入る画題や古いルールにのっとって絵を描いて、アカデミーの審査を経た「官展(サロン)」に選ばれなければ、芸術家とさえ呼ばれない。そこに果敢に切り込んでいったのが、のちに「印象派」といわれる彼ら前衛的な画家たちでした。権力にくみせず、誰にも忖度せず、自分たちの好きなように描いた絵を、好きなように展示する。ただそれだけなのに、奇妙きてれつと嗤われ、怒り出され、罵詈雑言を浴びせられました。「自分の印象で描いているだけじゃないか」と批評家から嘲られたことから、「印象派」という言葉が生まれたとは、今となってはなんと皮肉なことでしょう。
 彼らは屈しませんでした。自分の見たまま、感じたまま、好きなように描く。印象を絵にする。それこそが新しい時代を拓く自分たちの使命であると、描いて描いて、前へと突き進んでいったのです。
〈私は、なぜだろう、印象派――と書いただけで、ふいに涙が込み上げてくることがあるんだよ。
 どんなに叩かれても、打ちのめされても、貧しくても、どん底に落ちても、彼らは……そう、彼らは、闘うことをやめなかった。〉(本書、序文より)
「愛すべき愚かものたち」。マハさんは最大の敬意と愛情を込めて彼らをそう呼びます。愚直に、ひたむきに、自分の信じる道を歩いてゆけ――7つの物語を読むと、愛すべき愚かものたちがそっと背中を押してくれるような、そんな気がするのです。

波 2019年7月号より

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