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韓国は裏切る

室谷克実/著

836円(税込)

発売日:2016/04/18

  • 新書
  • 電子書籍あり

「病的反日」は終わらない。ベストセラー『悪韓論』の著者が独善的な「正義感」と「歴史観」の本質を徹底解剖!

「不可逆的」と約束しても、隣国の病的な反日は決して止まらない──。今日も韓国メディアには、日本人には理解しがたい発言と行動の数々が、対日関係に限らずあふれている。なぜ、彼らは独善的な「正義」を叫び、勝手な「正しい歴史認識」を振りかざすのか。法治主義が機能しない社会的病理や、反日を政治利用しつづけてきた歴代大統領の政治手法まで、たしかなデータをもとに、日韓関係の根幹を徹底的に解剖する。

目次
はじめに
序章 ドロ沼に落ちた対日外交
一気に噴き出した外交のツケ/「重要な対日カード」を失ってしまったが/「病的反日」は治癒しない/もしや〈小韓ナチ国〉への道では
第一章 法治主義なき国の「正義」
こんな人が憲法裁判所長だった/金さえあれば兵役逃れも……/韓国型「前官礼遇」/大統領も認めた「有銭無罪」/財閥一家のやりたい放題/一日の労役が五億ウォン!/児島惟謙に百年以上も遅れる/「不可逆的合意とは言ったけど……」
第二章 「正しい歴史認識」という大独善
学習能力のない大統領府/つくられた国民的憤怒に便乗/歴史でスキャンダル封じ/韓国を覆い尽くす「創史」/元閣僚級の人物まで信奉/ウリジナルの始点、ここに在り/あの親日派まで虜に/国定教科書のタイトルは『正しい歴史教科書』
第三章 終わりなき日韓「歴史戦争」
得体の知れぬ団体VANK/ディスカウント・ジャパンの担い手/政権の反日方針を先導/中央官庁と“業務協定”/とにかく日本を貶めよ/悪魔の術語「歴史修正主義」/日帝=ナチズムのレッテル貼り/「ホロコーストの生き残り」という大嘘/「正しい」から反日テーマは次々と
第四章 反日の扇動者たち――盧武鉉・李明博両政権の暴走
韓国紙も「協定は守るべし」と指摘した過去/盧武鉉も告げ口外交家だった/その後、靖国参拝はなかったのに/韓国メディアも皮肉った「まともな精神状態」/プロテスタントも儒教精神で/ジキルがハイドに変わった/憲裁が求めた「努力」とは違う/身辺がやばかった/盧武鉉に似てきた/反日のためなら嘘報道でいい/青瓦台とマスコミの間で何が……/呆れ果てる“捏造加嘘”の弁/日本は議院内閣制で良かった
第五章 女王様と王宮の人々――朴槿恵政権の迷走
「引きこもりの姫」だった/閣僚報告も文書で門番に/政権を操るのは「占い師」のまさか/課長人事にまで介入した大統領/権力闘争の信じがたいドロドロ/ナッツ姫を火炙りにして逃げる/大統領会見は一年に一度だけ/「蒲柳の質」ゆえの虚勢か/「もう終わった」が理解できない人々/今度はMERSが「渡りに船」/私刑の場と化した閣議/「裸の女王様」論が次々と
終章 「好韓/嫌韓」――六百六十六カ月分の世論調査
誰か「昭和三十五年」を覚えているか/「好き」「嫌い」の合計値にも意味がある/なぜ嫌韓派だけが減ったのか/戦後教育世代が成人になって/大事件でも一年で影響が消える/ベトナム参戦で嫌韓派が増加/金大中拉致事件の影響は……/朴正煕銃殺事件でも好嫌は動かず/日本を覆った韓国絶賛本/W杯で好韓が嫌韓を上回る/「歌声喫茶」の例もある/ネットで広まった「生の韓国」/冬ソナよりもK-POPが効果大/対日情報心理戦の成果は着々と/嫌韓派を半世紀前の水準に戻した「ひと夏の乱行」/嫌韓派の実像/反日=愛国=正義
おわりに

書誌情報

読み仮名 カンコクハウラギル
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 240ページ
ISBN 978-4-10-610665-1
C-CODE 0222
整理番号 665
ジャンル 政治、外交・国際関係
定価 836円
電子書籍 価格 836円
電子書籍 配信開始日 2016/06/17

インタビュー/対談/エッセイ

「おかしな国」の根源

室谷克実

「おかしな」――つまり笑ってしまうという意味でも、不可解なという意味でも、韓国が「おかしな国」であることは、今やおおかたの日本人が認識していよう。問題は、なぜそうなのかだ。
 三年前に出版した『悪韓論』(新潮新書)では、その「おかしな国」の病的症状を明示することに重点を置いたが、今回は、そもそもどうして「おかしな国」になったのか、その根源を探った。
 私が見るところ、第一の要因は戦後七十年の反日教育を通じて、大部分の国民がファンタジー歴史観に染まりきっていることだ。
 韓国のファンタジー歴史観は、(1)われわれは五千年の歴史を持ち、かつては中国の中原を支配していた世界一優秀な民族である、(2)未開の倭国にあらゆる文化文明を教えてやったのに、日帝は恩を忘れ半島を蹂躙した。そのため近代史の出発に後れを取った。従って「諸悪の根源は日本」である――と展開される。
 第二の要因は、その日帝が大韓帝国への内政干渉によって崩壊させた身分制度を、戦後になって彼らが事実上復活させてしまったことだ。
 戦後の身分制度は法律には依らないが、李王朝時代の〈両班 ─ 常民 ─ 奴婢〉という世襲身分が、〈財閥一族と番頭たち ─ ホワイトカラー ─ ブルーカラー〉という固定性の強いヒエラルヒーに置き換えられた。支配階級の両班が何をしても咎められなかったように、今日の韓国でも「有銭無罪」という現実がまかり通っている。
 第一の要因は、主として国外に発せられる「告げ口外交」などの背景をなす。一方、第二の要因は、韓国内で起きる「おかしな国」現象に結びつく。「ナッツ姫」事件などは、その典型だ。
 では、「おかしな国」の中心にいて指揮を執っている人々の判断力は“まとも”なのかどうか。二一世紀になってからの大統領である盧武鉉、李明博、朴槿恵の三氏についてとくに検討した。その結果は、本書を見てのお楽しみに。
 また、他書には決してない、本書の「強み」と自負しているのが、「韓国とは日本人にとってどういう国なのか」を、六〇年代から今日まで六百六十六カ月分、半世紀以上に亘る世論調査の数字に基づいて分析していることだ。
 例えば、世間では長らく「嫌韓派=ネトウヨ=低学歴・低収入層」と信じられてきているが、世論調査分析では、むしろ相対的に高学歴・高収入層に「嫌韓派」の比率が高く、逆に低学歴・低収入層に「好韓派」が多いことが裏付けられた。
 そして、日本人にとって韓国が、「事実を知れば知るほど嫌いになる国」であることが、データを通じて浮かび上がってくるのである。六百六十六カ月の世論調査のうち、「嫌韓派」の比率が「好韓派」を下回ったのは、たったの七カ月だった。

(むろたに・かつみ 評論家・元時事通信社ソウル特派員)
波 2016年5月号より

蘊蓄倉庫

嫌韓・好韓の実態

 彼の国について批判すると、その内容の当否を検討することもなく、単に「嫌韓」だと短絡的にレッテルを張って怪気炎を叫ぶ人々がいるのには困ったものです。そして、彼らによれば韓国に批判的な層の中心は、普段の鬱憤を嫌韓で晴らそうとしている若年で低所得の「ネトウヨ(ネット右翼)」に過ぎず、日本社会全体から見ればむしろ異端だと言うのです。
 そんな根拠なき言説がすでに定着してしまっているようですが、本書で著者がこれを明快に否定しています。時事通信社が1960年代から現在まで継続的に毎月行っている「時事月例世論調査」の最近の数字によれば、主要国・周辺国の中から「好きな国・嫌いな国」を問う調査項目で、韓国を「嫌いな国」として挙げた人々の比率が最も高い層は、職業別では「自由業・管理職」、年齢別では「60歳代」と、むしろ高所得で分別があるとみられる層だったのです。逆に、韓国を「好きな国」に挙げるのは、職業別では「労務職」、年齢別では「20歳代」だったとのこと。
 また、同調査開始以来の約半世紀、韓国を「好きな国」とする人の比率が「嫌いな国」とする人の比率を超えたことがあるのは、全666ヶ月の内、たったの7ヶ月しかなかったそうです。
掲載:2016年4月25日

担当編集者のひとこと

彼らの「おかしさ」を探る

『韓国は裏切る』は、『悪韓論』で日本人には知られざる韓国の実態を衝いた、室谷克実氏の最新刊です。『悪韓論』が刊行されたのは三年前。今やレイムダックに陥っている朴槿恵大統領の政権もスタートしたばかりで、まだ韓国の景気も良く、各種の統計数値も伸びていました。そのため、日本の出版界では「韓国に学べ」式の書籍や雑誌記事がむしろ勢いにのっていました。また、日本人の韓国批判には、韓国メディアや日本の左派メディアなどから「極右」「無根拠」「思い込み」「捏造」などいったレッテル張りが行われがちでした。
 しかし室谷氏の、批判・論評の対象とする事象のソース(情報源)の多くを「韓国メディア自身による自国報道」に求めた独自の手法によって、彼らは『悪韓論』が提示した論点に、何ら具体的な反論もできませんでした。そして日本では、「決して学んではいけない」韓国の政治・経済・社会の正体を明らかにしたその冷静な視点が評価され、同書はベストセラーになったのです。
 その後、『●韓論』と題した数々の類書? が世にあふれたのはご愛嬌としても、本書を一つのきっかけにして、常軌を逸した韓国の反日活動などの政治状況、また「セウォル号沈没事件」や「ナッツ姫事件」にあらわれた社会状況など、韓国のある種の「おかしさ」を伝える報道や論評は増大し、今や多くの日本人がこれを知るところとなりました。
 しかし、韓国における反日の形相や、その社会の歪みは知っても、なぜ彼らがここまで執拗なのか、なぜ論理が破たんしても平気で批判を続けるのか、なぜあんなに尊大な言動を続けるのか、とその「おかしさ」の根源には今でも疑問を抱かれることが皆さんにも多いはずです。
 さて、そこで満を持してこのたび刊行するのが、そんな普通の日本人の素朴な「なぜ」に、前著と同様にたしかな根拠とソースをもとにこたえる『韓国は裏切る』です。韓国メディア自身が報じる「おかしな」国情を伝える様々なエピソードをもとに、隣国の政治や社会における歪みの根源を探っていきます。
 そして、その探求のために今回とくに良質なソースとして利用しているのが、著者の古巣でもある時事通信社が、1960年代から現在に至るまで半世紀に亘って毎月実施している「時事月例世論調査」の膨大なデータです。その調査項目には、世界の主要国・日本の周辺国の中から「好きな国・嫌いな国」を問うものがあるのですが、これによって日本人の、いわば「好韓」「嫌韓」の推移が歴史的に浮かび上がります。
 この数値の変動と日韓史をめぐる数々の事件との関係を追っていくだけでも興味深いことばかりです。たとえば、大まかにいって60年代に非常に高かった嫌韓は、70年代、80年代には一定の水準におさまり、一方の好韓は60年代から80年代まで一貫して低かったところ、90年代から00年代にかけて少しづつ上昇し、同時に嫌韓の数字も下がっていたのですが、これが2011年を境に、好韓は急低下、嫌韓は急上昇していきます。
 では、2011年に何があったのか。それは当時の李明博大統領による竹島上陸です。これが、昨今の日韓関係において、決定的なターニングポイントになったことは間違いありません。しかし、なぜその時期に李大統領は竹島上陸を行ったのでしょうか。
 約半世紀・666ヶ月に亘る調査数字の裏に隠れている様々な事実が、冷静な考察から明らかになっていきますが、そこは是非、本書をご覧になってからのお楽しみに願います。

2016/04/25

著者プロフィール

室谷克実

ムロタニ・カツミ

1949(昭和24)年東京都生まれ。評論家。慶應義塾大学法学部卒。時事通信社で、政治部記者、ソウル特派員、宇都宮支局長、「時事解説」編集長などを歴任。2009年より評論活動に入り、著書に『悪韓論』『呆韓論』『日韓がタブーにする半島の歴史』などがある。

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