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ニンジンサラダ・オオスズメバチのせ。「おい、虫入ってるぞ!」「いえ、メインです」。究極のグルメ、昆虫食の世界。

昆虫は美味い!

内山昭一/著

821円(税込)

本の仕様

発売日:2019/01/17

読み仮名 コンチュウハウマイ
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 216ページ
ISBN 978-4-10-610798-6
C-CODE 0245
整理番号 798
ジャンル 生物・バイオテクノロジー
定価 821円
電子書籍 価格 821円
電子書籍 配信開始日 2019/01/25

カミキリムシの幼虫はマグロのトロ、バッタはエビ、オオスズメバチの前蛹はフグの白子、ハチの子はウナギ――食材として昆虫を採って、調理して、食べること二十年、昆虫食の第一人者は、その美味しさをこう喩え、こう訴えるのだ。「昆虫が食べ物と認識された瞬間から世界が変わって見えるようになる」と。調理法、注意点、そして食糧難の解決策としての意義まで、人類が知っておくべき昆虫食のすべてがここに。

著者プロフィール

内山昭一 ウチヤマ・ショウイチ

1950(昭和25)年、長野県生まれ。昆虫料理研究家、昆虫料理研究会代表。NPO法人食用昆虫科学研究会理事。著書に『楽しい昆虫料理』『昆虫食入門』『昆虫を食べてわかったこと』、『人生が変わる!特選 昆虫料理50』(共著)、『食べられる虫ハンドブック』(監修)等。

目次

はじめに
安心して昆虫食を楽しむために
第1部 昆虫を味わう
1 東京郊外でザザムシを喰らう
2 カイコは味も糸を引く
3 フタホシコオロギ味比べ
4 クツワムシの鳴き声はうるさいが、味は優しい
5 ウナギ不足はハチの子で解決
6 カブトムシはなぜ不味いのか
7 カミキリムシの幼虫は、マグロのトロの味
8 ジョロウグモはチョコの味? 枝豆の味?
9 トノサマバッタの脚は美味いが、食べると危険
10 アブラゼミとクマゼミは、食感も味も大違い
11 カメムシは本当にパクチーの香りがするか?
12 聖書でバッタ食はなぜ許されているのか
13 カマキリは卵がうまい
14 ハキリアリはハタラキモノだ!
15 バッタはなぜ、エビの味がするのか
16 オオスズメバチ前蛹は、フグの白子の味がする
17 サクラケムシの糞茶は、上品な桜の香り
18 オオゴキブリは美味しい
19 なぜヘビトンボの幼虫が「孫太郎虫」になったのか
20 タイワンタガメの雄は、ラフランスの香りで雌を呼ぶ
21 マダガスカルゴキブリの雄は、「シューッ」と鳴いて雌を口説く
22 クリムシは本当に栗の味がするか
23 アメンボはやっぱり甘かった
24 イナゴで稼ぐ
25 イナゴンピックで田んぼを守る
26 セミを食用に採ることを禁ず
第2部 古今東西、そして未来の昆虫食
1 人類発祥とともにあった昆虫食文化
昆虫は七〇〇万年前から人類の日常食/自然と文化の融合の中で/明治の西欧化と昆虫食の衰退/“食べず嫌い”は雑食動物の証/昆虫を学校給食に/欧米と日本の昆虫観と昆虫食の違いはなぜ生じるのか/和食文化と昆虫食
2 世界では二〇〇〇種類近くの昆虫が食べられている
カゲロウ、アタマジラミ、ハエ……世界は昆虫を食べてきた
3 今なぜ昆虫食が注目されているのか
国連食糧農業機関(FAO)が昆虫食を推奨/宇宙食としての昆虫/サバイバル食としての昆虫
4 昆虫食の明日
小学校の授業でバッタ採り/「ムシテックワールド」での昆虫食デザインの試み/自由研究のテーマに「昆虫食」/いま信州は高校生が熱い
おわりに
主要参考文献等

インタビュー/対談/エッセイ

食わず嫌いは損だ!

内山昭一

「昆虫はばい菌の塊。見ただけで虫唾が走る」という日本人のなんと多いことか。
 ちなみに「虫唾」とは胃の中の寄生虫が出す唾液という説と、酸っぱい液を出すので「虫酸」という説があるが、どちらも間違い。強い酸性の消化液のなかで棲める虫などいない。
 嫌わないまでも、ボーっと生きてると、もとい食べなければ気付かない、実は美味しい虫たちを紹介したい。
・トノサマバッタ【成虫】:大きいので食べごたえがある。飛翔能力が高く、捕るのも楽しい。揚げるとピンクに染まり見た目にも食べやすい。エビ・カニに近い食感。
・タイワンタガメ【成虫、オス】:強面に似ず優しい洋ナシの匂いがする。この匂いはオスが発するフェロモンで、果実やハーブなどに含まれる人にとってリラックス効果のある天然成分。
・モンクロシャチホコ【幼虫】(通称=サクラケムシ):毛虫という外見からは想像できない上品な桜の葉の香りに誰もが驚かされる。旨みも濃い。
・セミ【幼虫】:肉厚で歯ごたえ満点。ナッツ味。燻製もオススメ。
・クロスズメバチ【幼虫・蛹】:小粒ながら旨みが強く、甘辛く煮てご飯に混ぜると、うなぎ丼の風味。長野や岐阜、愛知の伝統食。
・オオスズメバチ【前蛹】:しゃぶしゃぶ風にさっとゆがいてポン酢でいただく。旨みが濃厚で、鶏肉や豆腐に似た風味。繭を作った直後の前蛹が一番旨いとされ、「フグの白子以上」と賞賛される。
・カミキリムシ【幼虫】:直火で焼くと皮はパリパリで中身はトロリと甘い。コクがありクリーミーなバターの食感。マグロのトロの味にたとえられる。ファーブルも絶賛。
 同じ種類の昆虫でも与える餌によって味が違ってくる。徳島大学で飼育されている食用のフタホシコオロギは、収穫する十日前からそれまで与えていた混合飼料から、徳島産の干ししいたけ、ごま、さつまいも、すだち、大豆などに切り替える。その結果うま味と香りが数倍強くなる。与える餌によってこれほど違うなら、例えば青森ならリンゴ味とか、栃木ならイチゴ味とか、産地によって違う味の美味しいコオロギを楽しめるかもしれない。
 地球は「虫の惑星」と呼ばれるくらい昆虫の種類が多い。都会でも少し郊外へ行けば美味しい昆虫に出会えるし、ましてや地方では都会で住めなくなった虫たちを見つけることができる。私も熊本でクツワムシに出会って狂喜乱舞し、さっそくゆでて塩をふって草食昆虫の優しい味に舌鼓を打った。昆虫は採れたてに限る。冷凍物とは断然ちがう。昆虫を食べることで「食」の多様性を実感できる。昆虫を美味しく食べる秘訣を詰め込んだ本書を片手に、あなたも旬のセミやバッタの味を堪能してみてはいかがでしょうか。

(うちやま・しょういち 昆虫料理研究家)
波 2019年2月号より

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担当編集者のひとこと

「害虫か、益虫か、食材か」

 ベランダで育てていた姫リンゴの木が枯れてしまいました。毎年、花が咲くのを楽しみにしていたのに、と残念に思いながら、植木鉢の始末をしていた時のこと。引き抜いた根っこ部分に、まるまると太った白い芋虫みたいな幼虫が何匹もいたのです。それを見た時、瞬間的に「美味しそう」と思ったのには自分でも驚きました。昆虫食に興味を持った始まりでした。
 著者の内山さんにお話したら「良い勘をしていますね。それはおそらくカミキリムシの幼虫で、照り焼きにすると、すごく美味しいんです」とのこと。食べるものによって、その虫の味が決まることが多いそうなので、あの白い虫たちは、ひょっとしたらほんのりリンゴの味がしたのかもしれません。
 虫というと、害虫か、益虫かといった観点からのみ語られがちですが、古今東西を見渡せば、貴重なタンパク源としての「食材」という見方があるのは、実はごく当たり前のこと。そして「採って食べる」という、昔の人にとっては日常的だったその行為が、愉しみを伴うことに気付かされました。
 ただし自然が相手ですから、必ず火を通すこと、毒虫には決して近寄らないこと、甲殻アレルギーの方は少量で様子を見ること、といった注意点は多々あります。詳しくは本書をご参考になさって下さい。
 身近な食材として昆虫を認識し出した時から、世界が違って見えてくることでしょう。

2019/01/25

蘊蓄倉庫

「カブトムシは不味い!」

 子供たちに大人気のカブトムシ。幼虫も白くて丸々と太っていて、さぞや……と思いますが、著者の内山さんによると「とても不味い」とのこと。幼虫は腐葉土を食べて育つので、どう調理してもそのニオイがとれず、樹液や腐った果物を食べる成虫になっても、その臭みが残るのだとか。ただしタイのヒメカブトムシは、ココヤシにつくので、日本のそれに比べるとはるかに食べやすいそうです。
 一方で、雑菌やウィルスだらけの腐葉土や堆肥の中で育つカブトムシの幼虫は、体内で強力な抗菌性タンパク質を作り出して身を守っているため、その殺菌効果が感染症の特効薬として期待されてもいるそう。
 カブトムシも、かっこいいだけじゃないんですね。

掲載:2019年1月25日

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