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今月の表紙は、藤原正彦青年と父親の新田次郎さん。

波 2019年2月号

(毎月27日発売)

102円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2019/01/28

発売日 2019/01/28
JANコード 4910068230294
価格 102円(税込)
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阿川佐和子/やっぱり残るは食欲 第17回
【町屋良平『1R1分34秒』芥川賞受賞】
田之岡 条/ボクシングという螺旋
藤原正彦『国家と教養』(新潮新書)
小川洋子/羅針盤としての教養

ソナーリ・デラニヤガラ/著、佐藤澄子/訳『波』(新潮クレスト・ブックス)
大竹昭子/トラウマ体験と和解していく過程

【『十字軍物語』文庫版完結記念】
塩野七生/読者との対話

四方田犬彦『すべての鳥を放つ』
野崎 歓/神話的ともいうべき想像力

鴻池留衣『ジャップ・ン・ロール・ヒーロー』
小山太一/オリジナルなきコピーの無限増殖

近藤雄生『吃音―伝えられないもどかしさ―』
重松 清/理解されない苦しさ、を理解するために。

中江有里『残りものには、過去がある』
神谷達生/新しいかたちの結婚

結城真一郎『名もなき星の哀歌』
吉野 仁/詩情あふれる唯一無二の青春ミステリー
宮川サトシ『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。(新装版)』
[対談]宮川サトシ×山里亮太/しくじりさえ褒めてくれる、僕らの最愛の人
更科 功『進化論はいかに進化したか』(新潮選書)
佐倉 統/目からウロコが17枚ぐらいはがれた快著

橘 玲『もっと言ってはいけない』(新潮新書)
山口真由/人をひきつけるタブーの本質

三浦瑠麗『21世紀の戦争と平和―徴兵制はなぜ再び必要とされているのか―』
渡辺 靖/『永遠平和のために』と徴兵制

池谷裕二、中村うさぎ『脳はみんな病んでいる』
星野概念/脳は不完全だから可愛い
福田ますみ『モンスターマザー―長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い―』(新潮文庫)
[対談]福田ますみ×佐々木健一/嘘と冤罪のあいだ

国分 拓『ノモレ』
[対談]国分 拓×角幡唯介/「真実の領域」まで旅する

小池真理子『モンローが死んだ日』(新潮文庫)
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【今月の新潮文庫】
武田綾乃『君と漕ぐ―ながとろ高校カヌー部―』(新潮文庫nex)
武田綾乃/水しぶき感じる“カヌー小説”の誕生!
【コラム】
原田マハ、川内倫子、都築響一、鹿島 茂、隅 研吾/著、芸術新潮編集部/編『思わぬ出会いに心ときめく パリの小さな美術館』
とんぼの本編集室/居心地良い場所へ

とんぼの本編集室だより
三枝昂之・小澤 實/掌のうた

内山昭一『昆虫は美味い!』(新潮新書)
内山昭一/食わず嫌いは損だ!
【新連載】
曽野綾子/人間の義務について
【連載】
ブレイディみかこ/ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 第14回
保阪正康/昭和史の陰影 第2回
土井善晴/おいしく、生きる。 第4回
古市憲寿/ニッポン全史 第3回
瀧井朝世/サイン、コサイン、偏愛レビュー 第107回
大塚ひかり/女系図でみる日本争乱史 第7回
伊藤比呂美/URASHIMA 第9回
はらだみずき/やがて訪れる春のために 第2回
川本三郎/荷風の昭和 第9回
編輯後記 新潮社の新刊案内 編集長から

立ち読み

編集長から

今月の表紙は、藤原正彦青年と父親の新田次郎さん。

◎表紙の写真は藤原正彦青年と父親の新田次郎さん。撮影はお母様の藤原ていさん?
◎この青年がやがて数学者となり、また『若き数学者のアメリカ』(77年、新潮文庫)以来、現在ベストセラーになっている『国家と教養』(新潮新書)まで、文章家としても名を馳せてきたのはご承知の通りです。父と息子二代にわたる文学者には斎藤茂吉北杜夫さんがいますが、あの二人(共に医師)同様、こちらも揃って〈二足の草鞋〉を履いた作家(新田さんは富士山レーダーを建設した気象庁職員・気象学者でした)。
◎北さんが六十代になって茂吉の評伝を書いたように、藤原さんも六十代で父親の遺作『孤愁 サウダーデ』(文春文庫)を書き継ぎ完成させました。そして北さんが茂吉から詩情とユーモアを譲られたとすれば、藤原さんには新田さんの熱気と直情という血が濃厚に流れているように見えます。『孤愁』後半、この息子が執筆した部分になると、手練れの作家である父へ迫ろうという熱情が伝わって、と胸をつかれました。
◎全然違う話。「波」の表紙といえば作家の筆跡ですが、水茎の跡を好むのは国民性かもしれなくて、赤瀬川原平さんが「日本人が印象派を好きなのは、書と同じで、筆の勢いやかすれとかが絵に残っているからじゃないかな」と言っていたこともありました。作家の直筆原稿が文学展などで珍重されるのは作品の生成過程がわかるからだけれど、右の国民性も大きい……そんなことを思いながら『小説は書き直される 創作のバックヤード』(日本近代文学館編、秀明大学出版会)という、文豪たちの生々しい直しが入った原稿やゲラ、草稿やメモの写真を多数収めた、刺激的な新刊本を眺めています。
▽次号の刊行は二月二十七日です。

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雑誌から生まれた本

波とは?

1967(昭和42)年1月、わずか24頁、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後といった時代でした。この後、1969年に隔月刊に、1972年3月号からは、毎月刊行の月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしました。

 創刊号の目次を見てみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行した北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイ。続く「最近の一冊」では、小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイ。続いて「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 以来41年、2007(平成19)年6月号で通巻450号を迎えました。読書情報誌としての重要な役割の情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。小川国夫『青銅時代』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、遠藤周作『イエスの生涯』(「聖書物語」を改題)、小林信彦『ちはやふる奥の細道』『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』などなど。

 2007年1月号からはレイアウトもリニューアル、頁数も増え128頁となりました。これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みで、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。