誰の味方でもありません
880円(税込)
発売日:2019/04/17
- 新書
- 電子書籍あり
なんでそんなに怒るの? 「正義の暴走」に投じる一石!
炎上したいわけではない。でも、つい言いたくなる。みんなが当然のように信じている価値観や正論って、本当にただしいのだろうか、と。いつの時代も結局見た目が9割だし、観光名所はインスタの写真に勝てないし、血がつながっているから家族を愛せるわけじゃない。“目から鱗”の指摘から独自のライフハックまで、メディアや小説など多方面で活躍する著者が「誰の味方でもない」独自の視点を提示する。
書誌情報
読み仮名 | ダレノミカタデモアリマセン |
---|---|
シリーズ名 | 新潮新書 |
装幀 | 新潮社装幀室/デザイン |
雑誌から生まれた本 | 週刊新潮から生まれた本 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 256ページ |
ISBN | 978-4-10-610810-5 |
C-CODE | 0236 |
整理番号 | 810 |
ジャンル | 社会学 |
定価 | 880円 |
電子書籍 価格 | 880円 |
電子書籍 配信開始日 | 2019/04/26 |
蘊蓄倉庫
嫌な人への対処法
『誰の味方でもありません』というタイトル通り、「味方」や「敵」を区別するのではなく、誰とでもフラットに付き合うことを信条(?)としている古市憲寿さん。だけど、どうしても「嫌な人」「苦手な人」っていますよね。そういう時にどうすればよいか。
本書にならうと、まずは、「『嫌な人』とは『会わない』のが一番だと思う。『嫌な人』がある日、自分にとって素敵な人物に変身しているなんてことは、まずあり得ない」とのこと。
たしかにそうですが、職場や学校など、そうもいかないこともあるでしょう。そういう時は、「『嫌な人』をサンプルと思えばいい。要は調査対象ということだ」。実際、古市さんはこのやり方で、苦手な人物が同席していても、心身穏やかに乗り切っているそうです。すぐに実践できそうなこの方法、明日から心掛けてみるのはいかがでしょうか。
掲載:2019年4月25日
担当編集者のひとこと
フェアであること
「新潮45」という月刊誌の編集部にいた頃、『絶望の国の幸福な若者たち』という本がとても面白かったので、著者に会いに行きました。
当時、私はおじさん=ベテラン部員ばかりの編集部に新人として配属されたばかり。経験不足、知識不足な上に、そこで交わされる言説には正直言ってほとんどピンと来ず、どうしていいか途方に暮れている状態でした。
そんな中、『絶望~』を読んで、本当に救われた思いがしたものです。自分の状況を代弁してくれているというだけでなく、「近い世代で、こんなにフェアに、面白いことを書く人がいるんだ!」というのがとても嬉しかった。悲観論にも感情論にも陥らず、冷静に客観的事実を見つめて書かれたその本は、だからこそ、同世代だけでなく、どんな立場の人にも「届く」はずだと確信できるものでした(実際、その後古市さんにいただいた原稿を通して、上の世代の人とも話が捗るようになりました)。
それから早8年。古市さんの姿勢はずっと一貫されているように思います。
一見奇抜で、時には暴論のように見えても、その根幹は常にフェアであること。誰もが当たり前だと思っている正論や綺麗事を疑い、そこに潜む恐ろしさをも突くこと。
そんな古市さんの文章は、読むたびに目から鱗、あるいは膝を打つことの連続で、今回も、編集作業をしながらかなり楽しんでしまいました。多くの人に、このフェアな面白さが届きますように。
2019/04/25
イベント/書店情報
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著者プロフィール
古市憲寿
フルイチ・ノリトシ
1985(昭和60)年東京都生まれ。社会学者、作家。『ヒノマル』『正義の味方が苦手です』『謎とき 世界の宗教・神話』など、著作多数。