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[山崎ナオコーラ『男と点と線』刊行記念対談]

波 2009年5月号

(毎月27日発売)

105円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2009/04/27

発売日 2009/04/27
JANコード 4910068230591
定価 105円(税込)

[山崎ナオコーラ『男と点と線』刊行記念対談]
中村文則×山崎ナオコーラ/鳥みたいに軽やかで、ポップ

太宰 治『地図―初期作品集―』(新潮文庫)
重松 清/「資料」から「新作」へ

大島真寿美『三人姉妹』
大田垣晴子/姉妹だから、大丈夫

稲葉真弓『海松』
日和聡子/土地との交歓により生まれた作品集

沢村 凜『脇役スタンド・バイ・ミー』
大森 望/驚きの大技が胸に残す余韻

西條奈加『恋細工』
【インタビュー】西條奈加/職人ものは難しい、でもそれ以上に……

ピーター・キャメロン『最終目的地』(新潮クレスト・ブックス)
鈴木淳史/優雅でポリフォニックな長篇小説

佐藤嘉尚『人を惚れさせる男―吉行淳之介伝―』
西木正明/型破りの評伝

末木文美士『仏典をよむ―死からはじまる仏教史―』
橋本麻里/私(たち)は本当の「仏教」を知らない

斎藤 環『関係の化学としての文学』
前田 塁/小説の禁欲的な「愛しかた」

今野 浩『すべて僕に任せてください―東工大モーレツ天才助教授の悲劇―』
養老孟司/モーレツの時代

赤木明登『美しいこと』
山口信博/美しいもの、そして、こと

太田和彦・選『太田和彦の今夜は家呑み』
山同敦子/居酒屋作家の家呑み作法読本である

長山靖生『テロとユートピア―五・一五事件と橘孝三郎―』(新潮選書)
佐野眞一/不可解な判決と不気味な符合

「室内」編集部『住まいと暮らしの質問室』(新潮選書)
五味太郎/マニアックな読者の「質問室」

[「新潮新書」創刊六周年記念対談]
五木寛之×田勢康弘/新書という「覚悟」

コラム
三橋曉の海外エンタ三つ巴
「考える人」─吉田秀和さんと堀江敏幸さん
とんぼの本編集部通信

連載
群ようこ/ぎっちょんちょん 第5回
中島義道/ヒトラーのウィーン 第6回
宮城谷昌光/古城の風景 第71回 浦賀城
花村萬月/百万遍 流転旋転 第29回
松本健一/三島由紀夫と司馬遼太郎 第8回
池田清彦/生物38億年 進化の旅 第6回
新野剛志/中野トリップスター 第1話(2)
小泉武夫/男精食のすすめ 性愛の妙技、妙法
田牧大和/三人小町の恋 ふたり拝み屋手控帖 第10回

編集室だより 新潮社の新刊案内 編集長から

編集長から

◇今月の表紙の筆蹟は、今年生誕百年を迎えた故松本清張氏。先月号のこの頁でもお知らせしたように、四月三〇日より、浅田次郎、海堂尊、原武史、佐藤優、宮部みゆき、桐野夏生の人気作家、実力派学者六人による特別アンソロジー『松本清張傑作選』(全六巻)が順次刊行されます。詳しくは中綴じ広告を御覧ください。
 生誕百年を迎え、数多く清張作品の映像化、舞台化が決まっています。まずテレビでは、「駅路」(新潮文庫『駅路 傑作短編集〔六〕』)が放映され、『夜光の階段』(新潮文庫)が、藤木直人、木村佳乃、荻野目慶子、室井滋、夏川結衣、小林稔侍らの出演で、四月二三日よりテレビ朝日系で放映されています。また、あの名作『ゼロの焦点』(新潮文庫)も、今秋、広末涼子、中谷美紀、木村多江、西島秀俊らの出演で映画公開(東宝配給)が予定され、明治座では、四月二九日より、『黒革の手帖』(新潮文庫)が、米倉涼子、永井大、萬田久子、横山めぐみらの出演で上演されます。
 同じく今年生誕百年を迎えた太宰治。新潮ムック「人間失格ではない太宰治」を発売しました。太宰治は、爆笑問題の太田光さんが敬愛する作家。太田さんが選んだ短編一一篇を収録し、これらの作品になぜ惹かれているのか、その思いのたけを語っていただきました。また小説も続々映画化されます。これらの映画に出演する、松たか子さん、佐藤江梨子さん、川上未映子さんらの太宰を愛する理由も必読です。演技をする上でどう作品と対峙したのか(「斜陽」〔カエルカフェ配給・六月公開予定、出演・佐藤江梨子〕、「ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~」〔東宝配給・一〇月公開予定、出演・松たか子〕、「パンドラの匣」〔東京テアトル配給・一〇月公開予定、出演・川上未映子〕)。その他にも、海の向こうで太宰を愛読していた、バリー・ユアグローのオマージュ小説特別寄稿など、読み応えたっぷりのムックです。

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

波とは?

 1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。

 創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。

 現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
 これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。