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[谷川俊太郎『トロムソコラージュ』刊行記念インタビュー]

波 2009年6月号

(毎月27日発売)

105円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2009/05/27

発売日 2009/05/27
JANコード 4910068230690
定価 105円(税込)

[谷川俊太郎『トロムソコラージュ』刊行記念インタビュー]
谷川俊太郎(聞き手・山田 馨)/詩と物語の出会い

道尾秀介『龍神の雨』
瀧井朝世/心の裏切りに対峙する子供たち

東 直子『薬屋のタバサ』
藤田香織/眠れない夜に効く、とっておきの「薬」

ジェフリー・アーチャー『誇りと復讐(上・下)』(新潮文庫)
山本一力/命がけの圧倒的な物語

[馳 星周『煉獄の使徒(上・下)』刊行記念インタビュー]
馳 星周/暴走するケダモノの美しさ

安藤礼二『霊獣―「死者の書」完結篇―』
久間十義/「死者の書 続篇」を読解する果敢な試み

湯川 豊『須賀敦子を読む』
堀江敏幸/読むことが、愛すること。

ビートたけし『漫才』
水道橋博士・玉袋筋太郎/日記にして、自伝にして、企画書にして、本音

本岡 類『介護現場は、なぜ辛いのか―特養老人ホームの終わらない日常―』
堀田 力/現場で働いて見えてくること

羽生善治+柳瀬尚紀『勝ち続ける力』
北浜健介/驚愕の言葉の連続

『日本鉄道旅行地図帳』全十二号+『増結 乗りつぶしノート』(新潮「旅」ムック)
【対談】今尾恵介×白砂昭義/ありそうでなかった、「正縮尺」の鉄道地図

松本清張『松本清張傑作選 時刻表を殺意が走る―原武史オリジナルセレクション―』
香山二三郎/『時刻表を殺意が走る』の“鉄道感度”

子安大輔『「お通し」はなぜ必ず出るのか―ビジネスは飲食店に学べ―』(新潮新書)
子安大輔/勝ちに不思議の勝ちなし

新潮選書フェア
内田 樹/「選書のススメ」
[片田珠美『無差別殺人の精神分析』著者特別インタビュー]
片田珠美(聞き手・重松 清)/人を生かすのも殺すのも、言葉
新刊書評/西川 恵・永野 潔・池田清彦

コラム
とんぼの本編集部通信
三橋曉の海外エンタ三つ巴

連載
群ようこ/ぎっちょんちょん 第6回
松本健一/三島由紀夫と司馬遼太郎 第9回
小泉武夫/男精食のすすめ 黄帝たちと性欲活性素
宮城谷昌光/古城の風景 第72回 新井城
花村萬月/百万遍 流転旋転 第30回
中島義道/ヒトラーのウィーン 第7回
新野剛志/中野トリップスター 第1話(3)
池田清彦/生物38億年 進化の旅 第7回
田牧大和/三人小町の恋 ふたり拝み屋手控帖 第11回

第二十二回三島由紀夫賞・山本周五郎賞決定発表

編集室だより 新潮社の新刊案内 編集長から

編集長から

◇今月の表紙の筆蹟は、五月二十九日に新しい詩集『トロムソコラージュ』を刊行する谷川俊太郎氏。谷川氏は、一九三一(昭和六)年東京生れ。一九五二年「文學界」に詩を発表して注目を集め、処女詩集『二十億光年の孤独』を刊行、みずみずしい感性が高い評価を得ました。以降、現在まで数多くの詩集、エッセイ集、絵本、童話、翻訳書があり、脚本、作詞、写真集、ビデオなども多数手がけ、その詩は海外でも広く支持されています。
 タイトルのトロムソとはノルウェー北部の都市の名前。夜になるとオーロラが現れ、「北欧のパリ」と呼ばれる北極圏のこの街で、表題作の長編詩は書かれました。写真も谷川氏がこの街を撮影したもので、詩集にはさらに多くの美しい写真がカラーで収録されています。
◇二十二頁でお知らせ致しましたように、第二十二回三島由紀夫賞第二十二回山本周五郎賞(主催・新潮文芸振興会)の受賞作が決定しました。
 三島由紀夫賞は、前田司郎氏の『夏の水の半魚人』(扶桑社)、山本周五郎賞は、白石一文氏の『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』(講談社)です。
 三島賞、山本賞の選考結果と各選考委員の選評は、三島賞は「新潮」七月号誌上(六月六日発売)に、山本賞は「小説新潮」七月号誌上(六月二十二日発売)にそれぞれ掲載されます。詳しくはそちらをご覧ください。
 また、審査の対象を短篇小説とし、その年度における最も完成度の高い作品に授賞する第三十五回川端康成文学賞(主催・川端康成記念会/協力・新潮社)が、青山七恵氏の「かけら」(「新潮」平成二十年十一月号)に決定しました。詳しい選評などは、ただいま発売中の「新潮」六月号に掲載されています。
◇村上春樹氏の書下ろし小説『1Q84』(全二冊)が五月二十九日に発売されます。ご期待ください。

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

波とは?

 1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。

 創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。

 現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
 これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。