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【橋本 治『巡礼』刊行記念インタビュー】男はなぜ、ゴミ屋敷の主になったのか?

波 2009年9月号

(毎月27日発売)

105円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2009/08/27

発売日 2009/08/27
JANコード 4910068230997
定価 105円(税込)

【橋本 治『巡礼』刊行記念インタビュー】男はなぜ、ゴミ屋敷の主になったのか?

荻原 浩『オイアウエ漂流記』
瀧井朝世/人って、生きていけるんだ!

志水辰夫『つばくろ越え』
吉野 仁/憎たらしいほど見事な書きっぷり

樋口毅宏『さらば雑司ヶ谷』
町山智浩/シリアスか洒落なのか、「読ませる力」

【帚木蓬生『水神』刊行記念インタビュー】水を望み、水に泣いた百姓たちの魂の叫び

吉本由美『キミに会いたい―動物園と水族館をめぐる旅―』
村上春樹/動物園のツウ

篠原 匡『腹八分の資本主義―日本の未来はここにある!―』(新潮新書)
篠原 匡/「小僧記者」が正面から考えた「この国のゆくえ」

犬走文彦『反経済学講座』
副島隆彦/日本で一番分かりやすい金融・経済理論の解説書

本上まなみ『はじめての麦わら帽子』
【著者インタビュー】本上まなみ/小さい人への思いを込めて

徳永 進『野の花ホスピスだより』
徳永 進/二十三時間、いつでも診ます――著者とのQ&A

清水政彦『零式艦上戦闘機』(新潮選書)
戸高一成/零戦とはどんな飛行機だったのかを改めて考える

竹内修司『創られた「東京裁判」』(新潮選書)
保阪正康/不可視の部分を原資料で検証

藤山新太郎『手妻のはなし―失われた日本の奇術―』(新潮選書)
林 えり子/演じ手自らが描いた絶滅寸前の伝統芸能

NHKスペシャル取材班『グーグル革命の衝撃』(新潮文庫)
堀江貴文/彼らの野望はまだ続く

星野道夫『カリブー―極北の旅人―』
池澤夏樹/遠くに山が見える雪原で

コラム
香山二三郎/憑かれることに貪欲な作家
三橋曉の海外エンタ三つ巴
とんぼの本編集部通信

連載
新野剛志/中野トリップスター 第2話(1)
中島義道/ヒトラーのウィーン 第10回
宮城谷昌光/古城の風景 第75回 富貴城
松本健一/三島由紀夫と司馬遼太郎 第12回
花村萬月/百万遍 流転旋転 第33回
群ようこ/ぎっちょんちょん 第9回
池田清彦/生物38億年 進化の旅 第10回
小泉武夫/男精食のすすめ 動物のペニスは効くか
田牧大和/三人小町の恋 ふたり拝み屋手控帖 第14回

編集室だより 新潮社の新刊案内 編集長から

編集長から

◇今月の表紙の筆跡は、待望の長編小説『オイアウエ漂流記』が刊行された荻原浩氏。
 乗り合わせた飛行機が遭難し、ポリネシアの無人島に流れ着いたのは、接待出張の会社員とその上司たち、スポンサー企業の御曹司、ハネムーンの新婚カップル、小学生とそのじっちゃん、そして怪しいガイジンと犬一匹。南海の孤島での、十人と一匹の火なし、家なし、食べ物なしのサバイバル生活はいつまで続くのか……。「オトナのための漂流記」は如何でしょうか。
◇この七月二十九日、第二十一回日本ファンタジーノベル大賞(主催/読売新聞東京本社・清水建設 後援/新潮社)の受賞作が決定しました。応募総数六五二編から勝ち残ったいずれも力作揃いの最終候補作五編の中から、荒俣宏、井上ひさし、小谷真理、椎名誠、鈴木光司の選考委員各氏が選んだのは、遠田潤子「月桃夜」と小田雅久仁「増大派に告ぐ」の二作。第六回の池上永一『バガージマヌパナス』、銀林みのる『鉄塔 武蔵野線』以来二度目の二作品大賞受賞となりました。受賞者の略歴、選評、受賞二作の抜粋などは、ただいま発売中の小説新潮九月号に掲載されています。詳しくはそちらをご覧ください。
 これまでの二十回の日本ファンタジーノベル大賞の大賞受賞者は、第一回の酒見賢一氏から佐藤亜紀、佐藤哲也、池上永一、銀林みのる、井村恭一、山之口洋、宇月原晴明、粕谷知世、西崎憲、森見登美彦、平山瑞穂、西條奈加、仁木英之、弘也英明、中村弦の各氏までの十六名。優秀賞受賞者は、第二回の鈴木光司氏や第十三回の畠中恵氏など二十二名を数えます。今回これら三十八名の作家に二名の新たな才能が加わりました。
 今、最も旬な作家を生み出し続けている日本ファンタジーノベル大賞。遠田潤子「月桃夜」と小田雅久仁「増大派に告ぐ」大賞受賞作二編の刊行は十一月中旬の予定です。単行本刊行まで、今しばらくお待ちください。

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

波とは?

 1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。

 創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。

 現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
 これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。