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[塩野七生「十字軍物語」シリーズ刊行記念インタビュー]

波 2010年8月号

(毎月27日発売)

105円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2010/07/27

発売日 2010/07/27
JANコード 4910068230805
定価 105円(税込)

[塩野七生「十字軍物語」シリーズ刊行記念インタビュー]
塩野七生/「千年の眠り」から男たちを呼び覚ます

橋本 治『リア家の人々』
高橋源一郎/人間ではなく

佐江衆一『昭和質店の客』
澤地久枝/貧しさと流血と
[「守り人」「しゃばけ」2大シリーズ刊行記念対談]
上橋菜穂子×畠中 恵/世界を訪れ、物語を追いかける

窪 美澄『ふがいない僕は空を見た』
藤田香織/期待大! 「読ませる」44歳の新人・窪美澄誕生!

阿刀田 高『闇彦』
【インタビュー】阿刀田 高/〈闇彦〉の血、そして物語の誕生

ウェルズ・タワー『奪い尽くされ、焼き尽くされ』(新潮クレスト・ブックス)
青山 南/ブルースすら生まれない、とほうもない荒涼

孔 枝泳『楽しい私の家』
小倉紀蔵/愛を語る「母さん」

加藤幸子『〈島〉に戦争が来た』
加藤幸子/〈島〉との出会い

[北 杜夫・辻 邦生『若き日の友情』刊行記念対談]
北 杜夫×辻 佐保子/160通を超える手紙が伝える熱い友情のドラマ

田村喜子『余部鉄橋物語』
宮脇灯子/今夏使命を終えた「余部鉄橋」の百年
【緊急出版! 超人気ブログ『リストラなう!』刊行記念対談】
高橋源一郎×たぬきち/日本中が「リストラなう!」

北 康利『陰徳を積む―銀行王・安田善次郎伝―』
前田晃伸/共存共栄を目指した「金融界の大立者」

中原英臣『読む人間ドック』(新潮新書)
中原英臣/誰よりも早く病気に気づくために

平井久志『なぜ北朝鮮は孤立するのか―金正日 破局へ向かう「先軍体制」―』(新潮選書)
李 鍾元/内部の体制論理に踏み込み描く限界と矛盾

特集:「戦争」を掘り起こす
笹 幸恵『「白紙召集」で散る―軍属たちのガダルカナル戦記―』
左近允尚敏/兵士と同じ辛酸をなめた者たち

堀切和雅『なぜ友は死に 俺は生きたのか―戦中派たちが歩んだ戦後―』
稲泉 連/生き残りたちの「沈黙」の意味

エドワード・ミラー『日本経済を殲滅せよ』
手嶋龍一/アメリカの周到さを知れ

吉原 勇『降ろされた日の丸―国民学校一年生の朝鮮日記―』(新潮新書)
藤原作弥/朝鮮半島で聞いた玉音放送

神坂次郎 福富太郎 河田明久 丹尾安典『画家たちの「戦争」』(とんぼの本)
木下直之/従軍画家の声を聴く

コラム
三橋曉の海外エンタ三つ巴
挫折を乗り越える人間ドラマ―門田隆将『あの一瞬―アスリートはなぜ「奇跡」を起こすのか―』
とんぼの本編集部通信

連載
佐木隆三/わたしが出会った殺人者たち 第3回
宮城谷昌光/古城の風景 第86回 末盛(末森)城
小林朋道/ヒト、動物に会う 第3回
花村萬月/百万遍 流転旋転 第44回
吉川 潮/【対談】寿限無の言い分 笑福亭鶴瓶(後篇)
山折哲雄/長谷川伸と日本人 第8回
瀧井朝世/サイン、コサイン、偏愛レビュー 第5回
蓮池 薫/拉致と決断 第4回
新野剛志/中野トリップスター 最終回

編集室だより 新潮社の新刊案内 編集長から

編集長から

◇今月の表紙の筆蹟は、『若き日の友情―辻邦生・北杜夫 往復書簡―』が、七月三十日に刊行される、辻邦生氏と北杜夫氏。この本は、多数の未発表書簡を含む、昭和二十三年から三十六年までの一六〇通を超える書簡を収録しています。
 表紙に写っている書簡は、今から五十五年前の昭和三十年に、実際にふたりの間でやり取りされた葉書です(下段の宛名・齋藤宗吉は、北杜夫の本名)。本文では、北氏と辻邦生夫人の辻佐保子氏の対談を掲載しております。こちらもお読みください。
◇七月十五日に発表された第一四三回(平成二十二年度上半期)芥川龍之介賞を、赤染晶子氏の「乙女の密告」(「新潮」平成二十二年六月号)が受賞しました。なお、単行本は、七月二十六日に発売されます。
◇トマス・ピンチョン全小説『メイスン&ディクスン』(上・下)の刊行を記念して、訳者の柴田元幸氏によるトークショーが、七月三十一日(土)十八時より、東京・渋谷のタワーレコード渋谷店で開催されます。イベント観覧はフリーですが、座席は予約制(立ち見の場合は予約不要)。イベント終了後には、『メイスン&ディクスン』をお買い上げの方を対象に、柴田元幸氏のサイン会を行ないます。詳しくは、タワーレコード渋谷店(03-3496-3661)までお問い合わせください。
◇今月号で新野剛志氏の「中野トリップスター」の連載が終了します。ご愛読ありがとうございました。
◇ジータ・アナンド著『小さな命が呼ぶとき』(上・下 新潮文庫)が原作で、ハリソン・フォードが製作・総指揮を務めた映画「小さな命が呼ぶとき」(配給/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)が全国公開されました。余命わずかと宣告された我が子を救うため、父親と孤独な天才科学者が、不可能といわれた治療薬の開発に挑む、感動の実話です。子供の生きようとする力、それにこたえる親の愛情には凄いものがあります。

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

波とは?

 1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。

 創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。

 現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
 これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。