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[塩野七生『ローマ人の物語』新潮文庫版完結記念インタビュー]

波 2011年9月号

(毎月27日発売)

105円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2011/08/27

発売日 2011/08/27
JANコード 4910068230911
定価 105円(税込)

[塩野七生『ローマ人の物語』新潮文庫版完結記念インタビュー]
村木厚子/拘置所で読んだ『ローマ人の物語』

[宮本 輝『慈雨の音―流転の海 第六部―』刊行記念特集]
【インタビュー】宮本 輝/昭和の戦後を生きた人々の、巨大な人間劇場。
「流転の海」シリーズ梗概

石田 千『あめりかむら』
いしいしんじ/大阪で笑い、のたくることば

藤谷 治『我が異邦』
角田光代/世界の内訳

[加藤 廣『神君家康の密書』刊行記念インタビュー]
加藤 廣/悩む豊臣方、誘う家康

桜木紫乃『ラブレス』
村上貴史/もはや“悪魔的”。なんという小説なんだ……。

越谷オサム『いとみち』
藤田香織/「普通」なのに圧巻!? 地味系青春小説の決定版!

団 鬼六・黒岩由起子『手術は、しません―父と娘の「ガン闘病」450日―』
川本三郎/娘だけに見せた「無頼派」の弱さ

麻生 幾『前へ!―東日本大震災と戦った無名戦士たちの記録―』
麻生 幾/書き残しておきたいドラマ

海堂 尊・監修『救命―東日本大震災、医師たちの奮闘―』
歌代幸子/生死をかけた医師たちの軌跡

今尾恵介・監修『日本鉄道旅行地図帳 東日本大震災の記録』(新潮「旅」ムック)
日本鉄道旅行地図帳編集部/地図と写真で語り継ぐ「大震災と鉄道」

藤田紘一郎『こころの免疫学』(新潮選書)
椎名 誠/脳と腸、どっちがエライか

今泉恂之介『子規は何を葬ったのか―空白の俳句史百年―』(新潮選書)
出久根達郎/子規が見逃した「天才」俳人たち

須藤孝光『白洲次郎―日本を復興させた男―』
青柳恵介/白洲次郎の声が聞こえる

河合俊雄『村上春樹の「物語」―夢テキストとして読み解く―』
大澤真幸/『1Q84』の「色即是空」と「空即是色」

宮沢章夫『ボブ・ディラン・グレーテスト・ヒット第三集』
安藤礼二/記憶の迷宮

平井美帆『獄に消えた狂気―滋賀・長浜「2園児」刺殺事件―』
中村うさぎ/迷妄と悪夢の中に女は沈む

佐野眞一『東電OL殺人事件』/『東電OL症候群』(新潮文庫)
佐野眞一/東電OLのダイイングメッセージ

石神賢介『婚活したらすごかった』(新潮新書)
石神賢介/面白く、哀しく、そしてすごかった

トム・ロブ・スミス『エージェント6〔上・下〕』(新潮文庫)
吉野 仁/三部作の掉尾を飾る必死の脱出行

[新潮クレスト・ブックスフェア]
イアン・マキューアン 最新作『ソーラー』を語る
豊崎由美/世界中の、日本中の、大勢の“わたし”に向けられた小説
武田将明/海辺の文学
わたしの好きなクレスト・ブックス

【訳し下ろし短篇】アンソニー・ドーア(岩本正恵訳)/非武装地帯

コラム
三橋曉の海外エンタ三つ巴
とんぼの本をよむ

第8回新潮エンターテインメント大賞作品募集

連載
【新連載】椎名 誠/ぼくがいま、死について思うこと 第1回
瀧井朝世/サイン、コサイン、偏愛レビュー 第18回
阿部和重/幼少の帝国 成熟を拒否する日本人 第10回
蓮池 薫/拉致と決断 第17回
斎藤明美/高峰秀子の言葉 第3回
永田和宏/河野裕子と私 歌と闘病の十年 第4回
片山杜秀/未完のファシズム 第12回
佐木隆三/わたしが出会った殺人者たち 第16回

編集室だより 新潮社の新刊案内 編集長から

編集長から

◇今月の表紙の筆蹟は、加藤廣氏。刊行されたばかりの新刊『神君家康の密書』は、戦国時代末期を舞台にした三本の中編小説集です。中でも表題作は、豊臣家の家臣団で最後まで生き残った猛将・福島正則を主人公に、秀吉の跡継ぎ・秀頼への忠誠心と新たな支配者にならんとする徳川家康への恭順との狭間で葛藤する胸中と行動を、ダイナミックな構想と繊細な筆捌きで描き出した秀作。加藤氏には書名に合わせて密書風に揮毫していただきました。また、この作品集全体を通して、現在放映中のNHK大河ドラマ「江」の世界も垣間見え、ドラマとその時代をより深く理解したいという方にもお薦めしたい一冊です。
◇「『死』について考察し、自分だけの死ではなく、世の中のあらゆるモノの『死』について本気で考える、というのも、今この時期しかできないかもしれない、と思うようになった」(「サンデー毎日」六月十二日号)と語る、椎名誠氏の新連載が始まりました。酒豪で健啖家、冒険に明け暮れる快男児というイメージの強い椎名氏が「いま、死について思うこと」。これまでの作品には書かれていない氏の内面や体験が語られる、味わい深い随想になりそうです。ご期待ください。
◇三年前、まさに彗星のごとく登場し、「このミステリーがすごい!」海外編1位を獲得するなど、圧倒的な面白さでエンターテインメント小説界の話題を攫った『チャイルド44』(新潮文庫)。その著者のトム・ロブ・スミス氏が来日し、翻訳者の田口俊樹氏と共にトークショーとサイン会を行います。九月六日(火)19時から、東京・千代田区の丸善丸の内本店にて。予約、お問い合わせは電話03-5288-8881(丸善丸の内本店和書グループ)までお願いいたします。スミス氏の新作『エージェント6』(新潮文庫)については、吉野仁氏の書評と三橋曉氏のコラムをお読みください。

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

波とは?

 1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。

 創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。

 現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
 これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。