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【R-18文学賞大特集】
第16回 女による女のためのR-18文学賞受賞作発表
【特集 これも青春だ!】

小説新潮 2017年5月号

(毎月22日発売)

特別定価1,049円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2017/04/22

発売日 2017/04/22
JANコード 4910047010572
定価 特別定価1,049円(税込)
■まとめ テーマでくくる 本選びのヒント
[男が読むR-18文学賞]

■目次
【R-18文学賞大特集】

文芸界でも類を見ないユニークな新人賞から、また新たな才能が。「先輩」たちの充実の最新作とともにご賞味下さい。


第16回 女による女のためのR-18文学賞受賞作発表
〈選評〉
辻村深月三浦しをん・友近

〈大賞・読者賞〉
◆白尾 悠/アクロス・ザ・ユニバース
――父へのささやかな抵抗。女子高生の小さな冒険の結末は

〈友近賞〉
◆伊藤万記/月と林檎
――補習をきっかけに、美術講師に好感を持つ早希だったが

〈歴代受賞作家競作〉
第15回大賞
◆町田そのこ/ぎょらん
――ニートの兄が暴れるほど大事にしていた、幻の漫画って?

第15回読者賞
◆一木けい/潮時
――事故か事件か。揺れる飛行機の中で僕が思い出したのは

第14回大賞・友近賞
◆秋吉敦貴/産声
――母の死で決定的に狂った二人の歯車。破滅的な日常の裏に

第14回読者賞
◆小林早代子/アイドルの子どもたち
――芸能一家で育つ普通の男の子、洋輔と出会った緋奈子は

第11回大賞
深沢 潮/まーくんとふたごと
――家族と仕事。全てを手に入れて満足しているはずなのに

第11回読者賞
こざわたまこ/地平線の横顔
――家族解散! それ以来、両親の幸せを祈って来たけれど

第10回大賞
田中兆子/寒風
――十年近く音信不通だった息子が会いに来る。その意図は?

第8回大賞
窪 美澄/トリニティ(連載第二回)
【特集 これも青春だ!】

イケてなくてもトシ食ってても、そんなことは一切カンケーなし。
人間到る処青春あり。いっそ清々しいオルタナティブ青春小説特集。


久坂部羊/カネと共に去りぬ
――日々を謳歌する資産家たちでも、老いの波は避けられず――

◆小嶋陽太郎/友情だねって感動してよ
――人形と弁当を食べるクラスメイトを、いつも観察している僕は

藤岡陽子/きみを想う金曜日
――婚活パーティーで運良く出会った年下の彼。でも初デートは……

三羽省吾/ザ・キッズ・アー・オールライト
――拳で語り合った十四年前の夏。リングに立つ友人に記憶が蘇る

【新連載エッセイ】
◆武田砂鉄/ポジティブ・ファシズム
――私たちは今、「前向き」や「共感」を強要されていないか。「夢」や「絆」であふれる現代の空気に鋭く切り込む!
【特選読み切り小説】
◆加納朋子/プリマドンナの休日 カーテンコール!
――掃き溜めに鶴、は言い過ぎだけど、どうして彼女が留年組に?

◆中島京子/さもなきゃ死ぬかどっちか
――あの喫茶店に初めて連れて行った友だち。名前は、私と同じトモコ

◆木皿 泉/ハコジマ(後編)
――不登校の中島の代わりに教室へ来た箱と、修学旅行にきたツチヤは

畠中 恵/ふろうふし しゃばけ シリーズ最終話
――本復しない藤兵衛のため、若だんなは常世の国に行くことになり

小説新潮作家名鑑
◆三羽省吾
ゴールデン街とデヴィッド・ボウイ。小説家をつくるもの

【バラエティコラム】
〈いつか住みたい街〉 岩井勇気
〈マイルーティーン〉 武田 花
〈あのとき聞いた音楽〉 文月悠光

【連載コラム】
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈歴史・時代〉田口幹人/〈SF・ファンタジー〉石井千湖/〈恋愛・青春〉名久井直子

【好評連載小説】
あさのあつこ/ハリネズミは月を見上げる
乾 緑郎/杉山検校
逢坂 剛/鏡影劇場
奥田英朗/霧の向こう
小島慶子/陽だまりの宴
今野 敏/棲月 隠蔽捜査7
瀬尾まいこ/夏がぼくを走らせる
千早 茜/硝子のコルセット
貫井徳郎/邯鄲の島遥かなり
初野 晴/世界の果ては二つ
早見和真/ザ・ロイヤルファミリー
薬丸 岳/刑事弁護人
山本文緒/自転しながら公転する

【連載エッセイ・マンガ】
阿刀田高/漱石を知っていますか
Oka-Chang/へそのお
佐藤 優/落日の帝国 プラハの憂鬱
中野信子/孤独な脳、馬鹿になれない私
西きょうじ/そもそも
群 ようこ/じじばばのるつぼ
森見登美彦/ならのほそ道
矢部太郎大家さんと僕

第三十回「山本周五郎賞」候補作発表
「日本ファンタジーノベル大賞2017」募集要項
次号予告/表紙画家のつぶやき

この号の誌面

編集長から

女による女のための男も読みたい小説

 今年から再出発する「日本ファンタジーノベル大賞2017」と並んで、弊社が主催するもうひとつのユニークな文学賞が「女による女のためのR-18文学賞」。今年で十六回を迎えるこの賞が、またも期待値大の新星を発掘しました。大賞・読者賞をダブル受賞した白尾悠さん、友近賞を受賞した伊藤万記さん、どちらも瞠目すべき完成度です。窪美澄氏を始めとする歴代受賞者8氏の新作ともども、日々進化し続ける女性作家の感性と技量を、じっくりと味わって下さい。
 続いて久坂部羊、小嶋陽太郎、藤岡陽子三羽省吾の4氏による特集「これも青春だ!」。人間到る処青山ではなく青春あり。イケてなくても高齢でも、そんなことはカンケーないという、いっそ清々しいオルタナティブ青春小説特集です。
 また今月号から、独自の角度から現代社会に切り込み注目を浴びる、武田砂鉄氏の刺激的連載「ポジティブ・ファシズム」がスタートします。

小説新潮編集長 江木裕計

お知らせ

第14回 矢部太郎「大家さんと僕」

なんと大家さんが入院! 心配した僕は後輩を連れてお見舞いに行くことに……

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■矢部太郎さんのひとこと

今回登場したもずく。もずくは大家さんと毎月のように行く鰻屋さんで、鰻が焼き上がるまでに必ず頼む大家さんの好物です。鰻も、もずくも大好きな僕は気があうなあと思っていました。ある時聞いてみると実は大家さん、鰻は脂が強く少し苦手なんだそうです。それでも毎月鰻屋さんに行かれるのには理由があって、亡くなったお兄さんが鰻がお好きでその月命日だからなのだそうです。そしてその鰻屋さんは「空襲のあと小学校の同級生で残った3人」のうちの一人のお店なんだそうです。大家さんと鰻にはそんな歴史がありました。


■読者の声

ものすごくほのぼのほっこりしてて気持ちがあたたかくなり矢部さんの大家様に対しての優しさもあり、戸惑いとかもありの……。癒しの漫画で毎月楽しみにしております。(40代・女性)

ザ・スズナリ「世界は嘘で出来ている」を観劇しました。漫画と同じように何とも言えない良い感じの演技でした。素敵でした。大家さんに 舞台俳優=矢部太郎さんを観ていただきたいです。舞台俳優、漫画は、ずっと ず~~ っと続けて下さい。楽しいです。そして是非大家さんと一緒に漫画単行本出版記念トークショー、サイン会して下さい。絶対に参加します。(50代・女性)

◎これまでの「大家さんと僕」はこちらからご覧いただけます。

次号予告

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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