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【特集 ネオ・エロティシズムの誘惑】足立 紳/一木けい/伊藤朱里/笹井都和古/田中兆子/花房観音/森 美樹

小説新潮 2017年11月号

(毎月22日発売)

947円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2017/10/21

発売日 2017/10/21
JANコード 4910047011173
定価 947円(税込)
■まとめ テーマでくくる 本選びのヒント
ネオ・エロティシズムの誘惑
■目次
【特集 ネオ・エロティシズムの誘惑】
――画像や動画ではなく、文章で感じさせたい――。気鋭作家が様々に企んだ、エロティック文芸の最新形!

◆足立 紳/妻としたい
――半年間、やらせてくれない妻。揺れる巨乳に心も乱れて

◆一木けい/穴底の部屋
――これは恋? それとも逃避? 主婦の泉はある男に出会い

◆伊藤朱里/赤い小鳥
――私は三姉妹の長女。母親は好きに生きろと言うけれど

◆笹井都和古/CV:ユキハライッサ
――女たちの嬌声を浴びる声優男子。その鬱屈がはじけ飛ぶ

田中兆子/あなたの惑星
――この交尾が成功するように、みんな見守ってくれている

花房観音/桜の里
――男に手を引かれて大嫌いな田舎を出た鈴香。しかし……

森 美樹/やわらかい棘
――母が死んだのに涙も出ない私。代わりに泣いたのは――

〈特別エッセイ〉
 蛭田亜紗子/トリップ・トゥ・ザ・ストリップ――ストリップに夢中
――扉の向こうは夢の国。女性もハマる夜の世界へようこそ

〈対談〉
 花房観音×原 武史/聖と性――日本のエロティシズム――
――官能小説家と政治学者。それぞれの視座で性を語りつくす

【新連載小説】
楡 周平/鉄の楽園
――新幹線を売り込めば中国に敗北。赤字路線は次々と廃線。じり貧続きの鉄道王国を再建する秘策が、北海道にあるというのだが

【新企画 連続インタビュー】
ペリー荻野/テレビの荒野を歩いた人たち 石井ふく子の巻・前編
――テレビ黎明期の頃は、本番もCMもすべて生放送だった……そんな時代を創った先達たちに聞いておきたい、あのことこのこと

【特選読み切り小説】
◆木皿 泉/ユレル(前編)
――極秘任務の決行日に起きた大地震。約束は果たせるか、それとも

◆小松エメル/知らない声 銀座ともしび探偵社
――あなたの声が好きだと赤の他人に言われ、困惑する能瀬だが

【連載第二回】
乙川優三郎/二十五年後の読書
高田崇史/姫神の葬祭 ―天照大神暗殺―
高野秀行/謎の未確認納豆を追え!

小説新潮作家名鑑
◆小松エメル
――ビルの狭間に息づく銀座の伝統に触れ、自然とこぼれた微笑みを

【バラエティコラム】
〈思い出の手料理〉 筒井ともみ
〈あのとき聞いた音楽〉 畑 主税
〈もういちど会いたい〉 安田謙一

【連載コラム】
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈歴史・時代〉 田口幹人/〈SF・ファンタジー〉 石井千湖/〈恋愛・青春〉 高頭佐和子

【好評連載小説】
あさのあつこ/ハリネズミは月を見上げる
石田衣良/清く貧しく美しく
乾 緑郎/杉山検校
逢坂 剛/鏡影劇場
奥田英朗/霧の向こう
窪 美澄/トリニティ
白石一文/ひとりでパンを買いに行く日々に
西村京太郎/広島電鉄殺人事件
貫井徳郎/邯鄲の島遥かなり
野口 卓/大名絵師写楽
初野 晴/世界の果ては二つ
早見和真/ザ・ロイヤルファミリー
山本一力/船旗を替えよ!
山本文緒/自転しながら公転する

【連載エッセイ】
Oka-Chang/へそのお
佐藤 優/落日の帝国 プラハの憂鬱
武田砂鉄/ポジティブ・ファシズム
中野信子/孤独な脳、馬鹿になれない私
西 きょうじ/そもそも
群 ようこ/じじばばのるつぼ

第五回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告/表紙画家のつぶやき

編集長から

文章で探究する21世紀のエロス

 週刊誌によると、昨今はネット上の「その種」の動画の類は、ほぼ何でもアリなのだとか。誠にもってご同慶の至りと言いたいところだが、かつてのように文章を通じてエロスを玩味する能力が衰えることは必定だろう。そんなご時世に抗うべく、特集「ネオ・エロティシズムの誘惑」を組んだ。足立紳、一木けい、伊藤朱里、笹井都和古、田中兆子花房観音森 美樹という気鋭の7氏による、多彩で挑発的な小説群。加えて蛭田亜紗子氏のストリップ探訪エッセイ、花房氏と政治学者・原武史氏が性を語り尽くす異色対談も。21世紀において「文芸によるエロスの探求」がいかになされるのか、ぜひ確認されたい。
 本号からの新連載が2本。楡 周平氏の長編小説「鉄の楽園」は、日本が世界に誇る鉄道の復権がテーマ。そしてペリー荻野氏の連続インタビュー「テレビの荒野を歩いた人たち」には、今回の石井ふく子氏を始め、草創期のテレビ界で活躍した大物たちが続々登場する。

小説新潮編集長 江木裕計

次号予告

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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