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もう一杯、飲む?

角田光代/著 、島本理生/著 、燃え殻/著 、朝倉かすみ/著 、ラズウェル細木/著 、越谷オサム/著 、小泉武夫/著 、岸本佐知子/著 、北村薫/著

649円(税込)

発売日:2021/05/28

  • 文庫

もう会えない誰かと、あの日あの場所で。九人の作家が紡ぐ「お酒のある風景」に乾杯!

ときに酒は、記憶を呼び覚ます装置になる。わたしを魅了するあの人は昼間から水玉のお猪口を手にしていた。僕はビールの苦さに重ねて父の呟きを反芻する。恋の行方を探りながらそっと熱燗を飲んだ日、ただ楽しくて倒れるほど飲んだ夜、まだ酒を知らなかった若さを、今は懐かしく思う。もう会えない誰かと、あの日あの場所で。九人の作家が小説・エッセイに紡いだ「お酒のある風景」に乾杯!

目次
冬の水族館 角田光代
その指で 島本理生
これがいいんだ 燃え殻
シネマスコープ 朝倉かすみ
陸海空 旅する酔っぱらい ラズウェル細木
カナリアたちの反省会 越谷オサム
奇酒は貴州に在り 小泉武夫
エリックの真鍮の鐘 岸本佐知子
振り仰ぐ観音図 北村薫

書誌情報

読み仮名 モウイッパイノム
シリーズ名 新潮文庫
装幀 gettyimages/photo、新潮社装幀室/デザイン
雑誌から生まれた本 小説新潮から生まれた本
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
頁数 240ページ
ISBN 978-4-10-105835-1
C-CODE 0193
整理番号 し-21-21
ジャンル 文学賞受賞作家
定価 649円

著者プロフィール

角田光代

カクタ・ミツヨ

1967年神奈川県生れ。1990年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。1996年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞、2003年『空中庭園』で婦人公論文芸賞、2005年『対岸の彼女』で直木賞、2006年「ロック母」で川端康成文学賞、2007年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、2011年『ツリーハウス』で伊藤整文学賞、2012年『紙の月』で柴田錬三郎賞、『かなたの子』で泉鏡花文学賞、2014年『私のなかの彼女』で河合隼雄物語賞、2021年『源氏物語』(全3巻)訳で読売文学賞(研究・翻訳賞)を受賞。著書に『キッドナップ・ツアー』『くまちゃん』『笹の舟で海をわたる』『坂の途中の家』『タラント』他、エッセイなど多数。

島本理生

シマモト・リオ

1983(昭和58)年、東京生れ。1998(平成10)年、「ヨル」で「鳩よ!」掌編小説コンクール第二期10月号当選(年間MVP受賞)。2001年「シルエット」で群像新人文学賞優秀作を受賞。2003年「リトル・バイ・リトル」で野間文芸新人賞を受賞。2018年『ファーストラヴ』で直木賞を受賞。著書に『シルエット』『リトル・バイ・リトル』『生まれる森』『ナラタージュ』『一千一秒の日々』『あなたの呼吸が止まるまで』『クローバー』『波打ち際の蛍』『君が降る日』『真綿荘の住人たち』『あられもない祈り』『アンダスタンド・メイビー』などがある。

島本理生 Official Website (外部リンク)

燃え殻

モエガラ

1973年生まれ。2017年『ボクたちはみんな大人になれなかった』で小説家デビュー。同作はNetflixで映画化、またエッセイ集『すべて忘れてしまうから』はDisney+でドラマ化、『湯布院奇行』が朗読劇化(原作)、『あなたに聴かせたい歌があるんだ』がコミック化とHuluでドラマ化された(原作と脚本)。著書に長篇小説『これはただの夏』、エッセイ集『それでも日々はつづくから』『ブルー ハワイ』ほか。

朝倉かすみ

アサクラ・カスミ

北海道生れ。2003(平成15)年に「コマドリさんのこと」で北海道新聞文学賞を、2004年に「肝、焼ける」で小説現代新人賞を受賞。2005年、『肝、焼ける』で単行本デビュー。2009年に『田村はまだか』で吉川英治文学新人賞を受賞した。他に『ロコモーション』『夏目家順路』『声出していこう』『てらさふ』『地図とスイッチ』『恋に焦がれて吉田の上京』『静かにしなさい、でないと』『少しだけ、おともだち』『満潮』『遊佐家の四週間』『乙女の家』など著書多数。

ラズウェル細木

ラズウェル・ホソキ

1956年、山形県生まれ。1983年に漫画家デビューし、呑兵衛たちの心をくすぐる漫画を発表し続けている。2012年、『酒のほそ道』などで手塚治虫文化賞短編賞受賞。ほかに、うなぎ漫画『う』、ブタ肉入門漫画『ぶぅ』など著書多数。

越谷オサム

コシガヤ・オサム

1971(昭和46)年、東京生れ。2004(平成16)年、日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作『ボーナス・トラック』でデビュー。他の著作に『階段途中のビッグ・ノイズ』『陽だまりの彼女』『空色メモリ』『金曜のバカ』『せきれい荘のタマル』『いとみち』三部作『房総グランオテル』『まれびとパレード』など。

小泉武夫

コイズミ・タケオ

1943(昭和18)年、福島県の酒造家に生れる。東京農業大学名誉教授。農学博士。専門は発酵学、醸造学、食文化論で、2022年12月現在は発酵学者・文筆家として活躍中。世界中の珍味、奇食に挑戦する「食の冒険家」でもある。『不味い!』『発酵は錬金術である』『猟師の肉は腐らない』『幻の料亭「百川」ものがたり』『魚は粗がいちばん旨い』『食いしん坊発明家』『灰と日本人』『くさいはうまい』『日本酒の世界』『肝を喰う』『北海道を味わう』など、著書は150冊を超える。

岸本佐知子

キシモト・サチコ

翻訳家。訳書にスティーヴン・ミルハウザー『エドウィン・マルハウス』、リディア・デイヴィス『ほとんど記憶のない女』、ニコルソン・ベイカー『中二階』、ジャネット・ウィンターソン『灯台守の話』など多数。編訳書に『変愛小説集』、著書に『なんらかの事情』など。2007年、『ねにもつタイプ』で講談社エッセイ賞を受賞。

北村薫

キタムラ・カオル

1949年埼玉県生まれ。早稲田大学ではミステリクラブに所属。1989年、「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。1991年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。小説に『秋の花』『六の宮の姫君』『朝霧』『太宰治の辞書』『スキップ』『ターン』『リセット』『盤上の敵』『ニッポン硬貨の謎』(本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)『月の砂漠をさばさばと』『ひとがた流し』『鷺と雪』(直木三十五賞受賞)『語り女たち』『1950年のバックトス』『ヴェネツィア便り』『いとま申して』三部作『飲めば都』『八月の六日間』『中野のお父さん』『遠い唇』『雪月花』『水 本の小説』(泉鏡花文学賞受賞)などがある。読書家として知られ、『謎物語』『ミステリは万華鏡』『読まずにはいられない 北村薫のエッセイ』『神様のお父さん――ユーカリの木の蔭で2』など評論やエッセイ、『名短篇、ここにあり』(宮部みゆきさんとともに選)などのアンソロジー、新潮選書『北村薫の創作表現講義』新潮新書『自分だけの一冊――北村薫のアンソロジー教室』など創作や編集についての著書もある。2016年日本ミステリー文学大賞受賞、2019年に作家生活三十周年記念愛蔵本『本と幸せ』(自作朗読CDつき)を刊行。近著に『中野のお父さんと五つの謎』。

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