
管見妄語 できすぎた話
539円(税込)
発売日:2018/07/28
- 文庫
- 電子書籍あり
さる高名な人は言った。「語学ができるほどだんだんバカになる人間のほうがむしろ多い」。
さる人は言った。「語学ができるほど、だんだんバカになる人間のほうがむしろ多い」。小学校からの英語教育は非常に罪深い、愚民化政策だ。名著を読む時間が取れず、教養が身につかないからだ。昨今蔓延(はびこ)るグローバリズムの下では教養や品性など、どうでも良いらしい。だがこのままでは日本の国力はかならず減衰する。国家百年の計を弁えぬ、頓珍漢は黙れ! 憂慮と怒りの週刊新潮人気コラム。
目次
はじめに
第一章 祖国に対する誇りと自信
世界一の光と影/スコットランドの誇り/『聖職の碑』を訪ねて/方言という遺産/土壇場のためらい/イチジクのノスタルジー/真夜中の至急電/ノーベル賞を培う風土/日本の国是/秋の真下
第二章 国民エネルギーの壮大な無駄
神様の御高見/私は大いに慌てた/英語教育の愚論愚策/日本のもみじ/学問の罠/新年の決意/脅威の風船/間違い探しの迷い道/一冊の本の力
第三章 人生とは別れの堆積
グローバル人材という幻想/渾身のジャンプ/後世特別ノ御高配ヲ/淋しきシンデレラ/かえってきたお餅/白人の負け惜しみ/よみがえれ講談本/仰げば尊し/事実と噂と嘘/雄々しき血
第四章 国家百年の計をわきまえぬ頓珍漢
人間を育てずして/無言の圧力/非情なルール/藤原家の瓦解/栄光と恥辱/忘れ去られたお針子/人間ホーキング/国家百年の誤り/ありがたくない励まし/ハイジャックされた国
第五章 文明は後戻りできない
指させば ふと消えて/孤高のテノール/屈従と卑屈の構図/ヨーロッパの悲運/努力の人/ドゴール的ストーリー/人間のあるべき姿/便利の不便/二十八年前の隣人/真冬のシドニーにて
解説 増田明美
書誌情報
読み仮名 | カンケンモウゴデキスギタハナシ |
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シリーズ名 | 新潮文庫 |
装幀 | 新潮社装幀室/デザイン |
雑誌から生まれた本 | 週刊新潮から生まれた本 |
発行形態 | 文庫、電子書籍 |
判型 | 新潮文庫 |
頁数 | 240ページ |
ISBN | 978-4-10-124817-2 |
C-CODE | 0195 |
整理番号 | ふ-12-17 |
ジャンル | エッセー・随筆 |
定価 | 539円 |
電子書籍 価格 | 539円 |
電子書籍 配信開始日 | 2019/01/18 |
著者プロフィール
藤原正彦
フジワラ・マサヒコ
1943(昭和18)年、旧満州新京生れ。東京大学理学部数学科大学院修士課程修了。お茶の水女子大学名誉教授。1978年、数学者の視点から眺めた清新な留学記『若き数学者のアメリカ』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞、ユーモアと知性に根ざした独自の随筆スタイルを確立する。著書に『遥かなるケンブリッジ』『父の威厳 数学者の意地』『心は孤独な数学者』『国家の品格』『この国のけじめ』『名著講義』(文藝春秋読者賞受賞)『ヒコベエ』『日本人の誇り』『孤愁 サウダーデ』(新田次郎との共著、ロドリゲス通事賞受賞)『日本人の矜持』『藤原正彦、美子のぶらり歴史散歩』『国家と教養』等。新田次郎と藤原ていの次男。
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